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空家等管理活用支援法人とは|令和5年の空家法改正でできた制度・頼めること・費用・指定状況の調べ方・メリットとデメリット
空家等管理活用支援法人(支援法人)は、市区町村長が指定する民間の法人で、空き家の管理や活用の相談に乗ったり、所有者から委託されて状態の確認や改修を行ったりします。令和5年6月14日公布、同年12月13日施行の改正空家法(23〜28条)でできた制度です。指定するかどうかは市区町村の裁量で、国土交通省の調査では、令和7年3月31日時点で指定済みは95法人(64市区町村)、調査対象1,741市区町村の約3.7%でした。費用は法にも手引きにも定めがなく、相場は公的資料に無いため、このページでは作っていません。まず確かめるのは、空き家のある市区町村が指定しているかどうかです。
| 知りたいこと | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 誰が指定 | 市町村長(特別区の区長を含む)。指定は裁量で、しない市もある | 法23条1項、国土交通省の手引き、大阪市の案内 |
| 何をする | 相談・情報提供、委託に基づく状態確認や改修、所有者の探索、調査研究、普及啓発 | 法24条各号 |
| 費用 | 法にも手引きにも定めなし。委託契約と法人ごと | 法24条2号、手引き |
| 調べ方 | 市町村長が名称・住所・事務所の所在地を公示する | 法23条2項 |
空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov 現行版)、国土交通省「空家等管理活用支援法人の指定等の手引き」、大阪市の案内から作成(2026年10月3日取得)。
自分はどの場合に当てはまるか
- 空き家の管理や活用を、まず誰かに相談したい:節3と節5で、頼めることと、自分の市区町村の調べ方を整理しました。
- 月いくらで管理を頼みたい:支援法人に限らず、管理を請け負う会社の費用は空き家の管理を不動産会社に委託する費用と業者の選び方を見てください。
- 市区町村から管理不全空家と言われた:管理不全空家とはに、指導・勧告の流れと固定資産税の特例が外れる条件があります。特定空家との違いは特定空家とはです。
- 空き家ではなく空き地:空き地の管理に、所有者の義務と条例による指導があります。
- 管理より先に、売る・貸す・活かすのどれにするか決めたい:節5の最後に、民間の相談窓口を使う場合を書きました。
- 法人として指定を受けたい:節7に、手引きの要件と申請書類を書きました。
制度の中身:条文のどこに書いてあるか
令和5年6月14日に改正法が公布され、同年12月13日に施行されました(国土交通省の手引きの冒頭)。e-Gov の改正履歴にも、令和5年法律第50号による2023年12月13日施行の版があります。支援法人に関する条文は次のとおりです。
- 23条(指定):市町村長は、特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人その他の営利を目的としない法人、または空家等の管理若しくは活用を図る活動を行うことを目的とする会社で、24条各号の業務を適正かつ確実に行えると認められるものを、その申請により支援法人として指定できます。指定したときは、名称または商号、住所、事務所または営業所の所在地を公示します。
- 24条(業務):相談・情報提供などの援助、委託に基づく状態確認や改修、委託に基づく所有者等の探索、調査研究、普及啓発、その他の必要な事業または事務の6つです。
- 25条(監督):市町村長は業務について報告をさせることができ、適正に実施していないと認めるときは改善の措置を命じられます。命令に違反すると指定を取り消されることがあります。
- 26条(情報の提供等):支援法人から求めがあったとき、市町村長は所有者等の探索に必要な限度で所有者等関連情報を提供します。提供にはあらかじめ本人の同意が必要です。
- 27条・28条:支援法人は市町村に空家等対策計画の作成や変更を提案でき、空家等の適切な管理のため特に必要があると認めるときは、市町村長に、裁判所への管理人の選任などの請求(14条)をするよう要請できます。
23条1項は、令和8年9月3日施行の改正(令和8年法律第27号)で、対象が「一般社団法人若しくは一般財団法人又は…会社」から「…その他の営利を目的としない法人又は…会社」に改められています(e-Gov の2023年版と現行版を比べた結果)。国土交通省の手引き(令和8年9月3日最終改正)は、第16次地方分権一括法により、商工会議所、商工会、行政書士会や司法書士法人など個別の法律に根拠を持つ法人が、より広く指定できるようになったとしています。
頼めること:業務ごとの誰に・費用
24条の6つの業務のうち、所有者が自分のために使うのは主に1号と2号です。市区町村が求める業務は指定の方針で決まるため、すべての支援法人が6つ全部を行うわけではありません。手引きは、市町村のニーズに応じて一部の業務だけを行う法人も指定の対象にできるとしています。
| できること | 誰に・誰が頼む | 費用 |
|---|---|---|
| 相談・情報提供(1号) | 所有者等と、空き家を管理・活用したい人が相談する | 法にも手引きにも料金の定めなし。無料かどうかは法人・市区町村の案内で確認 |
| 状態の確認・活用のための改修など(2号) | 所有者が委託する(国土交通省の制度概要) | 委託契約で決まる。公的な料金表は取れなかった |
| 所有者等の探索(3号) | 市区町村が委託する(手引き第3章) | 市区町村と法人の契約。所有者が払う場面は原文にない |
| 調査研究・普及啓発(4・5号) | 講座や相談会に参加する人 | 開催の案内で確認。さいたま市は普及啓発の経費の一部補助を検討としている |
空家法24条、国土交通省の手引きと制度概要、さいたま市の案内から作成(2026年10月3日取得)。
24条に、空き家の売買の仲介は挙げられていません。ただし6号が「前各号に掲げるもののほか、空家等の管理又は活用を図るために必要な事業又は事務」を置いており、市区町村が求める業務には幅があります。取れた案内では、和歌山市は市が指定する空家等の査定と売却・譲渡先の探索を必須の業務とし、堺市は相談から活用(売却・賃貸・解体など)までワンストップで支える体制としています。八頭町は、空き家の巡回管理サービスや、サブリース・建物状況調査などの活用につながる事業を2号の例に挙げています。
費用と補助金:原文に書いてあること
| 費用 | 原文にあるか | 確認先 |
|---|---|---|
| 相談料 | 法・手引き・取れた市の案内に金額なし | 指定法人、市区町村の窓口 |
| 管理・改修の委託料 | 公的な料金表なし。相場は作らない | 法人から見積もりを取る |
| 所有者が使える補助 | 支援法人を使うことへの補助は取れた原文になし | 市区町村の空き家担当 |
空家法、国土交通省の手引き、各市区町村の案内から作成(2026年10月3日取得)。
管理の委託料は、法人ごとの見積もりが唯一の根拠です。支援法人かどうかにかかわらず、管理を請け負う会社の費用の見方は空き家の管理を不動産会社に委託する費用と業者の選び方に書きました。
補助金は、支援法人を使う所有者向けの制度ではなく、空き家そのものの解体やリフォームに出るものが市区町村ごとにあります。解体の補助金とリフォームの補助金にまとめています。国土交通省の空き家対策モデル事業(令和5年度〜令和8年度)は、NPO・民間事業者等向けの財政上の措置として載っており、所有者が直接受け取るものではありません。
自分の市区町村の指定状況の調べ方
法23条2項により、市町村長は指定したときに名称または商号、住所、事務所または営業所の所在地を公示します。公示の方法は市町村が決めます(手引きは、公報やウェブサイトへの掲載を例に挙げています)。「(市区町村名) 空家等管理活用支援法人」で検索し、見つからなければ空き家担当の窓口に問い合わせます。
国土交通省の令和7年3月31日時点の調査では、指定済みが95法人(64市区町村)、指定に向け検討中が120法人(98市区町村)でした。その後も増えており、岡山市だけで令和7年4月から令和8年9月にかけて10法人を指定しています。全国の指定法人の一覧は、今回確認した国土交通省のページには見つかりませんでした。
| 市区町村 | 指定の状況 | ページの表示日 |
|---|---|---|
| 京都市 | 5法人。京都府宅地建物取引業協会、京都府不動産コンサルティング協会、京町家再生研究会、全日本不動産協会、日本賃貸住宅管理協会 | 2024年4月30日 |
| 岡山市 | 10法人。令和7年4月22日から令和8年9月28日にかけて順に指定。会社と団体の両方が入る。申請受付は終了 | 2026年10月1日 |
| さいたま市 | 5団体。指定期間は令和8年4月1日から令和13年3月31日。業務は「空き家ワンストップ相談窓口」 | 2026年3月31日 |
| 堺市 | 2法人。大阪府不動産コンサルティング協会、さかい空き家バンク。指定期間は令和7年4月1日から令和10年3月31日 | 2026年7月1日 |
| 和歌山市 | 3法人(令和7年4月1日現在)。査定と売却・譲渡先の探索を必須の業務としている | 令和7年6月5日 |
| 大阪市 | 当面の間、指定を行わない。専門家団体等との連携協定で対応している | 表示なし |
各市区町村の公式ページから作成(2026年10月3日取得。表示日はページに載っていた日付)。
指定法人がいない市区町村、または指定法人に頼む内容が相談までで足りないときは、空き家バンクへの登録(空き家バンクに登録するには)や、不動産会社への査定依頼で出口を探す方法もあります。
民間の一括相談窓口として、空き家の窓口があります。広告主のページ(2026年10月3日に確認)には、査定額の提示、売却・買取プラン、活用・賃貸プラン、リフォーム・残置物、相続サポートを無料で提案すると書かれています。管理を請け負う記載はなく、市区町村の指定を受けているという記載もありません。支援法人とは別の窓口として、売る・貸す・活かすの比較に使えます。
メリットと、気をつける点
原文から言えるメリット
- 指定法人が公示される:誰が市区町村に指定された法人かを、公示で確かめられます(23条2項)。
- 市区町村の監督がある:報告をさせたり、改善を命じたり、命令違反で指定を取り消したりできます(25条)。
- 相談から活用までつながる設計の市がある:堺市は、相談から活用(売却・賃貸・解体など)までワンストップで総合的・伴走的に支援する体制としています。
- 専門家が連携する想定:手引きは、宅地建物取引業者、弁護士、司法書士などが構成員や連携先となることを審査の例に挙げています。
気をつける点
- どの市区町村にもあるわけではありません。指定は市区町村の裁量で、大阪市のように当面指定しない市や、すでに申請の受付を終えた市もあります。
- 指定は費用や品質の保証ではありません。23条の要件は「業務を適正かつ確実に行うことができると認められる」であり、料金は法人ごとの委託契約です。
- 売買に関わる法人は、利害に注意が要ります。手引きは、審査の項目に「相談者や所有者等と支援法人との間で利益が相反するおそれがないこと」を挙げ、利害関係のある事業者だけを優先して斡旋し、他の事業者を選べることを伝えない行為を、確認すべき例としています。1社だけの提案で決めず、他の見積もりと比べてください。
- 指定には期間があります。堺市は令和7年4月1日から令和10年3月31日、八頭町は指定の日から2年としています。使う時点で指定が続いているかを、公示で確かめてください。
法人として指定を受けたいとき
国土交通省の手引きは、市町村が指定の方針を明らかにしたうえで、法人が申請する流れを例に挙げています。申請書類の例は、定款、登記事項証明書、役員の氏名・住所・略歴を記載した書面、法人の組織と沿革を記載した書面、前事業年度の事業報告書・収支決算書・貸借対照表、当該事業年度の事業計画書・収支予算書、空家等の管理または活用に関する活動実績を記載した書面、24条各号の業務に関する計画書です。会社の場合は、定款の活動目的や事業報告書などで空家対策に資する目的かどうかが総合的に審査されます。
要件と必要書類は市区町村ごとの事務取扱要綱で決まります。京都市や岡山市のように、申請の前に予約制の事前相談を求める市もあるため、指定を考える市区町村の空き家担当に先に問い合わせてください。
よくある質問
空家等管理活用支援法人とは何ですか?
市区町村長が指定する民間の法人です。空家法23条1項は、特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人その他の営利を目的としない法人、または空家等の管理若しくは活用を図る活動を行うことを目的とする会社のうち、24条各号の業務を適正かつ確実に行えると認められるものを、その申請により、市町村長が支援法人として指定できると定めています。国土交通省の手引きは、人員不足で所有者への働きかけや相談対応が十分にできない市町村の補完的な役割を果たすことが狙いとしています。
誰が指定するのですか? 国ですか?
市町村長(特別区の区長を含む)です。国土交通省の手引きは、指定は市町村長の裁量で行うとしています。指定するかどうか、何の業務を求めるか、何法人にするかは市区町村ごとに違います。大阪市のように、専門家団体との連携協定で対応しているため当面指定しないとする市もあります。
支援法人に頼むと、費用はいくらかかりますか?
空家法にも国土交通省の手引きにも、料金の定めはありません。今回取れた市区町村の案内にも、相談料や委託料の金額は書かれていませんでした。2号業務(定期的な状態確認や活用のための改修など)は「委託に基づき」行うものなので、料金は法人との委託契約で決まります。相場は公的資料が無いため、このページでは示していません。頼む前に、法人から見積もりを取ってください。
自分の市区町村が支援法人を指定しているかは、どう調べますか?
法23条2項は、市町村長が指定したときは、その法人の名称または商号、住所、事務所または営業所の所在地を公示しなければならないと定めています。公示の方法は市町村が決めるため、公報やウェブサイトで確認します。「(市区町村名) 空家等管理活用支援法人」で検索し、市区町村の空き家担当の窓口に問い合わせる方法もあります。全国の指定法人の一覧は、今回確認した国土交通省のページには見つかりませんでした。
空き家の管理を全部任せられますか?
法24条2号は、支援法人が「委託に基づき」、定期的な空家等の状態の確認、活用のために行う改修その他の管理または活用のため必要な事業または事務を行うとしています。どこまで任せられるかは法人と結ぶ委託契約の内容で決まり、法律が全部の管理を保証するものではありません。指定した市区町村が求める業務も、巡回管理が中心のところ、査定と売却先の探索が必須のところなど、さまざまです。
所有者の情報が、支援法人に渡されることはありますか?
法26条2項は、支援法人が業務のため空家等の所有者等を知る必要があるとして求めたとき、市町村長は所有者等の探索に必要な限度で所有者等関連情報を提供するものとしています。同条3項は、提供にはあらかじめ本人の同意を得なければならないと定めています。国土交通省の手引きは、所在が判明していない人の情報は、同意が得られないため提供できないとしています。
会社でも支援法人になれますか?
なれます。法23条1項は「空家等の管理若しくは活用を図る活動を行うことを目的とする会社」を対象に挙げています。手引きは、会社の場合は定款の活動目的や事業報告書で目的を総合的に審査するとしています。岡山市の指定法人の一覧にも、団体と会社の両方が入っています。
参考・出典
- e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法(第14条・第21条・第23条〜第28条)
- 国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
- 国土交通省 空家等管理活用支援法人の指定等の手引き
- 国土交通省 空家等管理活用支援法人 制度概要
- 国土交通省・総務省 空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について(令和7年3月31日時点)
- 京都市 空家等管理活用支援法人の指定について
- 岡山市 空家等管理活用支援法人の指定について
- さいたま市 空家等管理活用支援法人について
- 堺市 空家等管理活用支援法人について
- 和歌山市 空家等管理活用支援法人について
- 大阪市 空家等管理活用支援法人について
- 八頭町 空家等管理活用支援法人の指定について
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案の判断は、お住まいの市区町村の空き家担当、弁護士、司法書士、宅地建物取引士などにご確認ください。