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火災保険の水災補償は付ける?|保険金が出る条件・ハザードマップの見方・水災等地・相続した家で確かめること

火災保険の水災補償は、商品によって付いているかも、保険金が出る条件も違います。日本損害保険協会の補償内容の表では、水災は住宅総合保険が補償の対象、住宅火災保険は対象外です。保険金が出る条件は保険会社が公開していて、損害割合30%以上や床上浸水といった基準が並びます。付けるかどうかを決める前に、①いまの契約に水災があるか ②ハザードマップで家の場所の浸水の想定 ③水災等地 ④保険会社の支払い条件、の順に確かめると、決める材料がそろいます。

家の場所水災補償の考え方確かめること
川の近く、洪水浸水想定区域の中河川の氾濫(外水氾濫)は水災被害額の56.2%を占める(料率機構、国土交通省の水害統計2011〜2020年)。契約に水災があるかと支払い条件を見る重ねるハザードマップの洪水、保険証券の水災
川から離れた市街地下水道などがあふれる内水氾濫や土砂災害も水災に含まれ、河川から離れた地域でも被害は起きている(料率機構)市区町村の内水・土砂のハザードマップ、水災等地
裏山や斜面の近く土砂崩れ・落石を水災の対象に挙げる商品がある(三井住友海上・日新火災)土砂災害のハザードマップ、商品の支払い条件
海や河口の近く高潮を水災の対象に挙げる商品がある(三井住友海上・日新火災)。地震・津波による損害は地震保険(協会)高潮のハザードマップ、地震保険の有無
高台で、いまの契約に水災がない協会の表では住宅火災保険は水災が対象外。等地が低くても、どの等地でも水害は発生している(料率機構)保険証券の商品名、水災等地

日本損害保険協会、損害保険料率算出機構、各保険会社の公開情報から作成(2026年10月3日取得)。

自分はどの場合に当てはまるか

水災で保険金が出る条件は、保険会社と商品で違う

日本損害保険協会は、すまいの保険(火災保険)には、火災だけでなく風災・水災・雪災・落雷などの風水災等による損害を補償する商品があると案内しています。水災については、洪水により家が流された損害などで損害額が一定割合以上に達するものや、床上浸水による損害を、補償の対象としている商品もある、という書き方です。割合の数字は協会のページには載っていません。

数字は保険会社ごとの公開情報にあります。取れた範囲では次のとおりです。

保険会社・商品水災で保険金が出る条件補足
東京海上日動(FAQ)契約に水災の補償があり、損害割合が30%以上、または床上浸水・地盤面より45cmを超える浸水契約の内容で対象が異なる。原則、訪問で被害状況を確認して判断
三井住友海上 GKすまいの保険など再調達価額の30%以上の損害、または床上浸水・地盤面より45cmを超える浸水の結果、損害が生じた場合GKすまいの保険はプランにより水災の補償がある
三井住友海上 住宅総合保険保険価額の30%以上の損害、または床上浸水により損害が生じた場合45cmの記載はない
三井住友海上 住宅火災保険水災の補償はない協会の表も同じ
損保ジャパン(水災による被害)受け取れる保険金は損害の程度で異なり、建物の保険価額の30%以上の場合と、床上浸水で30%未満の場合で扱いが分かれる現在加入中の火災保険と最新の火災保険で表が分かれる
日新火災 お家ドクター火災保険Web損害額が新価額の30%以上、または床上浸水・地盤面より45cmを超える浸水水災はオプションの特約。実損払と定率払がある

東京海上日動FAQ、三井住友海上FAQ No.1151(2024年8月20日更新)、損保ジャパン、日新火災の公式ページから作成(2026年10月3日取得)。

同じ会社でも商品で基準が違い、三井住友海上の住宅総合保険は「床上浸水」までで、地盤面からの45cmは条件に入っていません。「30%」「45cm」を一律に当てはめず、契約している商品の約款で確かめてください。床上浸水は、日新火災と損保ジャパンの案内では、居住の用に供する部分の床(畳敷または板張等のもので、土間やたたきの類は除く)を超える浸水です。

協会の補償内容の表には、水災について「一部自己負担額がある場合もあります」とあります。日新火災の実損払は、損害の額から保険証券に書かれた自己負担額(免責金額)を差し引いた額が支払われます。水災の補償が付いていても、損害の全額が出るとは限りません。

ハザードマップの見方

国土交通省のハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」は、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報を地図に重ねて表示します。住所を入れると、その地点の災害リスクを調べられます。「わがまちハザードマップ」は、市町村が法令に基づき作成・公開したハザードマップへのリンクです。サイトには、リスク情報の解釈は作成した機関に問い合わせるよう書かれています。

国土交通省の「水害ハザードマップ作成の手引き」(令和8年5月)は、浸水深を色分けする境を、20m・10m・5m・3m・0.5mとしています。一般的な家屋の2階が水没する5m、2階床下に相当する3m、1階床高に相当する0.5mが目安です。

浸水深の色の区分手引きでの目安保険の条件と見比べるとき
0.5m未満1階床高に相当する0.5mより浅い保険の「床上浸水」「地盤面より45cm」の定義は保険会社ごと。ハザードマップの境の数字とは別
0.5m以上3m未満1階床高に相当する0.5mから、2階床下に相当する3mまで1階が浸水する想定。契約の水災と、家財の補償の有無を見る
3m以上5m未満2階床下に相当する3mから、2階が水没する5mまで損害の程度が大きくなる想定。支払い条件の損害割合を見る
5m以上一般的な家屋の2階が水没する深さ2階まで水没する想定。保険とあわせて避難の備えも確かめる

国土交通省「水害ハザードマップ作成の手引き」(令和8年5月)から作成(2026年10月3日取得)。5m以上は10m・20mでさらに色が分かれます。

同じ場所でも、想定する雨の規模で浸水の深さは変わります。岡山市のページの例では、洪水ハザードマップは、100年〜150年に1回程度の雨を想定した計画規模と、1000年に1回程度の雨を想定した想定最大規模の2種類で作られています。PDF版は計画規模で令和3年作成、最新の浸水想定はWEB版で確かめるよう案内されています。自治体ごとに版の違いがあるため、凡例や説明で、どの規模の想定かを確かめてください。

ハザードマップには種類があります。国土交通省の案内では、洪水浸水想定区域図は、国土交通省や都道府県が、想定し得る最大規模の降雨で河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を指定して、水深とあわせて公表したものです。洪水ハザードマップは、これに避難場所などを加えて、市町村が作成します。下水道があふれる内水と、土砂災害は、重ねるハザードマップの「洪水・内水」「土砂災害」の種類や、市区町村のハザードマップで別に見ます。

水災等地とは

損害保険料率算出機構は、火災保険の参考純率で、水災リスクの危険度を表す区分を「水災等地」としています。リスクが最も低い1等地から最も高い5等地までの5区分で、市区町村別に設定されています。2023年6月の改定の届出で、これまで全国一律だった水災料率が細分化されました。機構のサイトの「水災等地検索」で、都道府県と市区町村を選ぶと等地が表示されます。

機構の資料が注意点として挙げているのは、次の3つです。

機構の資料は、細分化の背景の1つとして、ハザードマップなどのリスク情報が充実する一方で、自分のリスクは低いと判断して、保険料を節約する目的で火災保険から水災の補償を外す人がいる傾向を挙げています。そのうえで、河川から離れた地域の土砂災害や、一定の高さがある建物でも大雨による排水管の逆流などの被害が実際に発生している、と説明しています。保険料の水準は、機構の参考純率では保険料全体で、最も高い地域が最も安い地域の約1.2倍です(実際に契約する保険料の較差とは異なります)。

付けるかを決める前の確かめ方

付ける・付けないは、家の場所、建物と家財の価値、自己負担できる額で変わるため、ここでは決めません。決める前に確かめることを、順に並べます。

  1. 保険証券で、商品名と水災の欄を見る。協会の表では、水災は住宅総合保険が対象、住宅火災保険が対象外です。水災をオプションで付ける商品もあるため、補償内容の一覧で確かめます。
  2. 重ねるハザードマップで、住所を入れて、洪水・土砂災害・高潮の想定を見る。浸水の深さは、節3の表で読みます。
  3. 市区町村のサイトで、洪水・内水・土砂災害のハザードマップを見る。想定する雨の規模と、版の新しさを確かめます。
  4. 水災等地検索で、市区町村の等地を見る。契約する保険会社の等地は、保険会社に聞きます。
  5. 保険会社の公開約款で、水災の支払い条件を読む。損害割合の基準、床上浸水の定義、自己負担額を、節2の表の項目で見ます。
  6. 水災の補償の有無や自己負担額を変えた見積もりを、同じ条件で並べる。保険料の平均額は火災保険の相場のページ、風災・雪災や雨漏りの扱いは雨漏りと火災保険のページにあります。

保険料の金額はここには載せません。同じ建物でも、保険会社や補償内容で変わるためです。

よくある質問

床下浸水でも、水災の保険金は出ますか?

東京海上日動のFAQは、台風や豪雨で建物の床下が浸水した場合について、契約に水災の補償が含まれ、損害割合が30%以上、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を被った、のいずれかを満たすと、お支払いの対象となる可能性がある、と案内しています。床下までの浸水の場合は、地盤面からの浸水の高さと損害割合が、この条件に届くかが分かれ目になります。条件は契約の内容で異なるため、詳しくは保険会社に確かめてください。

水災等地の数字が小さければ、水災の補償は要りませんか?

損害保険料率算出機構の資料は、等地が低い市区町村は「他の市区町村に比べて相対的に水災リスクが低い」という意味合いで、どの等地でも水害は発生している、としています。等地は外水氾濫だけでなく内水氾濫や土砂災害を含めた水災リスク全体で、災害の起きやすさだけでなく想定される被害の程度なども見ているため、洪水ハザードマップとは必ずしも一致しません。付けるかどうかは、等地だけでなく、ハザードマップと支払い条件も見て決めることになります。

ハザードマップで色が付いていない場所なら、水災の心配はありませんか?

国土交通省の案内では、洪水浸水想定区域は、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域として指定されます。下水道や水路から水があふれる内水氾濫や、土砂災害は、損害保険料率算出機構の資料では水災リスクに含まれています。重ねるハザードマップでは洪水・内水、土砂災害、高潮、津波を種類別に見られますので、色が付いていない種類があっても、ほかの種類と、市区町村のハザードマップもあわせて確かめてください。

住宅火災保険に入っています。水災は補償されますか?

日本損害保険協会の補償内容の表では、水災は住宅総合保険が補償の対象(一部自己負担額がある場合もあります)、住宅火災保険は対象外です。三井住友海上のFAQにも、住宅火災保険に水災の補償はない旨の記載があります。一方、日新火災のお家ドクター火災保険Webのように、水災をオプションの特約として付ける商品もあります。いまの契約に水災を足せるかは、保険会社または代理店に聞いてください。

地震や津波で家が浸水したときも、火災保険で出ますか?

日本損害保険協会は、地震・噴火・津波による損害は、すまいの保険(火災保険)では補償されず、地震保険で補償される、と案内しています。水災の例に挙がるのは、洪水や床上浸水です。津波による浸水は水災の補償では扱われない点に注意してください。

相続した家の保険に水災が付いているか、どこで分かりますか?

保険証券(契約内容のお知らせ)に、商品名と補償の内容、自己負担額(免責金額)が載っています。日本損害保険協会は、契約している損害保険が風水災等を補償する損害保険に該当するかは、損害保険会社または代理店に問い合わせるよう案内しています。相続したときの契約名義の変更や、ふだん住んでいない家の保険は、空き家の火災保険のページにまとめました。

相続したときの契約名義の変更と、空き家の火災保険は、空き家の火災保険のページに書きました。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、保険の加入や補償の選択を勧めるものではありません。個別の契約の判断は、保険会社・代理店、市区町村の担当課にご確認ください。

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