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実家・空き家がゴミ屋敷になったら|片付け費用の公表例・自治体の支援・業者の選び方・放置したとき
ゴミ屋敷の片付けだけの料金を公表した公的な資料は、取得した範囲に見つかりませんでした。公表されているのは、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトに載る片付けの事例(1K規模の遺品整理で5〜10万円、4LDK規模で25〜35万円、立ち会いなしの空き家片付けで10〜15万円)と、国民生活センターが分析した遺品整理サービスの契約金額の平均(約42万円)などです。費用は、京都市が原則として本人の負担とし、足立区は条件を満たすと費用100万円を上限に区が片付けを支援します。人が住んでいない家は空家法、条例のある市区町村は条例が、指導や勧告の根拠になります。
このページは、実家・空き家の片付けを頼みたい方向けです。ページ内で紹介する遺品整理のコンシェルジュの公式サイトが示す対応エリアは、関東の7都県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・群馬・栃木)、関西の6府県(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)、静岡県と、北海道の一部の市町村です。
片付け費用の公表例
ゴミ屋敷の片付けだけの料金を載せた公的な資料や、公式サイトの事例は、取得した範囲にありませんでした。相場として一つの金額にまとめることはせず、公表されている近い項目を原文のまま並べます。
次の表は、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトが掲載しているご利用事例の費用目安です。遺品整理・生前整理・空き家片付けの事例で、ゴミ屋敷の事例ではありません。
| 事例 | 費用目安(税込) | 作業人数・時間 |
|---|---|---|
| 短期間の遺品整理(1K規模) | 50,000〜100,000円 | 2名・1日間 |
| マンションの生前整理 | 150,000〜250,000円 | 7名・2日間 |
| 物量多めの遺品整理(4LDK規模) | 250,000〜350,000円 | 10名・3日間 |
| 立ち会いなしの空き家片付け | 100,000〜150,000円 | 5名・1日半 |
出典:遺品整理のコンシェルジュ公式サイトのご利用事例(2026年10月2日取得)。同サイトは「料金や作業内容は、間取りだけで決まるものではありません」と注意しています。
公式サイトのサービス一覧には「ゴミ屋敷片付け」があります。ただし、ゴミ屋敷の料金や対応できる業者は載っていません。2LDK・2DK・ワンルーム・一軒家と明記した公表例も、取得できませんでした。
国民生活センターが2013年4月から2018年6月30日までのPIO-NET登録分522件を分析した結果では、遺品整理サービスの契約金額の平均は約42万円、実際に支払った金額の平均は約30万円でした。ゴミ屋敷に限った数字ではありません。
費用は誰が負担するか|自治体の条例と支援
環境省が令和6年度に全国1,741市区町村へ行ったアンケート調査では、令和2〜6年度の5年間にごみ屋敷事案を認知していると答えたのは672市区町村(38.6%)でした。認知のきっかけは「市民からの通報・情報提供」が最も多く、「市町村等による把握(パトロール等)」、「原因者の親族等からの相談」が続きます。
ごみ屋敷事案に対応することを目的とした条例等を「制定済み」と答えたのは90市区町村で、そのうち措置として「支援」を規定していると答えたのは25市区町村でした。自治体によって制度の有無も内容も違います。取得できた京都市と足立区の原文は次のとおりです。
| 自治体 | 費用に関する原文 | 読み方の注意 |
|---|---|---|
| 京都市 | 市のページ:「解消のために費用を要する場合は、原則としてご本人に負担いただく必要があります」。条例第9条第3項:支援を受けた者は、別に定める場合を除き、支援に要した費用を負担する。額は市長が算定基準に従い算定して通知する(第4項) | 「別に定める場合」の中身は、取得した条例本文と市のページに書かれていない |
| 足立区 | 「所有者等が改善に同意」「改善のための費用負担が困難」「審議会が必要と認める」場合に、費用100万円を上限に区が直接片付け等を行う支援。町会・自治会等のボランティア団体が協力する場合は、5万円を上限に謝礼金を支払う | 3つの条件をすべて満たす場合の支援。条例第11条は、支援の前に審議会の意見を聴くと定める |
| 代執行になったとき | 足立区条例第9条:行政代執行法の規定により区が行い、費用を義務者から徴収できる。京都市条例第12条第6項:代執行を受けた者は、行政代執行法に定める費用のほか、代執行後に要した費用を負担する | 命令に従わない場合の手続。命令の前に指導・勧告がある |
出典:環境省ほか「「ごみ屋敷」対策に関する取組事例」(令和7年8月29日)P.27・P.31、京都市「不良な生活環境(ごみ屋敷)の解消のために」と条例本文、足立区「足立区のごみ屋敷対策事業」と条例本文(いずれも2026年10月2日取得)。
同じ環境省の資料には、堆積物の撤去指導・支援につなげている事例の一つとして、社会福祉協議会が実施する不用品、廃棄物等の片付け費用給付制度が挙がっています。実施している団体名は資料から分かりません。
相談先は、足立区は環境部の生活環境保全課、京都市は各区役所・支所の地域力推進室です。ほかの市区町村は、環境担当課や福祉の窓口に、条例や支援があるかを確認してください。
業者に頼む前に|許可・見積もり・分割払い
廃棄物処理法第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないと定めています(事業者が自ら運搬する場合などは除く)。環境省は、ご家庭の廃棄物を回収するには「一般廃棄物収集運搬業の許可」または「市町村の委託」が必要としています。
国民生活センターは、不用品回収サービスの相談が2021年度に2,231件に上り、一般廃棄物処理業の無許可業者とのトラブルが目立つとしています。相談事例には、「軽トラックパック7,000円、2トントラックパック2万5,000円」の広告を見て依頼したところ、作業後に25万円を請求された例があります。見積もりを取るときのポイントとして、次の4つを挙げています。
- 市区町村のホームページ等から一般廃棄物処理業の許可業者を探す
- 追加料金の有無を確認する
- 作業内容、料金を明確に出してもらう
- キャンセル料を確認する
依頼後に無許可業者と分かった場合は、作業を断るようにとも案内しています。事前の見積もりと違う高額な料金を請求されたときは、その場での支払いを断り、消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談します。
堆積した物が廃棄物にあたるかは、環境省の資料によると、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思等を勘案して総合的に判断されます。2018年の国民生活センターの報告は、遺品整理の注意点として、残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくことも挙げています。
分割払いについては、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトとその利用規約に、記載が見つかりませんでした。支払い方法は、紹介された業者に見積もりの段階で確認してください。
遺品整理のコンシェルジュは、条件に合う業者3社を紹介するサービスです。公式サイトでは、一括見積もりの依頼は無料で、作業を頼む場合は各業者へのお支払いが発生するとされています。サービス一覧に「ゴミ屋敷片付け」と「特殊清掃」がありますが、申込フォームのサービス欄の選択肢は「遺品整理」「生前整理」「その他(残置物撤去等)」「その他(特殊清掃)」で、ゴミ屋敷の選択肢はありません。ゴミ屋敷の片付けに対応できるかと料金は、紹介された業者の見積もりで確認します。利用規約は、提携業者との契約の成否や履行、サービスの内容や質等を保証しないと定めています。
相続放棄を考えている場合の注意は、特殊清掃の費用は誰が払うの相続放棄の節で整理しています。残った家財の片付けの流れは空き家の片付けは誰に頼むで整理しています。
放置したとき|空家法と条例
空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)の「空家等」は、居住その他の使用がなされていないことが常態の建築物とその敷地です(第2条第1項)。住まいとして使われている家は、この定義にあたりません。市町村長ができる措置は次のとおりです。
| 対象 | 条文 | 原文の要点 |
|---|---|---|
| 管理不全空家等 | 第13条 | 放置すれば特定空家等になるおそれのある状態の空家等の所有者等に、必要な措置をとるよう指導できる。改善されなければ、修繕、立木竹の伐採などの具体的な措置を勧告できる |
| 特定空家等 | 第22条第1項・第2項 | 除却、修繕、立木竹の伐採などの措置をとるよう助言または指導できる。改善されなければ、相当の猶予期限を付けて勧告できる |
| 勧告に従わないとき | 第22条第3項・第9項 | 正当な理由なく措置をとらず、特に必要があるときは命令できる。命令した措置を履行しないときなどは、行政代執行法の定めに従い、自ら、または第三者にさせることができる |
出典:e-Gov 法令検索(空家等対策の推進に関する特別措置法、令和8年9月3日施行版。2026年10月2日取得)。
国土交通省のガイドラインは、特定空家等・管理不全空家等の判断の参考として「状態の例」を示し、例によらない場合も個別の事案に応じて判断するとしています。ごみ等に関する記載は次のとおりです。ごみがあれば直ちに該当する、という意味ではありません。
| 区分 | 特定空家等の例 | 管理不全空家等の例 |
|---|---|---|
| 害虫等の発生(別紙2) | 著しく多数の蚊、ねずみ等の害虫等の発生のおそれがあるほどの敷地等の常態的な水たまり、多量の腐敗したごみ等 | 清掃等がなされておらず、常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態 |
| 景観の悪化(別紙3) | 著しく散乱し、又は山積した敷地等のごみ等 | 清掃等がなされておらず、散乱し、又は山積したごみ等が敷地等に認められる状態 |
| 悪臭の発生(別紙4) | 敷地等の動物の糞尿等又は腐敗したごみ等による悪臭の発生 | 駆除、清掃等がなされておらず、常態的な動物の棲みつき又は多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態 |
出典:国土交通省「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」〔別紙2〕〔別紙3〕〔別紙4〕(2026年10月2日取得)。
ごみ屋敷に対応する条例がある市区町村では、空家法とは別に条例の手続があります。京都市の条例は、建築物とその敷地を対象に、市長が指導と勧告を行い(第11条)、勧告に従わなければ命令ができ(第12条)、命令に従わないときは氏名・住所などの公表と代執行ができると定めています。正当な理由なく命令に違反した人には5万円以下の過料です(第19条)。足立区の条例は、土地または建築物を所有し、占有し、または管理する人を対象に、指導・勧告(第6条)、命令(第7条)、公表(第8条)、代執行(第9条)を定めています。
管理不全空家等と特定空家等の違い、勧告を受けたときの固定資産税の住宅用地特例は、管理不全空家とは?特定空家との違いと、勧告で固定資産税の特例が外れる条件で整理しています。
よくある質問
ゴミ屋敷の片付け費用の相場はいくらですか?
ゴミ屋敷の片付けだけの料金を公表した公的な資料は、取得した範囲に見つかりませんでした。遺品整理のコンシェルジュの公式サイトには、遺品整理・生前整理・空き家片付けのご利用事例として、1K規模の遺品整理が税込50,000〜100,000円、4LDK規模の遺品整理が250,000〜350,000円、立ち会いなしの空き家片付けが100,000〜150,000円と載っています。ゴミ屋敷の事例ではありません。同サイトは「料金や作業内容は、間取りだけで決まるものではありません」と注意しています。国民生活センターが分析した遺品整理サービスの契約金額の平均は約42万円です。
一軒家・2LDK・ワンルームの費用はいくらですか?
取得した公式サイトの事例にあるのは、1K規模、4LDK規模、マンション、立ち会いなしの空き家片付け(間取りの記載なし)です。2LDK・2DK・ワンルーム・一軒家と明記した公表例は取得できなかったため、金額は書いていません。物量や処分内容で料金が変わるため、現地の見積もりで確かめます。
片付け費用を分割で払えますか?
遺品整理のコンシェルジュの公式サイトとその利用規約には、分割払い・ローン・後払いの記載が見つかりませんでした。支払い方法は、紹介された業者に見積もりの段階で確認してください。国民生活センターの2018年の分析では、遺品整理サービスの相談のうち支払い手段の9割以上が即時払い(現金等での一括払い)でした。
自治体は、ゴミ屋敷の片付けを手伝ってくれますか?
市区町村によります。環境省が令和6年度に1,741市区町村へ行った調査では、いわゆるごみ屋敷に対応する条例等を「制定済み」と答えたのは90市区町村で、措置として「支援」を規定していると答えたのは25市区町村でした。京都市は、解消のために費用を要する場合は原則として本人の負担としています。足立区は、所有者等が改善に同意し、費用負担が困難で、審議会が必要と認める場合に、費用100万円を上限に区が直接片付けを行う支援を定めています。お住まいの市区町村の制度は、環境担当課や福祉の窓口に確認してください。
片付けを頼む業者は、どんな許可が必要ですか?
廃棄物処理法第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないと定めています(事業者が自ら運搬する場合などは除く)。環境省は、ご家庭の廃棄物を回収するには「一般廃棄物収集運搬業の許可」または「市町村の委託」が必要としています。国民生活センターは、広告を大きく出している事業者が許可業者とは限らないとして、市町村のホームページや窓口で許可業者を探すよう勧めています。
片付けずに放置すると、どうなりますか?
人が住んでいない家(居住その他の使用がなされていないことが常態の建築物)は、空家法の空家等にあたります。ごみ等が山積した状態は、国交省のガイドラインの「状態の例」に挙がっており、市町村長は管理不全空家等には指導・勧告を、特定空家等には助言・指導・勧告・命令ができます。命令に従わないときは、行政代執行法に従い市町村長が自ら、または第三者に行わせることができます。ごみ屋敷に対応する条例がある市区町村では、条例に基づく指導・勧告・命令もあります。個別の判断は、市区町村の担当課に確認してください。
参考・出典
- e-Gov 法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法
- e-Gov 法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 国土交通省 管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)(PDF)
- 厚生労働省 「ごみ屋敷」対策について(環境省・厚生労働省・消防庁・国土交通省「「ごみ屋敷」対策に関する取組事例」)
- 環境省 いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!
- 京都市 不良な生活環境(ごみ屋敷)の解消のために
- 足立区 足立区のごみ屋敷対策事業
- 国民生活センター 不用品回収サービスのトラブル
- 国民生活センター こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル
- 遺品整理のコンシェルジュ 公式サイト
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案の法的な結論を示すものではありません。条例や支援の有無、空家法上の扱いは、お住まいの市区町村の担当課や弁護士などの専門家にご確認ください。