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相続登記で住所がつながらないときは?登記簿の住所と亡くなった方の最後の住所が違う理由・つなげる書類・除票が廃棄されていたとき
登記簿の住所と亡くなった方の最後の住所が違っていても、書類でつなげば相続登記は申請できます。法務局の案内では、登記上の住所が戸籍の本籍と異なる場合、同一人であることを示すために、住民票の除票か戸籍の附票の写し(登記簿に載っている住所が記載されたもの)を添付します。除票と附票は令和元年の政令改正で保存期間が150年になりましたが、取れないときは、市町村長の証明書と登記済証の写しなどを添える扱いがあります。必要かどうかは、管轄の法務局で確かめます。
| 状況 | 法務局の案内にある書類 | 取る先 |
|---|---|---|
| 登記簿の住所が戸籍の本籍と同じ | 住民票の除票・戸籍の附票は不要 | ― |
| 登記のあとで引っ越した | 住民票の除票または戸籍の附票の写し(登記簿の住所まで記載されたもの) | 除票は最後の住所地、附票は本籍地の市区町村 |
| 住居表示が実施された | 住所変更登記では住居表示実施証明書。相続登記での扱いは案内に見当たらず | 市区町村。相続登記の扱いは管轄の法務局 |
| 除票も附票も廃棄済み | 市町村長の証明書に加え、登記済証の写しを添える場合など | 管轄の法務局に問い合わせ |
法務局「登記手続ハンドブック(令和8年4月)」「相続登記ガイドブック」(東京ブロック管内)などの案内(2026年10月3日に取得)。取り扱いは管轄の法務局で異なることがあります。
自分はどの場合に当てはまるか
- 登記簿の住所と最後の住所を見比べたい:登記事項証明書の所有者の欄と、亡くなった方の最後の住所を並べます。法務局の相続関係説明図の例にも、「最後の本籍」「登記の住所」「最後の住所」を書く欄があります。違っていれば、節2から読んでください。
- 除票か附票を取ればいいのは分かった:取る先と、書いてあるべき中身は節3にあります。
- 除票も附票も取れなかった:節4に、保存期間と法務局のQ&Aの扱いを書きました。
- 亡くなった方の住所の変更登記も済んでいない:所有者の住所変更登記が令和8年4月から義務になった話は住所変更登記の義務化のページにあります。
- 戸籍そのものの集め方が分からない:相続の戸籍謄本の集め方のページにあります。
- 申請書づくりから自分でやる:相続登記を自分でやる方法のページにあります。
登記簿の住所と最後の住所が違うのはなぜか
登記簿に載る所有者の住所は、登記をしたときの住所です。引っ越したあとに住所変更の登記をしないままだと、登記簿の住所は古いまま残ります。亡くなった方の最後の住所と登記簿の住所が違うのは、住所変更の登記をしないまま年月が過ぎた場合が典型です。
- 引っ越し(住所移転):登記のあとで転居した場合です。法務局の住所変更登記の案内では、登記簿の住所から現在の住所までに複数回引っ越している場合、住民票の写しでは経緯が分からないことがあるとされています。そのときは、戸籍の附票の写しなどで経緯を示します。
- 住居表示の実施:同じ場所に住んでいても、市区町村が住居表示を実施すると、住所の表示が変わります。法務局には、住居表示実施の場合の住所変更登記の様式と記載例があり、添付書類は市区町村長が交付する住居表示実施証明書です。相続登記でこの場合にどの書類でつなぐかは、取得した案内に書かれていませんでした。管轄の法務局に確かめてください。
- 登記簿の住所が戸籍の本籍と同じ:法務局のガイドブックには、登記上の住所が本籍と一致する場合は、除票・附票は不要とあります。戸籍の本籍と登記簿の住所が同じ表示なら、ここで悩む必要はありません。
祖父名義のまま何代も変えていない家では、亡くなった方が複数いることがあります。その場合の申請書と必要書類は、数次相続のページにあります。
住所をつなげる書類は何か・どこで取るか
法務局の案内で、亡くなった方の住所をつなぐ書類として挙げられているのは、次の3つです。
- 住民票の除票:亡くなったことにより除かれた住民票です。最後の住所地の市区町村で取ります。本籍と筆頭者の記載があるもの、かつ登記簿に載っている住所が記載されているものを求められます。
- 戸籍の附票(の除票):戸籍の単位で、住所の履歴が記載されたものです。本籍地の市区町村で取ります。登記簿の住所から最後の住所までが載っているものが必要です。
- 住民票の写し:亡くなった方の住民票が除票になっていない場合は、住民票の写しでも足りるとされています。法務局のガイドブックには、被相続人の住民票は除票となっていないこともあるので、市区町村役場に確認するようにと書かれています。
- 窓口での伝え方:市区町村役場には「相続登記に必要なため」と伝えます。
- 有効期限:法務局の一覧では、除票・附票の有効期限は「なし」です。
- 戸籍とあわせて集める:戸籍の附票は本籍地の市区町村で取るため、戸籍謄本を請求する窓口と同じです。戸籍の請求の順番は戸籍の集め方のページにあります。
除票・附票が廃棄されていて取れないときは
- 保存期間:住民基本台帳法施行令34条1項は、除票と戸籍の附票の除票を、住民票や附票を消除・改製した日から150年間保存するとしています。令和元年6月20日に施行された改正より前の条文は、消除した日から5年間でした。改正令の附則は、施行の際に現に保存しているものにも新しい保存期間を適用するとしています。
- 取れないことがある場合:令和元年6月20日より前に、消除から5年を過ぎてすでに廃棄されていた除票・附票は、残っていないことがあります。除票は住民票が消除された日から数えるため、亡くなってから年月が長い家ほど、取れない場合が出てきます。
- 法務局のQ&Aの案内:東京ブロック管内の法務局のQ&Aは、除票も附票も廃棄済みで取得できない場合について、実務上、廃棄処分等により交付できない旨の市町村長の証明書に加えて、登記済証の写しを添付する場合などがあるとしています。そして、詳しくは管轄の法務局に問い合わせるよう書いています。
- 先にやること:市区町村の窓口で、除票・附票が残っているか、廃棄されているならその旨の証明書を出してもらえるかを聞きます。そのうえで、不動産を管轄する法務局に、手元の書類(証明書・権利証)で足りるかを確かめます。
民間のイーライフ相続登記の入力ガイドにも、同じ流れが書かれています。登記簿に載っている被相続人の住所が除票に記載されていない場合や、除票が破棄されている場合は戸籍の附票を、附票にも記載がない場合や附票も破棄されている場合は権利証(登記済権利証)を提出する、という順です。これは民間サービスの案内で、法務局の案内ではありません。
上申書・納税通知書・評価証明書は代わりになるか
検索では、上申書・権利証・納税証明書・評価証明書といった語も一緒に調べられています。取得した法務局の案内の範囲では、次のとおりです。
- 上申書:ハンドブック・ガイドブック・Q&Aのどれにも、上申書の記載はありませんでした。必要かどうか、書くとすればどんな内容かは、管轄の法務局に確かめます。
- 権利証(登記済証):廃棄済みで書類が取れないときに、市町村長の証明書とあわせて、写しを添付する場合があるとQ&Aにあります。見つからないときは、法務局に相談します。
- 固定資産税の納税通知書・名寄帳:相続する不動産を特定する資料です。住所のつながりを示す書類としては案内されていません。
- 固定資産評価証明書・固定資産課税明細書:登録免許税の課税価格を決めるための書類です。住所をつなぐ書類ではありません。
よくある質問
登記簿の住所と亡くなった方の最後の住所が違うと、相続登記はできませんか?
法務局の案内では、「被相続人の登記上の住所」が戸籍の証明書に記載された本籍と異なる場合に、戸籍上の被相続人と登記上の所有者が同一人であることを証明する書類を添付する、とされています。書類は、住民票の写し・住民票の除票の写し・戸籍の附票の写しのいずれかで、被相続人の本籍と登記上の住所が記載されているものです。書類が合えば申請できる仕組みなので、住所が違うだけで諦める必要はありません。
住民票の除票と戸籍の附票は、どちらを取ればよいですか?
法務局の案内は「いずれか」としています。除票は亡くなった方の最後の住所地の市区町村、戸籍の附票は本籍地の市区町村で取ります。どちらも、登記簿に載っている住所まで記載されたものが必要です。登記簿の住所から最後の住所までに何度も引っ越している場合は、住民票では経緯が分からないことがあり、その場合は戸籍の附票で経緯を示す、と法務局の住所変更登記の案内に書かれています。
除票も戸籍の附票も取れなかったら、相続登記はあきらめるしかありませんか?
あきらめる必要はありません。東京ブロック管内の法務局のQ&Aには、除票も附票も廃棄済みで取れない場合、廃棄処分等で交付できない旨の市町村長の証明書に加えて、登記済証(権利証)の写しを添付する場合などがある、と書かれています。ただし「詳しくは管轄の法務局へ」とされていて、全国一律の扱いとは書かれていません。申請の前に、不動産を管轄する法務局に確かめてください。
上申書を書けば、住所のつながりの書類は要りませんか?
取得した法務局の案内(登記手続ハンドブック・相続登記ガイドブック・Q&A)には、上申書の記載はありませんでした。上申書が要るか、どんな内容にするかは、管轄の法務局に確かめてください。インターネット上の司法書士事務所などの解説に書かれている取扱いは、法務局の案内で確かめられたものではありません。
固定資産税の納税通知書や評価証明書は、住所をつなぐ書類になりますか?
法務局の案内では、固定資産税の納税通知書や名寄帳は、相続する不動産の所在・地番などを特定するための資料として挙げられています。固定資産課税明細書の価格は、登録免許税の課税価格を決めるために使います。どちらも、住所のつながりを示す書類としては案内されていません。
登記簿の住所は、どこで分かりますか?
登記事項証明書の所有者の欄で分かります。法務局の相続関係説明図の例には、亡くなった方の「最後の本籍」「登記の住所」「最後の住所」を書く欄があり、この3つが合っているかを最初に見比べる形になっています。
書類集めの手間を減らすサービスはありますか?
民間のイーライフ相続登記は、おまかせプラン(税込59,400円)で必要書類の代理取得と法務局への郵送まで受けています。代理取得できる書類の一覧には、故人の住民票(除票)・登記簿謄本・固定資産評価証明書などがあり、戸籍の附票は一覧にありません。司法書士のように代理で申請するのではなく、本人が申請書類を作成して提出する前提のサービスで、相続人に18歳未満の方や法定相続人以外の方がいる場合は使えません。
参考・出典
- 法務局 登記手続ハンドブック 相続登記(遺産分割協議編)令和8年4月版
- 法務局 相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等
- 東京ブロック管内法務局・地方法務局 相続登記ガイドブック
- 東京ブロック管内法務局・地方法務局 相続登記ガイドブック Q&A編
- 法務局 住所の変更登記の申請に必要な書類とその入手先等
- 法務局 不動産登記の申請書様式について(住居表示実施の場合の様式)
- e-Gov法令検索 住民基本台帳法施行令(第34条)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の登記の可否や必要書類を保証するものではありません。東京ブロック管内のガイドブックは東京ブロックの法務局が公開した案内(Q&A編のPDF作成日は2023年4月)で、取り扱いは管轄の法務局ごとに異なることがあります。申請の前に、不動産を管轄する法務局に確認してください。イーライフ相続登記の内容は、案内ページ(2026年10月3日に確認)の表示にもとづきます。