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売却・活用 読了時間:約10分

空き家を解体せず「古屋付き土地」として売るメリット・デメリットと売却のコツ

空き家を売却する方法として、建物を解体して更地にしてから売るケースが多いですが、解体費用を負担せずに「古屋付き土地」として売る方法もあります。解体費用を節約できる半面、買い手が限られる・値引き交渉されやすいというデメリットもあります。本記事では古屋付き土地売却のメリット・デメリット・売れやすい条件と価格設定の目安を解説します。

古屋付き土地とは何か

古屋付き土地とは、使用できる状態にある建物(古家)を残したまま、土地としての価値を主体として売り出す売却手法です。国土交通省の不動産取引価格情報によると、地方の空き家は都市部に比べて流通量が少なく、適正価格での売却に時間を要するケースが多くあります。古屋付き土地として売り出すことで、解体費用を節約しながら早期売却を実現できる場合があります。

登記上は建物が存在する状態ですが、売買の実態としては「土地の売買」として扱われます。登記上は建物が存在する状態ですが、売買の実態としては「土地の売買」として扱われます。

「古家付き土地」と「中古住宅」の違い

古屋付き土地と中古住宅の最大の違いは、建物の価値をゼロまたはマイナス(解体費用分)として扱うかどうかです。古屋付き土地では建物に経済的価値はなく、買主が解体または活用するという前提で売り出します。一方、中古住宅は建物の居住性・リフォーム価値を評価した上で売り出します。

どんな物件が該当するか

登記上の注意点

古屋付き土地として売却しても、建物は登記上残ります。買主が解体する場合は、滅失登記の手続きを買主側が行うことが一般的です。契約前に費用負担について明確にしておきましょう。

解体せずに売るメリット

古屋付き土地として売却する最大のメリットは、高額な解体費用を負担しなくて済む点です。

解体費用を節約できる

木造住宅の解体費用は建坪30坪で90〜150万円程度、RC造であれば150〜250万円以上かかります。古屋付き土地として売ることで、この費用を売主が負担する必要がなくなります。売却価格に解体費相当を上乗せするという考え方もできます。

固定資産税の軽減特例が継続する

住宅用地には固定資産税・都市計画税の軽減特例(小規模住宅用地は課税標準が1/6)が適用されます。建物を解体して更地にすると、翌年からこの特例が外れて固定資産税が大幅に増加します。古屋付き土地として売却するまでの期間は、税負担を抑えられます。

売却までの手間・時間が省ける

解体工事には業者選定・見積り・工事期間(1〜2か月)が必要です。古屋付き土地として売り出すことで、売却準備の時間を短縮できます。急いで現金化したい場合には有効な選択肢です。

古屋付き土地のデメリット

古屋付き土地には売却しやすい側面もありますが、注意すべきデメリットもあります。

買い手が限られる

古屋付き土地は「解体費用を自分で負担する」ことが前提のため、購入後すぐに住みたい一般購入者よりも、投資家・建売業者・リノベーション業者などに買い手が限られる傾向があります。エンドユーザーへの直接売却は更地や中古住宅より難しくなります。

値引き交渉されやすい

買主側から「解体費用分を値引いてほしい」という交渉が入りやすいのが実情です。解体費用の相場(100〜200万円程度)を事前に把握した上で、価格設定に反映しておくことが重要です。

売却期間が長くなる可能性がある

ターゲット層が絞られるため、更地と比べると成約までの時間がかかるケースがあります。特に地方・郊外の物件では需要が少なく、売れ残りリスクが高まります。

アスベスト含有に注意

1975年以前に建てられた建物にはアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。解体時に事前調査が義務付けられており(2022年法改正)、処理費用が通常より高額になる場合があります。買主へ事前に告知する義務があります。

更地にして売る場合との比較

古屋付き土地と更地にしてから売る場合の違いを整理します。

費用・手間の比較

売却しやすさの比較

更地は一般の住宅購入者にも売りやすく、融資を使った購入もしやすいため、成約率が高い傾向があります。一方、古屋付き土地は買主層が限られますが、解体費相当を価格に反映できれば収支的には同等になることもあります。

判断基準

解体後の更地価格が解体費用を上回る地域(都市部・需要の高いエリア)では更地売却が有利です。地方・郊外で更地にしても需要が低いエリアでは、解体費をかけずに古屋付き土地として売り出す方が合理的です。

古屋付き土地が売れやすい条件

古屋付き土地として売却が成功しやすいケースを解説します。

立地が良い(駅近・都市部)

利便性の高いエリアであれば、建売業者・投資家が土地の取得を目的として購入するニーズがあります。駅徒歩10分圏内や幹線道路沿いの物件は古屋付きでも売れやすい傾向があります。

築年数が比較的新しい(築20〜30年程度)

建物がリノベーション可能な状態であれば、古民家再生・DIYリフォームを希望する買主にも訴求できます。解体前提ではなく居住利用前提の買主も見込めます。

自治体の解体費補助制度がある

空き家の解体費補助金を用意している自治体では、買主が補助金を活用して解体できるため、購入ハードルが下がります。物件所在地の補助制度を事前に調べて、売却広告に記載するのが有効です。

解体費補助の確認先

解体費補助の有無は物件所在の市区町村の空き家対策担当窓口や自治体ウェブサイトで確認できます。補助額は一般的に解体費の1/3〜1/2(上限50〜100万円程度)が多いです。

売却価格の設定目安

古屋付き土地の価格設定は、土地の評価額から解体費相当額を差し引いて算出するのが一般的です。

基本的な計算式

古屋付き土地の売却価格の目安は「更地評価額 − 解体費用相当額」です。例えば、更地での評価額が2,000万円で解体費が150万円の場合、古屋付き土地の価格目安は1,850万円となります。

実際の査定では交渉余地を残す

買主から解体費相当の値引き交渉が想定されるため、最初の売り出し価格には交渉余地を織り込んでおくことをおすすめします。複数の不動産会社に査定を依頼し、相場感を把握した上で価格設定を行いましょう。

インスペクション(建物調査)の活用

売却前に既存住宅状況調査(インスペクション)を実施しておくと、建物の状態を客観的に示せるため、値引き交渉に根拠を持って対応できます。費用は5〜10万円程度です。

参考・出典

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