相続手続き 読了時間:約10分

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相続の戸籍謄本の集め方|出生から死亡までの戸籍とは・何通必要か・本籍地が遠いとき(郵送・広域交付)・コンビニで取れるか・有効期限・費用・兄弟相続や代襲で多くなるとき・法定相続情報一覧図

集めるのは、亡くなった人の出生から死亡までの連続した戸籍と、相続人全員の現在の戸籍です。本籍を移していれば、前の本籍地ごとに請求します。令和6年3月1日から、配偶者・親・子などは、最寄りの市区町村の窓口で本籍地が違う戸籍をまとめて請求できます(広域交付)。兄弟姉妹は、この広域交付の対象に含まれません。窓口に行けないときは本籍地へ郵送で請求します。コンビニで取れる戸籍は、案内の一覧では全部事項証明書と個人事項証明書で、除籍や改製原戸籍は出てきません。手数料は、戸籍が1通450円、除籍が1通750円が標準です。

場面取る戸籍どこで
亡くなった人の戸籍を集める出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本本籍地の市区町村。本籍を移していれば前の本籍地も
本籍地が遠い(配偶者・親・子として)同じ。コンピュータ化されていない一部の戸籍を除く最寄りの市区町村の窓口(広域交付)。本人が来庁。郵送・代理人は不可
窓口に行けない同じ本籍地へ郵送請求。名古屋市の例は定額小為替・返信用封筒・本人確認書類の写し
兄弟姉妹が相続人出生から死亡までに加え、親などの戸籍広域交付の対象外。本籍地へ、請求の理由を示して請求
相続人全員の戸籍現在の戸籍謄本または抄本。被相続人の死亡日以後の証明日のもの各相続人の本籍地。対応する市区町村はコンビニでも
何度も出し直したくない法定相続情報一覧図の写し(無料)登記所に申出。郵送も可

戸籍法(e-Gov 現行版)、法務省・法務局・J-LIS・名古屋市の案内から作成(2026年10月3日取得)。

自分はどの場合に当てはまるか

出生から死亡までの戸籍とは・何通になるか

法務局の案内は、相続人を特定するには被相続人の全ての戸除籍謄本を漏れなく確認する必要があり、戸籍は生まれてから結婚による分籍や転籍、戸籍のコンピュータ化による改製などにより、複数種類にわたる場合があるとしています。市区町村の窓口で請求するときは、相続手続に必要なため、被相続人の出生から亡くなるまでの連続した戸除籍謄本が必要であることを伝えるよう、案内されています。

順番戸籍の種類入れ替わるきっかけ
1除籍謄本結婚(分籍)などで、その戸籍から除かれた
2改製原戸籍謄本戸籍の改製(昭和32年法務省令)
3改製原戸籍謄本戸籍の改製(コンピュータ化。平成6年法務省令)
4戸籍謄本死亡の記載があるもの

法務局「法定相続情報証明制度」よくあるご質問の「出生から死亡までの連続した戸除籍謄本のイメージ」から作成(2026年10月3日取得)。これは図のイメージで、通数は人によって違います。

通数に決まりはなく、本籍を移した回数や改製を受けた回数で変わります。図のとおり4通なら、費用は節5のとおり750円×3通+450円で2,700円です。

名古屋市の案内には、出生から死亡まで等の連続した戸籍の請求は確認に時間がかかるため、窓口の混雑状況により後日の申請をお願いする場合がある、と書かれています。時間に余裕のある日に行ってください。

本籍地が遠いとき:広域交付と郵送請求

広域交付(令和6年3月1日から)

法務省の案内によると、令和6年3月1日から戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました。本籍地が遠くにある人でも最寄りの窓口で請求でき、ほしい戸籍の本籍地が全国各地にあっても、1か所の窓口でまとめて請求できます。根拠は戸籍法120条の2です。

項目広域交付注意
請求できる人本人、配偶者、父母・祖父母など(直系尊属)、子・孫など(直系卑属)兄弟姉妹は含まれない
請求の方法市区町村の戸籍担当窓口に来庁して請求郵送や代理人による請求はできない
本人確認顔写真付きの身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)窓口に来た人の確認
取れない戸籍コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍一部事項証明書、個人事項証明書も請求できない

法務省民事局「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」(令和7年3月21日)から作成(2026年10月3日取得)。

紙のまま残っている古い除籍などは、広域交付では取れない場合があります。その分は、その戸籍がある本籍地の市区町村へ、郵送か窓口で請求します。

本籍地へ郵送で請求する

窓口に行けないときは、戸籍法10条3項により、郵便その他の法務省令で定める方法で、戸籍謄本等の送付を求められます。名古屋市の案内では、次のものを証明書交付センターへ送ります。

所要日数は、同市の案内で、申請書が届いてから1週間程度、請求が集中した時期や連休は2〜3週間以上かかる場合があるとされています。名古屋市は、市外本籍の戸籍を名古屋市で取る方法(広域交付)を、郵送では取り扱っていません。郵送は、本籍地の市区町村へ送るものです。ほかの市区町村の書類や所要日数は違うので、本籍地の市区町村の案内で確かめてください。

兄弟姉妹の場合

戸籍法10条1項は、戸籍に記載されている人、その配偶者、直系尊属、直系卑属が戸籍謄本等を請求できると定めています。広域交付は、この10条1項の請求について認められたものです(120条の2第1項1号)。それ以外の人は10条の2により、権利の発生原因や、戸籍の記載事項の確認が必要な理由などを明らかにして請求します。亡くなった人の兄弟姉妹が相続人として戸籍を集めるときは、本籍地の市区町村へ、請求の理由と相続人であることが分かる資料を添えて請求することになります。

弁護士、司法書士、税理士、行政書士などは、受任している事件や事務の業務を遂行するために必要があるときに、請求できると10条の2に定められています。集める戸籍が多いときに、専門家へ頼むかどうかを考える材料になります。

コンビニで取れる範囲

J-LIS のコンビニ交付の案内では、マイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書を搭載したスマートフォンを使い、住民票の写しや印鑑登録証明書などをマルチコピー機から取れます。取得できる証明書の種類は市区町村によって違い、次の表のとおりです。

項目案内の内容読み方
取得できる戸籍の種類戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)、戸籍の附票の写し除籍・改製原戸籍は一覧にない
謄本・抄本との対応謄本は「戸籍全部事項証明書」、抄本は「戸籍個人事項証明書」を選ぶ差分は発行元の市区町村に確認
本籍地が別の市区町村本籍地の市区町村がサービスを提供していること、マイナンバーカードの取得、本籍地への利用登録申請が必要利用登録申請はマイナンバーカードで行い、スマホ用電子証明書ではできない
利用できる時間毎日6:30から23:00。市区町村によって制限あり戸籍は提供時間が違う市区町村もある

J-LIS「コンビニ交付」の案内(最終更新日 2026年6月1日ほか)から作成(2026年10月3日取得)。

案内に書かれているのは現在の戸籍の種類です。出生から死亡までの戸籍のうち、除籍や改製原戸籍は、窓口か郵送で請求する前提で計画してください。相続人自身の現在の戸籍謄本は、本籍地の市区町村がコンビニ交付に対応していれば、この方法でも取れます。対応しているかどうかは、案内の「利用できる市区町村」で、本籍地の市区町村を検索して確かめます。

費用と有効期限

手数料

種類標準の額根拠
戸籍の謄本・抄本1通450円手数料の標準に関する政令(八の項)
除籍の謄本・抄本(改製原戸籍を含む)1通750円同上。名古屋市の案内は改製原戸籍も750円
戸籍の記載事項証明書1件350円(除籍は450円)同上

地方公共団体の手数料の標準に関する政令(e-Gov 現行版)と名古屋市の案内から作成(2026年10月3日取得)。実際の額は各市区町村の条例で決まります。

法務局の図の4通なら、750円×3通+450円で2,700円です。広域交付や窓口でも同じ手数料がかかり、郵送では、為替の発行手数料と返信用の切手が別にかかります。法定相続情報証明制度は無料ですが、戸籍謄本の取得の手数料と、郵送料は別です。

集めるのを専門家に頼む場合

戸籍の収集を含めて頼む方法もあります。相続手続きのサービス nocos(ノコス)の公式サイト(2026年10月3日取得)には、「戸籍・不動産収集/相続関係図作成」が税込42,900円と載っています。故人の兄弟が法定相続人となる場合は税込69,300円、数次相続、代襲相続、法定相続人が5名を超える場合は別途費用がかかると書かれています。ほかの専門家との違いと費用の決まり方は、相続手続きの代行は誰に頼むにあります。

有効期限

法務局の法定相続情報の必要書類の表には、「発行から○か月以内」という期限は書かれていません。書かれているのは、相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本は、被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要、という点です。法定相続情報の申出では、死亡の前に取った古い謄本は使えない、という意味です。

金融機関など、ほかの提出先が期限を決めているかどうかは、この表からは分かりません。法務局も、一覧図の写しを使う手続では、提出先の機関に必要な書類をたずねるよう案内しています。取り寄せる前に、提出先ごとに確かめると、取り直しを減らせます。

兄弟相続・代襲で戸籍が多くなるとき

相続人が誰かで、集める戸籍は増えます。裁判所が相続放棄の申述で求めている戸籍が、増え方の例になります。

相続人の立場増える戸籍出典
子・孫・ひ孫(第一順位)被相続人の死亡の記載のある戸籍。孫・ひ孫なら、本来の相続人の死亡の記載のある戸籍裁判所
父母・祖父母(第二順位)被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍。死亡している子の出生から死亡までの戸籍裁判所
兄弟姉妹・おい・めい(第三順位)上に加えて、直系尊属の死亡の記載のある戸籍。おい・めいなら本来の相続人の死亡の記載のある戸籍裁判所

裁判所「相続の放棄の申述」の「申述に必要な書類」から要約(2026年10月3日取得)。同じ書類は1通で足ります。

これは相続放棄の申述の場合です。法務局の法定相続情報の必要書類の表にも、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人となるときなど、法定相続人の確認のために出生から死亡までの戸除籍謄本に加えて、被相続人の親などに係る戸除籍謄本の添付が必要な場合がある、と注記されています。ほかの手続で必要な範囲は、提出先で確かめてください。

兄弟姉妹の相続放棄の流れと、まとめて申述するときの戸籍は兄弟が相続人になる相続放棄、祖父名義のままなど世代をまたぐときは数次相続の不動産登記にあります。

何度も出し直さずに済む方法:法定相続情報一覧図

法務局の法定相続情報証明制度は、相続人が相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)と戸除籍謄本等の束を登記所に出すと、登記官が確認して、認証文を付した一覧図の写しを無料で交付する制度です。写しは、戸除籍謄本等の束の代わりに、相続登記や預金の払戻し、相続税の申告、年金等の手続に使えます。使えるかどうかは、提出先の機関に確かめてください。

必要書類、様式、使えない場面は法定相続情報一覧図の取り方に整理しています。

よくある質問

「出生から死亡までの戸籍」は、何通になりますか?

決まった通数はありません。法務局の案内は、戸籍は結婚による分籍や転籍、コンピュータ化による改製などで複数種類にわたる場合があるとしています。法務局の図では、除籍謄本、改製原戸籍謄本(昭和32年の改製)、改製原戸籍謄本(平成6年の改製)、戸籍謄本の4通が例になっています。本籍を何回移したか、改製を何回受けたかで、人によって増減します。

コンビニで、相続に使う戸籍は取れますか?

地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のコンビニ交付の案内では、取得できる戸籍の証明書は「戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)」と戸籍の附票の写しで、除籍や改製原戸籍は一覧に出てきません。本籍地が住所地と違う市区町村のときは、事前にマイナンバーカードで本籍地へ利用登録申請をする必要があります。出生から死亡までの戸籍のうち、除籍や改製原戸籍は、窓口か郵送で請求する前提で考えてください。

戸籍に有効期限はありますか?

法務局の法定相続情報の必要書類の表には、「発行から○か月以内」という期限は書かれていません。書かれているのは、相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本は、被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要、という点です。金融機関や年金の窓口など、ほかの提出先が期限を決めているかどうかは、この表からは分かりません。取り寄せる前に、提出先に確かめてください。

本籍地が遠くて役所に行けません。どうすればよいですか?

令和6年3月1日から、配偶者・親・子などは、最寄りの市区町村の窓口で、本籍地が全国各地にある戸籍をまとめて請求できます(広域交付)。ただし窓口に来て請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできません。窓口に行けないときは、本籍地の市区町村へ郵送で請求します。名古屋市の案内では、定額小為替、返信用封筒、本人確認書類の写しなどを送ります。

兄弟姉妹が相続人のとき、広域交付は使えますか?

法務省の案内で広域交付を請求できる人は、本人、配偶者、父母・祖父母など、子・孫などです。亡くなった人の兄弟姉妹は含まれていません。戸籍法の条文でも、広域交付の対象は10条1項の請求(戸籍に記載されている人、その配偶者、直系尊属、直系卑属)で、兄弟姉妹は10条の2の「それ以外の人」の請求になります。この場合は、本籍地の市区町村へ、請求の理由を示して請求します。

戸籍の取得にはいくらかかりますか?

地方公共団体の手数料の標準に関する政令では、戸籍の謄本・抄本が1通450円、除籍の謄本・抄本が1通750円です。名古屋市の案内も、戸籍450円、除籍と改製原戸籍が750円です。法務局の図の4通の例なら、750円×3通+450円で2,700円になります。郵送では、為替の発行手数料や返信用の切手が別にかかります。

相続放棄の3か月に間に合うよう、戸籍が全部そろわないときはどうしますか?

裁判所の案内は、申述前に入手が不可能な戸籍等があるときは、申述後に追加で提出することでも差し支えないとしています。兄弟姉妹が申述するときの戸籍は、兄弟が相続人になる相続放棄のページに整理しました。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案の判断は、本籍地の市区町村、法務局、家庭裁判所、司法書士・行政書士などにご確認ください。

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