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相続した家を売るときの必要書類は?売主が出す書類・相続登記に要る書類との違い・法定相続情報一覧図・権利証が見つからないとき・決済の本人確認
売買の登記で売主が出す書類は、法務局の記載例の添付情報から、登記識別情報(又は登記済証=権利証)・印鑑証明書(作成後3か月以内)・登記原因証明情報(売買契約書など)・代理人に頼むときの委任状です。住民票(住所証明情報)は買主のもので、売主の欄には出てきません。戸籍が要るのは、売る前に済ませる相続登記のほうで、法定相続情報一覧図があれば、相続登記で戸籍の束の代わりに使えます。権利証が見つからないときは、提供できない正当な理由があれば、事前通知などの別の扱いがあります(不動産登記法22条・23条)。
| 問い | 原典の答え | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 売主が出す書類 | 登記識別情報(権利証)、印鑑証明書、登記原因証明情報、委任状。住民票は買主のもの | 名義が相続人になっているか |
| 相続登記に要る書類 | 戸籍の証明書、相続人の住民票、固定資産課税明細書の価格など | 遺産分割の形 |
| 戸籍の束を代えられるか | 法定相続情報一覧図の写し。相続登記では番号の記載でもよい | 提出先が一覧図で足りるか |
| 権利証が見つからない | 提供できない正当な理由があれば別の扱い(22条・23条) | 司法書士に頼む範囲 |
e-Gov法令検索 不動産登記法・同令・同規則、法務局「所有権移転登記申請書(売買)」記載例、「登記手続ハンドブック」、「法定相続情報証明制度」(2026年10月3日取得)。条文に書かれていない書類や費用は載せていません。
自分はどの場合に当てはまるか
- 名義がまだ亡くなった親のまま:先に相続登記が要る理由は、亡くなった親の名義のまま家を売るページにあります。
- 売る手順の全体が知りたい:相続不動産の売却の流れのページにあります。
- 戸籍の集め方が知りたい:相続の戸籍の集め方のページにあります。
- 法定相続情報一覧図の取り方が知りたい:法定相続情報一覧図の取り方のページにあります。
- 遺産分割協議書の書類が知りたい:遺産分割協議書のページにあります。
- 売った後の確定申告の書類が知りたい:相続した不動産を売却した年の確定申告のページにあります。
売買の登記で、売主はどの書類を出すのか
売主は、売買の登記の登記義務者です(不動産登記法60条)。法務局の売買の記載例に出てくる売主側の書類は、次のとおりです。
| 書類 | 書かれていること | 注意 |
|---|---|---|
| 登記識別情報(又は登記済証) | 共同申請では、登記義務者の登記識別情報を提供する(22条)。登記済証(権利証)を出したときは、識別情報が提供されたものとみなす(附則7条) | 登記済証は完了後に返却される |
| 印鑑証明書 | 申請書に記名押印した者のもの。作成後3か月以内(令16条2項・3項) | 委任状に押印するときも同じ(令18条) |
| 登記原因証明情報 | 売買契約書など、登記の原因になった事実を証する情報(61条) | 代金の支払時に移る特約があれば領収証等も |
| 委任状 | 代理人に申請を頼むときの、代理人の権限を証する情報(令7条1項2号) | 記載例は実印を押す |
出典:e-Gov法令検索 不動産登記法21条・22条・60条・61条・附則7条、不動産登記令7条・16条・18条、法務局「所有権移転登記申請書(売買)」記載例(令和8年10月5日以降に申請する場合・令和8年9月11日更新)。
- 住民票:売買の記載例の住所証明情報(住民票の写し)は、買主のものです。不動産登記令の別表30項も、所有権の移転の登記では、登記名義人となる者の住所を証する情報としています。
- 売主の住所・氏名:登記記録と一致している必要があり、一致しないときは、事前に住所・氏名の変更登記が必要と、記載例の注にあります。
- 相続した家の識別情報:条文は、登記義務者の登記識別情報と書いています。相続人が名義人になる相続登記を完了したときは、登記官が原則として登記識別情報を通知します(21条)。亡くなった親の権利証で売れると書いた条文は、取得した原典にありませんでした。
- 令和8年10月5日以降の申請:記載例に、買主の国籍等を証す情報が加わりました。売主の書類の注は、令和7年版と同じです。
売る前の相続登記に要る書類は、何が違うのか
名義を相続人にする相続登記は、売る前の別の申請です。法務局のハンドブック(相続登記②/法定相続編、令和8年4月)に出てくる書類は、売買の売主の書類とは別のものです。
| 書類 | 要る場面 | 売買の売主との違い |
|---|---|---|
| 戸籍の証明書 | 被相続人の出生から死亡まで、と相続人全員のもの | 売買の添付情報には出ない |
| 住民票の除票等 | 登記上の住所が戸籍の本籍と異なるとき(住民票・除票・戸籍の附票のいずれか) | 相続登記の側だけ |
| 相続人の住民票 | 名義人になる相続人の住所証明(マイナンバー記載なし) | 売買では買主のもの |
| 固定資産課税明細書の価格 | 登録免許税の課税価格を書くとき | 売買の登記でも使う |
出典:法務局「登記手続ハンドブック」相続登記②(法定相続編)令和8年4月、不動産登記令別表30項。遺産分割をしたときの書類は遺産分割協議書のページ、書き方は相続登記を自分でやるページにあります。
相続登記の期限と、名義が親のままのときに売れるかは、亡くなった親の名義のまま家を売るページにあります。相続登記の手続は、相続登記を自分でやる方法のページにあります。
法定相続情報一覧図で、戸籍の束を代えられる場面はどこか
法務局の「法定相続情報証明制度」のページは、一覧図の写しを、戸除籍謄本等の束の代わりに相続登記に使えると書いています。
- 写しの交付:一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合致していることを登記官が確認し、認証文を付した写しを無料で交付します。
- 相続登記での使い方:ハンドブックによると、一覧図の写しを提出するか、法定相続情報番号を申請書に書くことで、戸籍の証明書の添付に代えられます。番号は、令和6年4月1日から、写しの添付を省略する方法として使えるようになりました。
- 使えない場面:法務局のページに、不動産登記以外の手続では法定相続情報番号は使えない、とあります。一覧図の写しを使える他の手続は、提出先の機関に問い合わせるよう書かれています。
- 書かれていないこと:売る相手の買主や不動産会社が、戸籍や一覧図を求めるかは、取得した原典にありませんでした。
取り方は、法定相続情報一覧図の取り方のページにあります。
固定資産税の評価証明書は、必ず取るのか
売る前の相続登記も、売買の登記も、登録免許税の課税価格を申請書に書きます。この価格について、法務局の案内と法律は次のとおりです。
- 課税価格:固定資産課税台帳の価格があるときは、その価格です。毎年、市区町村から届く固定資産課税明細書の「価格」または「評価額」で、「固定資産税課税標準額」ではありません。
- 明細書がないとき:紛失等で確認できないときは、市区町村が発行する課税証明書等で確認できる、と法務局のハンドブックにあります。
- 法律の書き方:登録免許税法の附則7条は、不動産登記の課税標準を、当分の間、固定資産課税台帳に登録された価格を基礎とする政令の価額によることができる、としています。
- 書かれていないこと:「評価証明書」という名前の書類が必ず要る、と書いた原典は、取得した範囲にありませんでした。税率や額は、この記事では扱いません。
権利証が見つからないときは、どうなるのか
売買の登記で売主は、登記識別情報(又は登記済証)を提供します(22条)。提供できないときの扱いは、条文と記載例で次のとおりです。
| 場面 | 書かれていること | 出典 |
|---|---|---|
| 提供できない正当な理由がある | 提供しなくてよい。記載例は理由のチェック欄に、不通知・失効・失念・管理支障・取引円滑障害・その他を挙げる | 22条ただし書、記載例の注 |
| 通常の扱い | 登記官が登記義務者に事前通知。期間内に申出がない限り登記できない | 23条1項 |
| 司法書士等が本人確認の情報を出した | 登記官が相当と認めるときは、事前通知を適用しない | 23条4項1号 |
| 公証人の認証がある | 申請情報等に認証がされ、登記官が相当と認めるときは、事前通知を適用しない | 23条4項2号 |
出典:e-Gov法令検索 不動産登記法22条・23条(施行日2026年6月24日、2026年10月3日取得)、法務局「所有権移転登記申請書(売買)」記載例の注。
- 再発行:登記識別情報や権利証の再発行の可否を書いた原典は、取得した範囲にありませんでした。
- ラクウルのよくある質問:「権利証や関係書類を紛失していても大丈夫ですか?」に、「はい、大丈夫です」とあります。この回答は一言で、登記の手続をどう進めるかは書かれていません。
決済で、司法書士はどんな本人確認をするのか
決済の場で登記を頼む司法書士の本人確認は、二つの条文に分かれます。
- 取引時確認:犯罪による収益の移転防止に関する法律は、司法書士を特定事業者とし(2条2項46号)、宅地又は建物の売買に関する行為や手続の代理・代行を内容とする契約などのとき、氏名・住居・生年月日、取引を行う目的、職業を確認するとしています(4条1項と別表)。確認の方法は主務省令で、この記事では扱いません。
- 権利証がないときの本人確認情報:不動産登記規則72条は、司法書士などが登記官に出す本人確認情報に、申請人と面談した日時・場所・状況を書くことを求めています。面識がないときは、提示を受けた書類の内容と、申請の権限を有する登記名義人と認めた理由も書きます。
- 提示を受ける書類の例:規則72条2項は、運転免許証、個人番号カード、旅券等、在留カード、特別永住者証明書、運転経歴証明書のうち一つ以上、または健康保険の資格確認書、介護保険の被保険者証などのうち二つ以上(一つ以上と官公庁発行の書類の組み合わせも可)、と定めています。有効なものに限ります。
- 書かれていないこと:決済当日に、不動産会社や司法書士が求める書類の一覧は、取得した原典にありませんでした。依頼する司法書士に前もって確かめます。
書類の相談ができる買取の窓口はあるのか
仲介で買主を探す方法のほかに、業者が直接買い取る方法があります。相続人が相談できる窓口として、ラクウル(相続不動産の買取)の公式サイトの記載は次のとおりです。
- 最初の一歩:よくある質問の「相続した実家を売却するために、まず何をしたらいいですか?」に、「相続はケースによって適切な対応が異なりますので、まずは一度お気軽にご連絡ください」とあります。
- 査定:「査定に立ち会う必要はありますか?」に、「その必要はありません」とあり、手間をおかけしない形で売却のお手伝いをする、と続きます。買取の流れには、お問い合わせ、現地調査・査定、ご契約、決済と引き渡しの順が載っています。
- 相談の範囲:「相続前でも相談できますか?」に「はい、お気軽にご相談ください」、相談費用は完全無料と書かれています。弁護士・税理士・司法書士等の士業の方と提携している、とも書かれています。
- 書かれていないこと:どの書類を用意するか、書類の取得や登記の手続を代行するか、書類を紛失したときに何をするかは、公式サイトにありません。相談で確かめることになります。
買取は、買主を探す期間がない代わりに、買取の査定額が仲介で売れる金額と同じとは限りません。
よくある質問
相続した家を売るのに、戸籍謄本は要りますか?
法務局の売買の記載例の添付情報は、登記識別情報(又は登記済証)、登記原因証明情報、代理権限証明情報、印鑑証明書、住所証明情報で、戸籍は出てきません。戸籍の証明書が要るのは、相続登記のほうです。法務局のハンドブック(相続登記②/法定相続編)は、被相続人の出生から死亡までの戸籍の証明書と、相続人全員の戸籍の証明書を挙げています。買主や不動産会社が別に戸籍を求めるかは、取得した原典にありませんでした。
売るとき、売主の住民票は要りますか?
法務局の売買の記載例では、住所証明情報(住民票の写し)は買主のものです(不動産登記令別表30項も、登記名義人となる者の住所を証する情報)。売主の住民票は、売買の登記の添付情報に出てきません。ただし、売主の住所や氏名が登記記録と一致しないときは、事前に住所・氏名の変更登記が必要と、記載例の注にあります。相続登記で名義人になる相続人の住民票は、相続登記の側で要ります。
印鑑証明書は、いつ取ったものが使えますか?
不動産登記令16条3項と18条3項は、印鑑に関する証明書を、作成後3か月以内のものとしています。法務局の売買の記載例も、売主の印鑑証明書は3か月以内に作成されたものを添付する、としています。法務省令で定める場合は添付が不要になる例外があります。
法定相続情報一覧図があれば、戸籍は要りませんか?
法務局のハンドブックと法定相続情報証明制度のページは、法定相続情報一覧図の写しを提出するか、法定相続情報番号を申請書に書けば、相続登記で戸籍の証明書の添付に代えられると書いています。売る相手の買主や不動産会社、金融機関などが一覧図で足りるかは、提出先に確かめるよう、法務局のページにあります。
固定資産税の評価証明書は、取りに行く必要がありますか?
法務局のハンドブックと登録免許税の計算の案内は、課税価格を、毎年市区町村から届く固定資産課税明細書の「価格」または「評価額」で書くとしています。明細書をなくしたときは、市区町村が発行する課税証明書等で確認できる、とも書かれています。「評価証明書」という名前の書類が必須だと書いた原典は、取得した範囲にありませんでした。
権利証をなくしました。再発行できますか?
再発行の可否を書いた原典は、取得した範囲にありませんでした。不動産登記法22条ただし書は、登記識別情報を提供できないことに正当な理由があるときは、提供しなくてよいとしています。その場合、23条1項により登記官が登記義務者に事前通知をしますが、同条4項1号は、登記の申請を業とすることができる代理人が本人確認の情報を提供し、登記官が相当と認めたときは、事前通知を適用しないとしています。具体的な進め方は、司法書士にご相談ください。
売った後の確定申告には、どんな書類が要りますか?
売却後の確定申告の書類は、確定申告の記事に、取得費や譲渡費用の書類、特例の添付書類とあわせて整理しています。この記事は、売る前の登記の書類に絞っています。
ラクウルに、書類のことも相談できますか?
ラクウルの公式サイトのよくある質問に、「相続した実家を売却するために、まず何をしたらいいですか?」とあり、「相続はケースによって適切な対応が異なりますので、まずは一度お気軽にご連絡ください」と答えています。「権利証や関係書類を紛失していても大丈夫ですか?」には「はい、大丈夫です」とだけあります。どの書類を用意するか、書類の取得や登記の手続を代行するかは、公式サイトに書かれていません。相談で確かめてください。
参考・出典
- e-Gov法令検索 不動産登記法(第21条・第22条・第23条・第60条・第61条・附則第7条)
- e-Gov法令検索 不動産登記令(第7条・第16条・第18条・別表)
- e-Gov法令検索 不動産登記規則(第72条)
- e-Gov法令検索 登録免許税法(附則第7条)
- e-Gov法令検索 犯罪による収益の移転防止に関する法律(第2条・第4条・別表)
- 法務局 不動産登記の申請書様式について(所有権移転登記申請書/売買の記載例)
- 法務局 登記手続ハンドブック 相続登記②(法定相続編)令和8年4月
- 法務局 登録免許税の計算
- 法務局 「法定相続情報証明制度」について
- ラクウル(相続不動産の買取)公式サイト
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案について、登記の申請に必要な書類や手続を保証するものではありません。具体的な事案は、司法書士・弁護士にご相談ください。