相続登記は 2024年4月 から義務化。正当な理由なく3年以内に登記しないと最大10万円の過料対象です
税金・控除 読了時間:約10分

相続した不動産を売却した年の確定申告【必要書類・申告手順・節税ポイント】

相続した不動産を売却した場合、一定の条件を満たすと「譲渡所得税」がかかり、確定申告が必要になります。しかし相続特有の「取得費加算の特例」などを正しく使えば税負担を大幅に減らせます。本記事では確定申告が必要なケース・計算方法・節税の特例・必要書類・申告手順を詳しく解説します。

不動産売却で確定申告が必要な理由

不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合、それは所得税の課税対象となり、確定申告が必要です。

譲渡所得が発生するケース

売却価格が「取得費+譲渡費用」を上回る場合に譲渡所得が発生します。相続した不動産は「相続で取得したときの費用(相続税等)」ではなく、「被相続人(故人)が取得したときの費用」が取得費となるため注意が必要です。

確定申告が不要なケース

黒字でも赤字でも申告が推奨される

各種特例(3,000万円控除・取得費加算・居住用財産の買換え特例)は確定申告をしなければ適用されません。たとえ利益がなくても、特例を使うために申告することが重要です。

譲渡所得の計算方法

課税される譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

基本計算式

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

各項目の内訳

税率

譲渡所得への税率は所有期間によって異なります。

相続で取得した不動産は、被相続人(故人)の取得時から所有期間をカウントします。

取得費が不明な場合の概算取得費

親が昔に購入した不動産は、購入当時の売買契約書が残っていないケースがあります。

取得費不明の場合の対応

取得費が不明な場合や、実際の取得費が売却価格の5%未満の場合は、「概算取得費(売却価格の5%)」を取得費として使用できます。

例:売却価格3,000万円の場合、概算取得費=150万円

概算取得費より実際の取得費の方が高い場合

売買契約書が見つかった場合は実際の取得費を使う方が有利です。実際の取得費が概算取得費(5%)を上回る場合は必ず実額を使いましょう。

取得費の証明書類

取得費の実額を主張するためには証明書類が必要です。売買契約書がない場合でも、通帳の振込記録・登記費用の領収書・固定資産税の課税証明書なども参考資料として活用できる場合があります。税務署や税理士に相談しましょう。

相続財産の取得費加算の特例

相続した不動産の売却で使える重要な節税特例が「取得費加算の特例」です。

取得費加算の特例とは

相続や遺贈によって財産を取得し、相続税を納めた場合に、その相続税の一部を不動産の取得費に加算できる特例です。これにより譲渡所得が減少し、税負担が軽くなります。

特例の適用要件

加算できる取得費の計算

加算できる金額は「その相続人が納付した相続税額×(売却した不動産の相続税評価額÷その相続人が取得した全財産の相続税評価額)」で計算します。税理士に計算を依頼することをおすすめします。

取得費加算と3,000万円特別控除は原則併用不可

相続空き家の3,000万円特別控除と取得費加算の特例は、原則として同一の譲渡に対して両方を適用することはできません。どちらが有利かを税理士とともに確認しましょう。

確定申告の時期と流れ

不動産売却に係る確定申告のスケジュールと手順を解説します。

申告の時期

不動産を売却した年の翌年2月16日〜3月15日が確定申告の期間です。例えば2025年中に売却した場合、2026年の2〜3月に申告します。

申告の流れ

  1. 必要書類を収集する(次セクション参照)
  2. 譲渡所得の計算を行う
  3. 適用できる特例(3,000万円控除・取得費加算など)を確認する
  4. 確定申告書(第三表=分離課税用)を作成する
  5. 税務署への提出(窓口・郵送・e-Tax)
  6. 納税(口座振替・コンビニ納付・クレジットカードなど)

必要書類一覧

不動産売却の確定申告に必要な書類をまとめます。

売却に関する書類

取得に関する書類

相続に関する書類

特例適用に必要な書類

専門家に相談すべきケース

不動産売却の確定申告は複雑になりやすく、専門家への相談が有効な場面を解説します。

税理士相談を強く推奨するケース

費用の目安

不動産売却の確定申告を税理士に依頼した場合の費用は5〜15万円程度が目安です。節税効果が費用を大幅に上回る場合が多く、相談する価値は十分あります。

譲渡所得税を事前に試算してみましょう

売却価格・取得費・各種控除を入力するだけで譲渡所得税の概算を試算できます。

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