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空き家の相談窓口はどこ?自治体・専門家団体・支援法人・民間の窓口を、売る・貸す・管理・相続登記・解体で使い分ける
空き家の相談窓口は、1つには決まっていません。空家法12条は、市町村が所有者に情報の提供や助言をするよう「努めるものとする」と定めていて、窓口の置き方は自治体ごとに違います。東京都の公式ページでは、無料のワンストップ相談窓口、弁護士会・司法書士会・宅建の協会などの専門家団体の窓口、区市町村の担当窓口の3つに分けて案内されています。最初に当たる窓口は、相談したい中身で決まります。
| 相談したい中身 | 最初に当たる窓口(東京都の例) | 都の案内にある相談内容 |
|---|---|---|
| 売る・貸す | 東京都宅地建物取引業協会(不動産相談所)/全日本不動産協会(全日不動産相談センター) | 空き家の売買や賃貸に関すること |
| 管理 | 東京都空き家ワンストップ相談窓口/区市町村の空き家担当窓口 | 空き家の相続、売却、賃貸、管理、住替え等(ワンストップ窓口の例) |
| 相続登記・名義 | 東京司法書士会/東京三弁護士会空き家相談窓口 | 司法書士会は空き家の相続等の不動産登記、弁護士会は空き家の相続・契約・紛争の解決 |
| 解体 | 東京都空き家ワンストップ相談窓口/建物滅失登記は東京土地家屋調査士会 | 窓口を通じて解体する場合、都の補助金の対象となる場合がある |
| 税金 | 東京税理士会(納税者支援センター) | 税金に関すること |
東京都住宅政策本部「空き家でお困りの方(東京都空き家ポータルサイト)」の相談窓口情報(2026年10月3日に取得)。他の道府県・市区町村の窓口の名称や対象は、それぞれの公式ページで確かめてください。
自分はどの場合に当てはまるか
- 何から相談すればいいか分からない:冒頭の表で相談したい中身から最初の窓口を探し、節2〜節4に窓口ごとの違いを書きました。
- 空き家バンクに載せたい:空き家バンクに登録するには?に、必要書類と登録できない家をまとめました。
- 管理を人に頼みたい:市区町村が指定する法人は空家等管理活用支援法人のページに、不動産会社への委託は空き家の管理委託のページにあります。
- 実家を片付けて手放したい:実家じまいの手順と費用にあります。
- 名義が親のままになっている:相続登記の義務化のページにあります。
- 近所の空き家で困っている:節2の豊中市の例と、よくある質問に書きました。
市区町村・都道府県の窓口
- 法律の書きぶり:空家法12条は、市町村は所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう「努めるものとする」としています。15条は、空家等と跡地の活用のために、情報の提供その他必要な対策を講ずるよう努めるものとしています。取得した条文には、窓口を置くことを義務づける定めはありませんでした。窓口があるか、どこにあるかは、市区町村の公式ページで確かめます。
- 計画に書かれる相談対応:市町村が空家等対策計画を定めるときは、7条2項7号により、「住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項」を定めます。ただし計画は7条1項で「定めることができる」とされ、全市町村が定めるとは限りません。
- 東京都の3つの窓口:東京都の公式ページは、①東京都空き家ワンストップ相談窓口、②専門家団体相談窓口、③区市町村担当窓口(一覧はPDF)に分けています。ワンストップ窓口は無料で、相談内容の例は空き家の相続、売却、賃貸、管理、住替え等です。窓口での対応の例として、相談員又は専門家による現地調査、具体的な解決策の提案、必要な経費等の試算、協力事業者の紹介、解決に向けたフォローアップが挙げられています。都は窓口の運営を、NPO法人 空家・空地管理センターに委託しています(令和6年4月1日開始)。
- さいたま市の例:さいたま市は、空家等管理活用支援法人として5団体を指定しました(指定期間は令和8年4月1日から令和13年3月31日)。5団体の指定業務に、「さいたま市空き家ワンストップ相談窓口」業務が入っています。相談窓口の業務を支援法人に求めている自治体もあります。
- 豊中市の例(近隣住民向け):豊中市は、倒壊のおそれなど管理されていない空き家に困る近隣住民向けに、窓口の一覧を出しています。倒壊のおそれは建築安全課、雑草・樹木は美化推進課と公園みどり推進課、防犯面の不安は危機管理課、放火のおそれは消防局予防課というように、問題の種類ごとに担当部署が違います。
制度の面では、空き家バンクへの登録は空き家バンクのページに、管理を怠った空き家への指導・勧告は管理不全空家のページにあります。
専門家団体の窓口と、支援法人
東京都は、不動産・建築・法律などの専門家団体や金融機関と協定を結び、都内の空き家所有者向けの相談窓口を順次設けています。団体ごとに受ける内容と相談の方法が違います。
- 売買・賃貸の相談:東京都宅地建物取引業協会と全日本不動産協会が、空き家の売買や賃貸に関することを受けます。
- 価値と使い道:東京都不動産鑑定士協会は「空き家の価値判断と有効活用」、東京建築士会と東京都建築士事務所協会は「空き家の利活用の調査や建築」を受けます。
- 登記と調査:東京司法書士会は空き家の相続等の不動産登記、東京土地家屋調査士会は未登記建物の表題登記・建物滅失登記・敷地境界、東京都行政書士会は所有者と相続人の調査確認を受けます。
- 融資と資産承継:みずほ信託銀行が、空き家の有効活用や融資、資産承継・遺言信託を受けます。
- 相談の方法と費用:電話で受け付ける団体、事前予約が要る団体(不動産鑑定士協会は第1・3水曜の相談でホームページから事前予約、土地家屋調査士会は事前予約の上で来訪)、決まった曜日の相談会に参加する団体(東京建築士会は月曜開催の相談会)があります。取得した案内ページに、相談の料金の記載はありませんでした。無料かどうかは各団体に確かめます。
空家等管理活用支援法人は、空家法24条1号で「空家等の管理又は活用の方法に関する情報の提供又は相談その他の……援助」、2号で委託に基づく定期的な状態確認や改修を業務とする法人です。市区町村長が指定するもので、どの市区町村にもあるわけではありません。指定の状況の調べ方は空家等管理活用支援法人のページにまとめました。
民間の相談窓口
自治体や専門家団体の窓口は、制度の案内や資格のある専門家の相談が中心です。売却や買取の査定額、活用の提案をまとめて聞く窓口として、民間のサービスもあります。たとえば「空き家の窓口」の案内ページは、次の内容を書いています。
- 提案の範囲:査定額のご提示、売却・買取プラン、活用・賃貸プラン、リフォーム・残置物、相続サポートです。
- よくある悩みの書き方:「何から相談すればいいか分からない」「遠方にあって管理・処分ができない」「売るべきか活用すべきか判断できない」などが、案内ページに並んでいます。
- 費用:「査定・相談はすべて無料」で、査定・ご相談から企業・専門家のご紹介まで費用はかからないとされています。無料なのは、この査定・相談とご紹介までです。売却や工事などを実際に企業へ依頼したあとの費用は、案内ページからは分かりません。依頼先との契約の前に、見積もりと契約内容で確かめます。
- 連絡のしかた:「秘密厳守・営業なし」とあり、しつこい営業はなく、相談内容にもとづき必要な案内のみを送るとされています。
- 流れ:フォームで入力、ヒアリング、企業・専門家の紹介、査定・相談の4ステップです。
自治体の窓口と並べると、制度(補助金・空き家バンク・管理不全空家への指導)は自治体、登記・税金・契約は資格のある専門家、金額や活用の提案を複数の企業から聞くのは民間、という分け方になります。どれか1つを選ぶ必要はありません。
窓口に相談する前に
- 名義が自分でなくても相談できる窓口がある:東京都のワンストップ窓口は、相続や転居等により空き家を所有することが見込まれる方とその関係者も、相談者に含めています。名義変更が終わる前でも、先に相談できます。名義の手続きは相続登記のページにあります。
- 伝えることをメモしておく:空き家の所在地、誰の名義か、相続の手続きが済んでいるか、売る・貸す・管理のどれを考えているかです。これを伝えると、窓口が案内先を絞りやすくなります。
- 窓口は紹介までのことがある:東京都のワンストップ窓口の対応の例には、協力事業者の紹介が入っています。紹介された事業者に依頼するかは、そのあとの別の判断です。
- 片付けと解体の補助金:東京都の窓口を通じて家財整理や解体をする場合の補助は、実家じまいのページに条件と金額を書きました。
よくある質問
空き家の相談は、まずどこにすればよいですか?
相談したい中身で変わります。東京都の公式ページでは、売買や賃貸は宅建業の団体、相続の登記は司法書士会、相続や契約の争いは弁護士会、税金は税理士会、というように専門家団体ごとに相談内容が示されています。何から相談すればよいか分からないときは、東京都の「空き家ワンストップ相談窓口」のように、相続・売却・賃貸・管理・住替えをまとめて受ける窓口があります。お住まいの地域の窓口の有無と名称は、市区町村の公式ページで確かめてください。
自治体の空き家の相談窓口は無料ですか?
東京都の「空き家ワンストップ相談窓口」は、都の案内で「無料」と書かれています。東京都の専門家団体相談窓口のページには、料金の記載がありませんでした。団体によって、電話での受付、事前予約、決まった曜日の相談会など相談の方法も違うので、費用と方法は各団体に確かめてください。他の自治体は、それぞれの公式ページで確かめてください。
空き家がまだ親の名義でも、相談できますか?
東京都の「空き家ワンストップ相談窓口」の案内では、相談者に「相続や転居等により空き家を所有することが見込まれる方及びその関係者を含む」と書かれています。名義がまだ親のままの段階でも、相談の対象に含まれます。他の窓口の条件は窓口ごとに違うので、公式ページで確かめてください。
遠方にある空き家は、どこに相談すればよいですか?
空き家の所在地の市区町村の窓口が基本です。東京都のワンストップ窓口は、都外の空き家を所有する都民も相談の対象に含めています。民間の「空き家の窓口」の案内ページには、現地に行けない遠方の空き家・実家の相談も歓迎と書かれています。窓口に足を運べないときは、電話やオンラインで相談できるかを先に確かめます。
近所の空き家が荒れていて困っています。どこに相談しますか?
空き家の所有者ではなく近隣の住民の立場の相談は、市区町村が別に窓口を案内していることがあります。豊中市は、近隣住民向けの窓口一覧で、倒壊のおそれは建築安全課、雑草や樹木は美化推進課と公園みどり推進課、防犯面の不安は危機管理課、放火のおそれは予防課と、問題の種類ごとに担当部署を分けています。お住まいの市区町村の公式ページで確かめてください。
自治体の窓口と民間の窓口は、どちらから相談すればよいですか?
相談の目的で使い分けます。補助金や空き家バンクなど自治体の制度は自治体の窓口、登記・税金・契約は資格を持つ専門家の窓口が受け持ちます。売却や買取、活用、リフォーム、残置物の処分について、査定額や提案を複数の企業から先に聞きたいときは、民間の窓口が選べます。どれか1つに決める必要はなく、制度の確認は自治体、金額や提案の比較は民間、という順に使うこともできます。
参考・出典
- e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法(第4条・第7条・第12条・第15条・第24条)
- 東京都住宅政策本部 相談窓口情報(東京都空き家ポータルサイト)
- 東京都住宅政策本部 東京都空き家ワンストップ相談窓口
- 東京都住宅政策本部 専門家団体相談窓口
- さいたま市 さいたま市空家等管理活用支援法人について
- 豊中市 空き家に関する相談窓口(近隣住民の皆さまへ)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、窓口の対応や費用を保証するものではありません。窓口の有無・名称・対象・受付時間は自治体や団体ごとに違い、変わることがあります。個別の相談は、お住まいの市区町村や各団体の公式ページで確認してください。「空き家の窓口」の内容は、案内ページ(2026年10月3日に確認)の表示にもとづきます。