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雨漏り・シロアリ・傾きのある家は売れる?|売主が伝えること・直してから売るか・そのまま売るか・買取
雨漏り・シロアリ・傾きのある家が売れるか、いくらになるかを示す公的な資料は、このページで引いた中にありません。原文で決まっているのは、売ったあとに買主が何を請求できるかと、売主が何を伝えるかです。民法572条は、責任を負わない特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実の責任は免れないと定めています。買取会社のラクウルは、公式サイトのよくある質問で「雨漏りやシロアリがいるのですが大丈夫ですか?」に「はい、問題ありません。」と答え、買取では売却後の契約不適合責任は免除と案内しています。修理費と売却価格の相場は、根拠になる資料がないため書きません。
| 症状 | 売主が伝えること(原文) | 詳しく |
|---|---|---|
| 雨漏り | 雨漏りの有無と修理の履歴。国土交通省の告知書の記載例に「雨漏り」の字はなく、「増改築及び修繕の履歴」がある | 雨漏りは火災保険の対象? |
| シロアリ | 被害の有無と駆除の履歴。記載例に「シロアリ」の字はなく、近い項目は「腐食等の存否又は可能性の有無」 | 空き家のシロアリ |
| 傾き | 「建物の傾き、腐食等の存否又は可能性の有無」が、国土交通省の告知書の記載例にそのまま載っている | 契約不適合責任の免責特約 |
出典は国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日施行版)。2026年10月3日取得。
売ったあとの責任と、伝えることの条文
売った家が、契約の内容に合っていなかったとき、買主が売主に求められることは民法に書かれています。雨漏り・シロアリ・傾きは、契約の内容に合わない点にあたりえます。
- 562条:目的物の修補などによる追完を請求できる
- 563条:追完がないとき、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる
- 564条:損害賠償の請求と契約の解除も妨げられない
- 566条:買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、これらを請求できなくなる。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重大な過失で知らなかったときは別
- 572条:責任を負わない旨の特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実の責任は免れない
この5つの条文から言えるのは、知っている雨漏り・シロアリ・傾きは、特約があっても黙っていれば責任が残るということです。契約前に買主へ伝えておくのが、条文から読める基本です。免責特約を付けられる場合と付けられない場合、不動産会社が売主のときの違いは契約不適合責任の免責特約とはに原文でまとめています。
告知書と建物状況調査で、伝えることを形にする
告知書:国土交通省の考え方
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、建物の過去の履歴や性状など、売主しか分からない事項について、売主から協力を得られるときは告知書を提出してもらい、買主に渡すことが望ましいとしています。記載事項は、売主が知り得る範囲で書いてもらうとされています。建物関係の記載例は次のとおりです。
- 新築時の設計図書等
- 増改築及び修繕の履歴
- 石綿の使用の有無の調査の存否
- 耐震診断の有無
- 住宅性能評価等の状況
- 建物の傾き、腐食等の存否又は可能性の有無
- 過去の所有者と利用状況
買主に渡すときは、その告知書が売主の責任の下に作成されたものであることを明らかにするよう求められています。
建物状況調査(インスペクション):宅建業法の定め
不動産会社に仲介を頼むときは、次の3つが関わります。
- 媒介契約(34条の2第1項4号):既存の建物なら、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項が、契約書面の記載事項になる
- 重要事項説明(35条1項6号の2イ):建物状況調査を実施しているかどうかと、実施している場合はその結果の概要を、買主に説明する
- 契約後の書面(37条1項2号の2):建物の構造耐力上主要な部分等の状況について、当事者の双方が確認した事項を記載する
説明の対象は「実施しているかどうか」と、実施している場合の結果です。調査を受けること自体を、売却の条件とする書き方ではありません。
調査の対象部位は、宅建業法施行規則15条の7が定めています。
- 構造耐力上主要な部分:住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材
- 雨水の浸入を防止する部分:屋根、外壁、これらの開口部に設ける戸・わく・建具、屋根や外壁の内部または屋内にある排水管
調査を行う者は、建築士で、国土交通大臣が定める講習を修了した者です(同規則15条の8)。調査の費用は、国土交通省の資料に金額がないため書きません。
確認される症状の例(国土交通省のガイドライン)
国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(平成25年6月)は、目視を中心とする現況検査で確認する劣化事象等として、次を挙げています。
- 蟻害(シロアリなどの被害)・腐朽・腐食(木造は蟻害・腐朽が、小屋組、柱・梁、床、土台・床組等で生じている状態)
- 傾斜(床、壁、柱に6/1,000以上の傾斜が生じている状態。鉄筋コンクリート造その他これに類する構造を除く)
- 雨漏り(雨漏り又は水漏れが生じている状態。雨漏り・漏水跡を確認)
ここに挙がっているのは、国が示した検査の項目です。実際にどの程度の症状が出ているかは、現地を見た調査者の判断になります。
直してから売る・そのまま売る・買取の違い
表の内容は、前の節までの原文と、買取会社の公式サイトに書かれていることだけです。どれが手取りで有利かは、原文から言えません。
| 選び方 | 原文から言えること | 注意点 |
|---|---|---|
| 直してから売る | 修繕の履歴は、国土交通省の告知書の記載例(増改築及び修繕の履歴)に入っている | 修理や駆除の費用が売却価格にどう反映されるかを示す公的な資料はない。雨漏りの修理に火災保険が使えるかはこちら、駆除の頼み先はこちら |
| そのまま仲介で売る | 知っている不具合は、民法572条のとおり特約があっても責任が残る。建物状況調査を受けていれば、結果の概要が重要事項説明の対象になる | 買主から請求される内容は民法562〜564条。免責特約の扱いは免責特約のページ |
| 買取会社に売る | ラクウルの公式サイトは、雨漏りやシロアリがいる物件でも「問題ありません」とし、買取では売却後の契約不適合責任は免除と案内している | 買取の可否と金額は物件ごとの査定で決まる。契約書の条項は契約前に読んで確かめる |
古い家全般の売り方(築年数・耐震・3,000万円控除)は築50年・旧耐震の古い家は売れる?にまとめています。仲介で売った場合の手取りと買取の査定額を並べる方法は空き家買取業者の選び方と不動産の売却価格査定の仕組みにあります。
買取なら:公式サイトの原文
訳アリ物件の買取を専門にするラクウルの公式サイトには、次の記載があります(2026年10月3日に確認)。
- よくある質問「雨漏りやシロアリがいるのですが大丈夫ですか?」→「はい、問題ありません。自社でリフォーム事業や駆除手配を行っておりますので全く問題ありません。」
- よくある質問「他社に断られた物件でも大丈夫ですか?」→「はい、問題ありません。」
- 買取の流れのページ「仲介と買取の違い」:売却後の契約不適合責任は、一般的な仲介が「原則として売主が負う」、ラクウルの買取が「免除」。「自社買取のため、売却後に契約不適合責任を問われる心配はありません。」
- 買取事例:シロアリの被害がある築古戸建て(長崎県)、雨漏りの影響などで状態が非常に厳しい築古戸建て(神奈川県)
長崎県のシロアリ被害の事例には、売主の感想として「正直に言うと期待していた好条件での契約ではありませんでしたが」という一文があり、そのうえで「実家を管理する負担がなくなり」とあります。感想は個人のもので、買取の金額を示すものではありません。
傾きについては、公式サイトのよくある質問に専用の質問はありません。訳アリ不動産とは何かの説明には、例のひとつに「そのまま使える状態ではない」が挙がっています。査定は無料(一部、対象外あり)とされているため、傾きの状態を伝えたうえで査定額を聞くことになります。
注意点が2つあります。ひとつは、よくある質問の「問題ありません」は、買取の可否と金額を決めるものではないことです。もうひとつは、契約不適合責任の免除は公式サイトの案内であり、実際の契約書にどう書かれるかは契約前に確かめる必要があることです。売主が個人で買主が不動産会社の買取は、宅建業法40条の対象外で、契約で免除とする例があります(免責特約のページ)。
よくある質問
雨漏りのする家は売れますか?
売れるか・いくらになるかを示す公的な資料は、このページで引いた中にありません。物件ごとの査定で決まります。条文で決まっているのは、売ったあとの責任(民法562条以下)と、知っていることを伝える側の話です。買取会社ラクウルの公式サイトのよくある質問は、「雨漏りやシロアリがいるのですが大丈夫ですか?」に「はい、問題ありません。」と答えています(2026年10月3日に確認)。
シロアリの被害を知っていて、買主に伝えずに売るとどうなりますか?
民法572条は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れないと定めています。民法566条も、買主が不適合を知った時から1年以内に通知しないと請求できなくなる期間の制限について、売主が引渡しの時にその不適合を知っていたときは適用しないとしています。個別の事案での結論は条文だけでは決まらないため、売る前に不動産会社や弁護士に相談してください。
家が傾いている場合、告知書に書く必要がありますか?
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、売主しか分からない事項について、告知書を提出してもらい買主に渡すことが望ましいとしています。建物関係の記載例には「建物の傾き、腐食等の存否又は可能性の有無」が入っています。告知書の提出そのものを義務とする書き方ではありませんが、知っていて告げなかった事実は、前の質問のとおり民法572条の責任の対象です。
売る前に建物状況調査(インスペクション)を受ける必要はありますか?
受けることは売却の条件にされていません。宅地建物取引業法35条1項6号の2は、既存の建物について、建物状況調査を実施しているかどうか、実施している場合はその結果の概要を重要事項として説明するよう定めています。調査の対象は、基礎・壁・柱・土台・屋根・外壁・開口部の建具など、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分です(宅建業法施行規則15条の7)。
買取会社に売るなら、雨漏りやシロアリは問題になりませんか?
ラクウルの公式サイトのよくある質問は、雨漏りやシロアリがいる物件について「はい、問題ありません。」と答え、自社でリフォーム事業や駆除手配を行っているためとしています。買取の可否と金額は物件ごとの査定で決まります。傾きについての質問は、公式サイトのよくある質問にありません。
参考・出典
- e-Gov法令検索 民法(第562条〜第564条・第566条・第572条)
- e-Gov法令検索 宅地建物取引業法(第34条の2・第35条・第37条)
- e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行規則(第15条の7・第15条の8)
- 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第37条第1項第2号の2関係、告知書の提出について)
- 国土交通省 既存住宅状況調査技術者講習制度について(宅建業法における建物状況調査)
- 国土交通省 既存住宅インスペクション・ガイドライン(平成25年6月)
- 訳アリ物件買取ラクウル 公式サイト よくある質問
- 訳アリ物件買取ラクウル 買取の流れ(仲介と買取の違い)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の売買で責任がどうなるかは、媒介を頼む不動産会社や弁護士にご相談ください。