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日本刀(刀剣)を相続したら|登録証の確認・20日以内の所有者変更届(届出先と罰則)・登録証がないとき(発見届)・相続税の評価・売る/寄付/警察で廃棄の選択肢

相続した刀に「銃砲刀剣類登録証」が付いていれば、相続で取得してから20日以内に、その登録をした都道府県の教育委員会へ所有者変更の届出をします。登録証が付いていない刀は、原則として持っていることができず、見つかった地域の警察署への発見の届出から始めます。条文は銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の14条から18条と23条です。

やること届出先期限
登録証がある刀を相続した登録証を交付した都道府県の教育委員会(所有者変更届出書)取得から20日以内(17条1項)
登録証がない刀が出てきた見つかった地域を管轄する警察署(発見の届出)速やかに(23条)
発見届出済証をもらった住所地の都道府県教育委員会(登録審査)案内が届いた審査会の日
登録証をなくした・読めない登録証を交付した都道府県の教育委員会(再交付)速やかに(15条2項)
刀を売る・譲る登録証と一緒に渡す。受け取る側が教育委員会へ届出受け取る側は20日以内(17・18条)

出典は e-Gov法令検索(銃砲刀剣類所持等取締法、2025年9月1日施行版)と、各都道府県教育委員会・警察の案内。2026年10月3日取得。

登録証がある刀を相続したとき(20日以内の所有者変更届)

銃刀法でいう刀剣類は、刃渡り15センチメートル以上の刀・やり・なぎなた、刃渡り5.5センチメートル以上の剣・あいくちなどです(2条2項)。刀剣類の所持は原則禁止ですが、美術品として価値のある刀剣類で、都道府県の教育委員会の登録を受けたものは持つことができます(3条1項6号、14条1項)。その証しが、教育委員会が交付する登録証です(15条1項)。

届出先と期限

登録を受けた刀剣を相続により取得した人は、20日以内に、その旨を登録の事務を行った都道府県の教育委員会に届け出ます(17条1項)。届出は、相続や譲り受けの場合は所有者変更届出書で行います(登録規則9条)。届出を受けた教育委員会は、新しい所有者の住所地を管轄する公安委員会にその旨を通知します(17条3項)。

届出先は、住所のある都道府県ではなく、登録証を交付した都道府県です。京都府の案内には、京都府以外で登録されたものは、新たに所有する人の現住所が府内でも、その登録証を交付した都道府県に届け出るとあります。岡山県も、相続や譲渡で所有者が変わったときは、新所有者が20日以内に登録した都道府県の教育委員会へ届け出る義務があるとしています。

書類の出し方(都道府県の一例)

手数料や様式、受付の方法は都道府県ごとに違います。登録証を交付した都道府県のページで確かめてください。20日の数え始めの日に迷うときは、その教育委員会に問い合わせるのが確実です。

17条1項の届出をせず、または虚偽の届出をしたときは、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金と定められています(32条3号)。

持ち帰るとき・保管のときの決まり

刀剣を携帯したり運搬したりする人は、その登録証を常に携帯していなければなりません(24条1項)。実家から自宅へ持ち帰るときも、登録証と一緒に運びます。正当な理由なく携帯・運搬・使用することは禁止されています(21条、文化庁の案内)。所有者が引っ越したときは、住所変更の届出も必要です(東京都・大阪府の案内)。

登録証がない刀が出てきたとき(発見届から登録審査まで)

まず警察署へ発見の届出

銃砲刀剣類を発見し、または拾得した人は、速やかに最寄りの警察署に届け出なければなりません(23条)。千葉県の案内は「自宅の蔵から刀が出てきた」「父親の遺品を整理していたら刀が見つかった」場合を例に、まず登録証があるかを確かめ、ない場合は、見つかった地域を管轄する警察署へ届け出るとしています。届出が受理されると「発見届出済証」が交付されます。

大阪府警は、遺品整理や家屋の改築で刀剣類が見つかることがあり、速やかに届け出ないと銃刀法違反になる場合があること、登録等を受けるまでは他の人に譲り渡すこともできないことを案内しています。長崎県警察も、登録証のない銃砲刀剣類は所持できないとしています。

登録を希望するときの流れ

発見届出済証をもらったあと、登録を希望する場合は、教育委員会の登録審査(鑑定)を受けます(14条)。登録は、発見した人が住んでいる都道府県の教育委員会で行うのが原則です(東京都の案内)。茨城県教育委員会も、県内で発見されても、届け出た人が県外に住んでいるときは、住んでいる都道府県で審査を受けると案内しています。

段階内容都道府県の例
発見の届出見つかった地域の警察署で発見届出済証を受け取る千葉県・東京都
審査の案内教育委員会から審査会の案内が届く。発見の届出から案内まで数か月、審査・登録証の交付まで約半年千葉県
登録審査刀と発見届出済証を持って審査会へ。登録審査手数料は1振(1点)につき6,300円。東京都は、登録不可でも返金されないとしている東京都・千葉県

手数料と日程は都道府県ごとに違います。上は東京都と千葉県の案内(2026年10月3日取得)で、他の都道府県は別に確かめてください。

どんな刀が登録の対象になるか

登録の対象は、美術品として価値のある日本刀です(14条1項、登録規則4条2項)。登録規則は、次のどれかに当たるかを鑑定するとしています。

文化庁の案内では、登録の対象とならないものとして、昭和刀や満鉄刀などと呼ばれる素延べ刀・半鍛錬刀・特殊鋼刀(日本刀としての製作工程を経ていないもの)、外国製の刀剣、指揮刀や儀礼刀などが挙がっています。発見された刀が必ず登録できるとは限りません(大阪府警の案内)。

相続税の評価の扱い

国税庁は、相続税のかかる財産を、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか、金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの、としています(タックスアンサー No.4105)。

評価の定めは、財産評価基本通達の第6章第4節にある書画骨とう品の評価(135)です。書画骨とう品の販売業者が持っているもの以外は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する、と書かれています。通達には、刀剣を挙げた定めは書かれていません。個別の刀がこの定めに当たるか、いくらと評価するかは、税務署か税理士に確かめてください。評価額や買取額の相場は、このページには載せていません。

鑑定書の要否、5万円以下の一括評価の範囲、売ったときの所得税は、骨董品・美術品の相続税にまとめています。

売る・寄付する・警察で廃棄する・手元に置く

選択肢条件根拠
登録証つきで売る・譲る登録証と一緒に渡す。受け取る側が20日以内に届出銃刀法17・18条
登録証だけを渡す刀と一緒にする場合を除き、できない銃刀法18条3項
登録証がない刀を売る登録等を受けるまで譲り渡せない大阪府警
国公立の博物館・美術館へ観覧に供することが前提。引き取るかは先方が決める東京都・銃刀法3条
警察署で廃棄登録を希望しないとき、登録不可のとき。東京都は無料、拵えは持ち帰れる東京都・千葉県
手元に置く届出を済ませ、運ぶときは登録証を携帯銃刀法17・24条

3条1項2号には、国又は地方公共団体の職員が公衆の観覧に供するため所持する場合が挙がっています。取得日 2026年10月3日。

登録証つきの刀を売る場合は、骨董品・刀剣の買取店に査定を頼む方法があります。骨董品買取の日晃堂の公式サイト(2026年10月3日取得)では、買取品目の一覧に「刀剣」が挙がっていて、「全国無料で出張買取に伺います」「査定費・相談費・出張費完全無料」とあり、査定のみの依頼も受け付けるとあります。買取には古物営業法による本人確認書類の確認が必要とも書かれています。

公式サイトには登録証の扱いが載っていませんでした。申し込むときに、登録証の有無と、所有者変更届を済ませたかを伝えて、買取の可否を確かめてください。また、買取店の査定額は、相続税の評価額そのものではありません(評価は上の通達135の定めによります)。

実家の荷物をどこに置くか、遺品整理の費用は、実家の荷物・遺品の預け先と遺品整理の費用にまとめています。

よくある質問

刀を相続したら、いつまでに、どこへ届け出ますか?

登録証のある刀剣を相続で取得した人は、20日以内に、その登録の事務を行った都道府県の教育委員会へ届け出ます(銃砲刀剣類所持等取締法17条1項、登録規則9条の所有者変更届出書)。届出先は住所地ではなく、登録証を交付した都道府県です。京都府の案内にも、他の都道府県で登録されたものは、新しい所有者の住所が府内でも、登録証を交付した都道府県へ届け出るとあります。

相続の届出をしないと、どうなりますか?

17条1項の届出をせず、または虚偽の届出をしたときは、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処せられると定められています(同法32条3号)。東京都の案内は、この届出が、登録証をなくしたり登録が分からなくなったりしたときの確認や再交付を円滑に進めるためにも欠かせない手続だとしています。

登録証が見つからないときは、どうしますか?

登録証が付いていた刀剣で登録証だけを亡失したなどのときは、登録証を交付した都道府県の教育委員会に届け出て再交付を受けます(銃刀法15条2項)。東京都の案内では、再交付には現物確認審査が必要で、登録が確認できないものは再交付の対象になりません。登録証を交付した都道府県が分からないときは、まず住所地の都道府県の教育委員会に問い合わせてください(文化庁の案内)。

蔵から出てきた刀に登録証がありません。そのまま持っていてよいですか?

登録証のない刀剣は、原則として所持が禁止されています(銃刀法3条)。発見した人は、速やかに最寄りの警察署に届け出ます(同法23条)。大阪府警は、発見の届出をしないと発見者自身が罪に問われる可能性があるとしています。警察署から発見届出済証が交付され、登録を希望するなら教育委員会の審査を受けます。

登録審査で登録できないと言われた刀は、どうなりますか?

東京都の案内では、登録できなかった刀剣は原則として所持できず、所轄警察署に届け出て、登録不可通知書と一緒に渡せば無料で廃棄してもらえます。所持できないのは刀身だけで、希望すれば拵え(鞘や柄)は取り外して持ち帰れます。国公立の博物館・美術館であれば、観覧に供することを前提に登録証のない状態で所持できるため、寄付などで引き取られる場合がある、とも書かれています。

相続した刀を売るときの決まりはありますか?

登録を受けた刀剣を譲り渡すときは、登録証とともにしなければなりません(銃刀法18条1項)。登録証だけを譲り渡すこともできません(同条3項)。譲り受けた人は、20日以内に登録した教育委員会へ届出が必要です(17条1項)。登録証のない刀は、大阪府警の案内で、登録等を受けるまで他の人に譲り渡すこともできないとされています。

刀は相続税でどう評価されますか?

財産評価基本通達135は、書画骨とう品のうち販売業者が持っているもの以外を、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価するとしています。通達に刀剣を挙げた定めは書かれていないので、個別の刀がこの定めに当たるか、いくらと評価するかは、税務署か税理士に確かめてください。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の刀剣の登録・届出・評価の判断は、登録した都道府県の教育委員会、警察署、税務署または税理士にご確認ください。

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