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訳アリ物件買取ラクウルとは|買い取れる11種類と全国の実績
うちの物件は特殊すぎて、どこも扱ってくれない——そう結論したのは、たぶん2社目か3社目に断られたときではないでしょうか。この記事は、断られた理由が「値段」ではなく「条件」だった方に向けて書いています。訳アリ物件の買取専門「ラクウル」が何を買い取れると公表していて、申し込んだあとに何を聞かれ、どこで断れるのか。公式サイトとA8.netに公開されている成果条件だけで整理しました。
売れない理由は値段ではなく、買ったあとにできることが限られること
「もう少し安くすれば売れるのでは」と何度か値下げして、それでも動かなかった。だとすれば、止めているのは価格ではありません。
全国の空き家は900万2千戸、総住宅数6,504万7千戸の13.8%です(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」確報集計)。その中には、値段を下げても買い手が現れない一群があります。理由は、買った人がその不動産にできることが制度上限られているからです。
たとえば、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していない敷地には、原則として建物を建てられません(建築基準法第43条)。買主から見ると「建て替えができない土地」です。共有名義の不動産は、共有物全部を売るには共有者全員の同意が必要です(民法第251条)。買主から見ると「相手が1人ではない取引」です。借地権も、底地も、室内で人が亡くなった家も同じで、買い手が減る理由は価格が高いことではなく、買ったあとの選択肢が狭いことにあります。
ここから導かれる結論は1つです。その制約を引き受けられる買い手なら、話は変わります。建て替えられない土地でも、隣地とまとめる、駐車場にする、既存建物を直して貸す、といった出口を持っている会社にとっては、話が成立します。断られ続けたのは、目の前にいた会社がその出口を持っていなかったからです。
条件が理由で売れない不動産は、待っても条件が良くならない
持ち続ける判断にも金額と時間が付いています。事実だけを3つ挙げます。
接道も権利関係も、時間では解消しない
接道要件を満たしていない土地が、来年になって道路に接することはありません。借地権が自動的に所有権になることもありません。建物は毎年古くなりますが、条件のほうは動きません。つまり、時間の経過はこの種の不動産に対して一方向にしか働きません。
共有者は、相続のたびに増える
ここが最も見落とされる点です。共有名義の不動産は、共有者の1人が亡くなるとその持分が相続され、相続人の数だけ持分が分かれます。兄弟3人の共有だったものが、次の世代では甥や姪を含めた10人以上になることは珍しくありません。そうなると、全員の同意を取り付ける作業そのものが実質的に不可能になります。「いま当たらないと、来年は当事者が増えている」という意味では、これだけが期限のある話です。共有名義の詳しい仕組みは 共有名義の不動産を売却・分割するには にまとめています。
固定資産税だけは毎年かかる
売れない不動産にも、固定資産税は課されます。金額は 固定資産税シミュレーター で、管理費も含めた年間の負担は 空き家の維持費シミュレーター で試算できます。売れないことに費用がかかっている、という状態が毎年更新されているわけです。
条件付きの不動産に取れる手は4つ
買取だけが答えではありません。制度そのものの解説は当サイトの既存記事に譲り、ここでは「どれがどういう場合に成立するか」だけを並べます。
| 手 | 成立の条件 | かかる時間 |
|---|---|---|
| 共有者を説得して全員で売る | 共有者全員と連絡が取れ、全員が同意すること | 人数が多いほど長い。相続が挟まると再度やり直し |
| 自分の持分だけを売る | 持分を買う相手がいること(一般の買主は通常買いません) | 相手が見つかれば早い |
| 隣地の所有者に打診する | 隣地の側に、その土地を買う理由があること | 相手の事情次第。数年かかることもある |
| 専門の買取業者に当たる | その業者が、その条件の物件を扱っていること | 買主が確定しているぶん短い |
3つ目は成立すればもっとも合理的です。隣地の所有者が自分の敷地を広げたい、駐車場を作りたい、といった動機を持っていれば、市場価格に近い金額になることもあります。ただし、こちらの都合では動きません。相手に理由がなければ話は始まりません。
2つ目の「持分だけ売る」は、法律上は可能です。共有物全体の処分には全員の同意が要りますが、自分の持分は自分の所有権なので、単独で処分できます。問題は買い手のほうで、持分だけを買っても建物を自由に使えないため、一般の買主はまず手を出しません。だから持分の売却先は、その状態を前提に事業を組み立てている会社に限られます。ここも「値段の問題ではない」という構図の一例です。
1つ目の「全員で売る」は、金額の面ではもっとも有利です。共有物全体をまとめて売れるので、買主にとっての制約が消えるからです。それでも動かないのは、たいてい金額の折り合いではなく、誰か1人と連絡が取れていないことが理由です。その1人が見つからないまま次の相続が起きると、当事者はさらに増えます。
個々の制度については 再建築不可物件を相続したときの対処法、相続した借地権・底地の扱いと売却、旧耐震基準の空き家の判断基準 を先に読むと、自分の物件がどの型に当たるかがはっきりします。
専門の買取業者が答えになるのはどの場合か
訳アリ物件の買取専門「ラクウル」(運営:株式会社ネクサスプロパティマネジメント、宅地建物取引業免許 国土交通大臣(1)第10311号)は、買い取れる物件として次の11種類を公表しています。
- 事故物件
- 再建築不可物件
- 共有持ち分物件
- 違反建築物件
- 旧耐震・築古物件
- 借地権
- 債務整理物件
- 長屋連棟式物件
- 立ち退き物件
- 底地
- 紛争物件
この11種類のどれかに当たっていて、かつ次のような状況なら、当たってみる意味があります。
- 地元の不動産会社に相談して断られた
- 室内に家財や残置物が残っていて、片付けの目処が立たない
- 近隣に知られずに手放したい事情がある
- 共有者の一部としか連絡が取れていない
逆に、条件に問題がなく、普通に住める家であれば、この窓口は最適ではありません。その場合は仲介で時間をかけたほうが手取りは大きくなります。相続した家をどうするか自体が決まっていない段階なら 相続不動産の買取窓口、築年数だけがネックなら 空き家買取 のほうが話が合います。
査定を申し込んだあとに何が起きるか
ここが本題です。順に潰していきます。
まず、査定を申し込むことは売ると決めることではありません
公式サイトが示している流れは、①お問い合わせ ②現地調査・査定 ③ご契約 ④買取完了 の4段階です。③のご契約は「買取査定金額にご納得いただけたら」と明記されています。納得しなければ、そこで止まります。
入力するのは3つ
公式サイトのAI査定は、物件タイプ(土地/マンション/戸建て)、エリア(都道府県と市区町村)、面積の3ステップです。「1,657,555件(2026年9月時点)の不動産取引履歴をもとに物件の市場価格を推定します」と説明されており、あくまで推定値です。訳アリの条件がここで反映されるわけではないので、実際の金額は次の工程で決まります。
そのあと、本人確認と物件のヒアリングがあります
隠さずに書きます。申し込んだあとには、担当者と直接やり取りする工程があります。A8.netに公開されている成果条件は「WEB査定申込後、30日以内の本人確認 及び 買取物件情報のヒアリング」です。所有者本人であることの確認と、その物件がどういう状態にあるかの聞き取りです。共有名義であれば持分の割合、事故物件であればその経緯、といった内容になります。
近隣に知られたくない場合は、最初に伝えてください
公式サイトのよくある質問に、次の記載があります。
「誰にも知られずに売ることが出来ますか?」→「はい、可能です。直接買取の場合は誰にも知られることなく取引を完了させることができます。」
「室内に物が残っていても大丈夫ですか?」→「はい、室内に物が残っている物件や不要なものが放置されている物件でも問題ありません。」
「室内で人が亡くなっていても大丈夫ですか?」→「はい、人が亡くなっている物件でも全く問題ありません。」
「他社に断られた物件でも大丈夫ですか?」→「はい、問題ありません。独自のノウハウをもとに他社様とは異なる視点でのご提案をさせていただいております。」
出典:訳アリ物件の買取専門「ラクウル」公式サイト よくある質問
仲介では買主を探すために広告を出すので、売りに出していること自体が周囲に伝わります。直接買取はその工程がないという型の違いが、この回答の根拠です。
公式サイトが掲載している買取事例
公式サイトには、買い取った物件の事例が掲載されています。以下は公式サイトが掲載している事例であって、当サイトが取材・検証したものではありません。
- 千葉県のマンション。所有者が亡くなった状態で長期間発見されなかった物件を、特殊清掃と残置物の撤去を含め、現状のまま買い取ったとされています
- 群馬県の戸建て。室内で人が亡くなり、床の一部がカットされた状態のまま残っていた物件を、現状のまま買い取ったとされています
- 埼玉県の戸建て+倉庫。市街化調整区域に建築確認を受けずに建てられた、建物が未登記の物件を、2棟まとめて買い取ったとされています
いずれも、一般の仲介ではまず扱わない条件です。公式サイトはあわせて「年間200件以上の買取実績(2025年2月〜2026年1月)」を公表しています。
ここで確認しておきたいのは、事例の凄惨さではありません。「片付けてから相談してください」と言われずに済む、という点です。残置物の撤去も、特殊清掃も、未登記の建物の扱いも、売主の側で先に解決してから持ち込む必要がなかった——という形で事例が並んでいます。片付けの目処が立たないまま何年も止まっている方にとって、ここが実際の障害だったはずです。
費用が発生する地点と、断り方
公式サイトのよくある質問では「査定に費用が掛かりますか?」に対して「査定は無料で行わせていただきます。(一部、対象外あり)」と回答されています。一部対象外があるという但し書きが付いているので、そこは最初の連絡で確認してください。
お金が動くのは、査定金額に納得して売買契約を結んだときです。金額を見てから「今回は見送ります」と伝えれば、そこで終わります。他社の査定と比べても構いません。共有持分だけの相談としても進められます(買取対象の11種類に共有持ち分が入っています)。
使えない人・向かない人
下の表は、A8.netに公開されているこの案件の成果条件・否認条件から作りました。
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
|
公表されている11種類のいずれかに当たる不動産の所有者 他社に断られた方 全国どこの物件でも(対応エリアの制限はありません) 室内に残置物がある方 近隣に知られずに売りたい方 |
売却を目的としない相談(売却と関係のない相談内容は対象外です) 同一世帯で2回以上申し込む場合 氏名・電話番号・住所を正確に入力できない方(ニックネームや存在しない住所は対象外です) 申込後の本人確認と物件情報のヒアリングに応じられない方 |
近隣トラブルや境界の相談だけを持ち込む形は、売却と関係のない相談として対象外になります。境界が確定していないことが気になっている場合は、先に 相続した土地の境界確認と測量 を読んでください。
なぜ査定が無料なのか
買取業者は、物件を仕入れてリフォーム・賃貸管理・再販まで自社で行うことを事業にしています。売主から手数料を取って成り立つ仕組みではないため、査定の段階で費用を請求する理由がありません。公式サイトも「自社買取であるため仲介手数料などの諸費用がかからず」と説明しています。仲介手数料の上限の考え方は 仲介手数料の上限と計算方法 にまとめています。
ただし、ここは正直に書きます。条件付きの不動産は、再販できる形にするまでに手間と費用がかかります。その分、買取価格は一般の市場価格より低くなるのが通常です。建て替えができない土地を、建て替えができる土地と同じ値段で買う会社はありません。手数料がかからないから得になる、という単純な話ではないことは押さえておいてください。
それでも意味があるのは、比べる相手がいない状態から抜けられるからです。金額が1つ出れば、持ち続ける場合の固定資産税と管理の手間と、並べて考えられるようになります。
当サイトについても書いておきます。本記事に設置しているリンク経由で申し込みが発生した場合、当サイトは広告主から報酬を受け取ります。そのうえで買取価格が市場より低くなることと、向かない人の条件を先に書いているのは、条件の合わない方が申し込んでも双方にとって意味がないからです。
次にすること
所在地・種別・面積の3つを入力してください。共有名義であれば、自分の持分だけの相談としてそのまま進められます。近隣に知られたくない場合は、最初の連絡でその一言を伝えてください。
いま売ると決める必要はありません。まず、その物件に値段が付くのかどうかを1社に確かめる。それだけで、何年も止まっていた話が動き出すことがあります。
参考・出典
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。共有物の処分・借地権・再建築の可否といった個別の法律判断については、弁護士・司法書士・土地家屋調査士等の専門家にご確認ください。サービスの内容と条件は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。