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空き家の換気|頻度・1回の時間・夏と雨の日・換気扇をつけっぱなしにしてよいか

空き家の換気の回数と時間を、国の基本指針は示していません。基本指針は「定期的に通気や換気等の管理を行うことが求められる」と書くにとどまります。取得した自治体の案内では、1回の換気は60分程度(伊万里市・八頭町・和歌山県)で、頻度は伊万里市が月に1回程度を目安としています。夏は日中は換気口を閉じ、陽が落ちて外気の湿度が下がってから風を通すのが良いとされ、換気扇の連続運転は降雨時に湿気を取り込むため逆効果とされています(全宅連のマニュアル)。換気扇をつけっぱなしにしてよいかを直接書いた国・自治体の案内は見つかりませんでした。この記事は、空き家を所有していて、自分で窓を開けに行く頻度と時間を知りたい方向けに、原文で整理します。建物の構造や地域で事情は違うため、最終的には市町村の窓口か管理を頼む会社にご確認ください。

換気が求められている理由

総務省・国交省の基本指針(令和8年9月3日最終改正)は、空家等は不具合の発生が発見されにくいため傷みが早く進行する傾向にあるとし、所有者等に一定の頻度で点検を行うことを求めています。そのうえで、倒壊を防ぐ管理の項で、構造部材の腐朽や蟻害などの事象の発生を予防するために、定期的に通気や換気を行うことが必要だと書いています。「少なくとも定期的な管理は自ら行う」ことも基本です。

湿気については、全宅連のマニュアルが、通気や換気をせずに放置すると結露などによる湿気で建物が傷み、カビが生えてシロアリが発生することがあると説明しています。伊万里市の広報は「家が傷む最大の要因は湿気がこもること」と書いています。シロアリの扱いは空き家のシロアリで整理しています。

国交省の令和6年空き家所有者実態調査では、管理者がいる空き家で行っている管理の内容(複数回答)は、「外回りの清掃、草取り、剪定など」が79.5%、「戸締まりの確認」が74.9%、「住宅の通風・換気」が66.9%、「水回りなどの点検・通水」が43.3%でした。

頻度と1回の時間

国の基本指針と、換気の頻度や時間が書かれていた自治体の案内を並べました。団体によって書き方が違い、回数まで書いているのは伊万里市だけです。

団体頻度1回の時間
国(総務省・国交省の基本指針)「一定の頻度で点検」「定期的に通気や換気」。回数の記載なし記載なし
伊万里市(広報 2020年2月号)「月に1回程度を目安に清掃や換気、手入れを行い」押し入れやクローゼットも含めすべての扉を開け、60分程度
八頭町(鳥取県のガイドブックを引用)「建物を傷めないためには、できるだけ頻繁に」。回数の記載なし通風・換気は60分程度
和歌山県(パンフレット)「建物を傷めないためには、できるだけ頻繁に」。回数の記載なし通風・換気は60分程度
富士宮市「時々窓を開けて風を入れましょう」。回数の記載なし記載なし

出典:各団体の案内(2026年10月2日取得)。八頭町は鳥取県「空き家ガイドブックとっとり」(令和5年3月末時点)、和歌山県のパンフレットの作成は2018年3月。

八頭町と和歌山県の案内では、60分程度の通風・換気の作業内容は「すべての窓・収納扉(押入れ・クローゼット)の開放、換気扇の運転」です。続けて「通水(3分程度)」として、各蛇口の通水と、各排水口に水を流す作業(防臭・防虫のため)が並んでいます。水道を止めている場合は、和歌山県が、各所にペットボトルの水を1リットルほど注ぐよう案内しています。

和歌山県のパンフレットは、管理が終わり帰る前に、窓と玄関の施錠、電気・水道メーターを確認するとしています。

夏・雨の日・換気扇

季節や天気、換気扇の扱いは、自治体の案内にはほとんど書かれていません。取得できた記載は次のとおりです。

場面原文に書かれていること読み方の注意
夏(高温多湿の時期)全宅連のマニュアル:夏場のように高温多湿の時期は、日中は換気口を閉じておき、陽が落ちて外気の湿度が下がってから風を通すのが良いとされている結露の仕組みは夏と冬で異なり、建物の構造や部材でも対策が違うとマニュアル自身が書いている。時刻の指定はない
雨の日(換気が目的のとき)和歌山県:空き家管理は通風・換気が目的なので、晴れた日に行うことが多い「多い」と書かれているだけで、雨の日の換気を禁じる文ではない
雨の日(雨漏りの確認が目的のとき)和歌山県:雨の日に行うことも、雨漏りの早期発見には有効すべての部屋に雨漏りがないかを見る点検の話
換気扇の連続運転全宅連のマニュアル:人手に頼らない方法として換気扇の活用が考えられるが、連続換気は降雨時に室内に湿気を取り込むため逆効果晴れた日の連続運転の可否は、取得した原文に書かれていない
訪問したときの換気扇八頭町・和歌山県:60分程度の通風・換気の作業に、窓や収納扉の開放と並んで「換気扇の運転」が入っている運転時間や、帰るときに回したままにするかは書かれていない

出典:全宅連・全宅保証「空き家管理マニュアル」(平成28年3月、宅建業者向け)、和歌山県パンフレット、八頭町(2026年10月2日取得)。

全宅連のマニュアルは、室内に湿気を取り込まないようにして除湿効果のあるときだけ換気を行うのは、状況に応じて頻繁に対応することになり、実際には困難であることを認識しておく必要があるとも書いています。電気を止めている空き家では換気扇は回せません。電気を止めるかどうかの判断は空き家の電気・ガス・水道の管理方法で整理しています。

通えている人はどれくらいか

国交省の令和6年空き家所有者実態調査で、管理者がいる空き家の管理の頻度は、「ほぼ毎日」17.7%、「週に1~数回」19.1%、「月に1~数回」34.0%、「年に1~数回」27.6%、「数年に1回」1.6%でした。月に1回以上を合わせると約7割です。管理の頻度別に、構造上の不具合が生じていた空き家の割合を見ると、次のとおりです。

管理の頻度管理者がいる空き家に占める割合構造上の不具合が生じていた割合
ほぼ毎日17.7%15.3%
週に1~数回19.1%16.3%
月に1~数回34.0%17.5%
年に1~数回27.6%24.3%
数年に1回1.6%33.3%

出典:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」報告書 図表4-67・4-58(管理者がいる空き家。2025年8月29日公表)。

報告書は、月に1回以上管理している空き家では不具合が生じていた割合が約15~18%、「年に1~数回」では約24%、「数年に1回」では約33%と増えると書いています。ただし、これは換気の効果を示すものではありません。管理の頻度が低いから傷んだのか、傷みが進んだ家ほど管理されなくなったのかは、調査からは分かりません。「数年に1回」は全体の1.6%と少ない区分です。

居住地から空き家までの所要時間別に見ると、通える頻度は距離で大きく変わります。

居住地からの所要時間月に1回以上管理年に1~数回、または数年に1回
徒歩圏内81.4%18.6%
車・電車などで1時間以内73.2%26.7%
車・電車などで1時間超~3時間以内54.2%46.0%
車・電車などで3時間超42.6%57.4%

出典:同報告書 図表4-73。「ほぼ毎日」「週に1~数回」「月に1~数回」の合計を月に1回以上とした。小数第1位の四捨五入のため、行の合計が100にならない場合がある。

自分で通えないとき

基本指針は、空家等の管理は所有者等が行うことが基本としたうえで、遠隔地に所在するなど、やむを得ず所有者等が自ら行えない場合は、定期的な管理も含め、空家等の管理を行う事業者や空家等管理活用支援法人などに委託することが考えられるとしています。

伊万里市の広報は、自分で管理できない場合は、近郊に住む身近な人に手伝ってもらう、シルバー人材センターや民間の管理会社に依頼するなどの方法を挙げています。富士宮市は、定期的な点検や換気などを有料で行う民間の巡回サービスがあり、建物の中へ入って通風・換気、通水、室内清掃等を行うものもあるとしたうえで、1か月に1~2回の巡回を行うものが一般的で、月々数千円程度で実施しているところが多いようだと案内しています。管理を委託する費用の目安と業者の選び方は空き家の管理を不動産会社に委託する費用相場と業者の選び方にあります。

管理を続けること自体をやめたいときは、売る、貸す、解体するといった選択肢があります。仲介で売りにくい築古・共有名義・再建築不可の家を買い取る会社の扱いは、訳アリ物件買取ラクウルとは|買い取れる11種類と全国の実績で整理しています。

よくある質問

空き家の換気は、月に何回すればよいですか?

国の基本指針は「一定の頻度で点検を行う」「定期的に通気や換気等の管理を行う」としていて、回数は示していません。伊万里市は「月に1回程度を目安に清掃や換気、手入れを行い」と案内しています。八頭町と和歌山県は「建物を傷めないためには、できるだけ頻繁に」としていて、回数の記載はありません。国交省の実態調査では、管理者がいる空き家のうち「月に1~数回」が34.0%で最も多く、月に1回以上の合計は約7割でした。

1回に何分、換気すればよいですか?

伊万里市、八頭町、和歌山県の案内は、いずれも通風・換気は60分程度としています。伊万里市は、押し入れやクローゼットも含めてすべての扉を開けるとしています。八頭町と和歌山県は、すべての窓と収納扉(押入れ・クローゼット)を開け、換気扇を運転するとしています。国の基本指針に時間の記載はありません。

夏は換気しないほうがよいですか?

「しないほうがよい」とは、取得した原文のどれにも書かれていません。全宅連のマニュアルは、夏場のように高温多湿の時期は、日中は換気口を閉じておき、陽が落ちて外気の湿度が下がってから風を通すのが良いとされている、と書いています。結露の仕組みは夏と冬で異なり、建物の構造や部材によっても対策が違うため、季節や時刻に応じた方法が必要だともしています。取得した自治体の案内に、夏だけの別の定めは見つかりませんでした。

雨の日に窓を開けて換気してもよいですか?

和歌山県のパンフレットは、空き家管理は通風・換気が目的なので晴れた日に行うことが多いとしたうえで、雨の日に行うことも雨漏りの早期発見には有効だと書いています。全宅連のマニュアルは、換気扇による連続換気は降雨時に室内へ湿気を取り込むため逆効果としています。窓を開けたままにする時間の長さについては、どちらにも記載がありません。

換気扇をつけっぱなしにしてよいですか?

全宅連のマニュアルは、人手に頼らない方法として換気扇の活用が考えられるとしつつ、換気扇による連続換気は降雨時に室内へ湿気を取り込むことになるため逆効果だと書いています。晴れた日の連続運転についての記載は、取得した国・自治体・全宅連の原文に見つかりませんでした。和歌山県と八頭町の案内は、訪問したときの60分程度の作業の中で換気扇を運転するとしています。電気を止めている空き家では換気扇は回りません。

換気が終わったら、帰る前に何を確認しますか?

和歌山県のパンフレットは、管理が終わり帰る前に、窓と玄関の施錠の確認と、電気・水道メーターの確認を挙げています。全宅連のマニュアルも、作業終了時に窓やドアの施錠忘れや消灯忘れがないようにしなければならないとしています。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、換気の回数・時間・方法は建物の構造や地域によって異なります。実際の管理は、市町村の窓口か管理を頼む会社にご確認ください。

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