片付け・遺品整理 読了時間:約8分

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残置物撤去の費用|公表されている費用例・譲渡費用になるか・見積書で確かめること・賃貸で請求されたら

残置物の撤去だけの費用を一つの金額で示した公的な資料は、取得した範囲に見つかりませんでした。公表されている数字は、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトの事例(1K規模の遺品整理で税込5〜10万円、4LDK規模で25〜35万円)、国民生活センターが分析した遺品整理サービスの契約金額の平均(約42万円)、賃貸住宅の孤独死保険の遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額(294,131円)などで、いずれも残置物の撤去に限った相場ではありません。売るために撤去した費用が譲渡費用になるかは、国税庁のタックスアンサーNo.3255に残置物の記載がなく、このページでは判断しません。

このページは、相続した家の残置物の撤去を業者に頼みたい方向けです。ページ内で紹介する遺品整理のコンシェルジュの申込フォームには、サービスの選択肢に「その他(残置物撤去等)」があります。公式サイトが示す対応エリアは、関東の7都県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・群馬・栃木)、関西の6府県(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)、静岡県と、北海道の一部の市町村です。東京都と大阪府は、このエリアに入っています。

公表されている費用の例

残置物の撤去だけの料金を載せた公的な資料は、取得した範囲にありませんでした。相場として一つの金額にまとめることはせず、公表されている例を原文のまま並べます。

次の表は、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトが掲載しているご利用事例の費用目安のうち、片付けの事例です。事例の題は「残置物撤去」ではなく、遺品整理と空き家片付けです。

事例費用目安(税込)作業人数・時間
短期間の遺品整理(1K規模)50,000〜100,000円2名・1日間
物量多めの遺品整理(4LDK規模)250,000〜350,000円10名・3日間
立ち会いなしの空き家片付け100,000〜150,000円5名・1日半

出典:遺品整理のコンシェルジュ公式サイトのご利用事例(2026年10月2日取得)。ほかにマンションの生前整理の事例が1件あります。同サイトは「料金や作業内容は、間取りだけで決まるものではありません」と注意しています。

1K規模の事例には「物量や処分内容によって料金は大きく変動します」と書かれています。3LDK・一軒家・戸建て別の金額は、取得した範囲に公表されたものが見つかりませんでした。

次の表は、公的機関と業界団体が公表している数字です。

項目公表されている数字出典・対象
遺品整理サービスの契約金額の平均約42万円(実際に支払った金額の平均は約30万円)国民生活センター2018年。消費生活センター等に寄せられた相談522件の分析
賃貸住宅で孤独死が発生した場合の遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額294,131円(最大4,253,473円・最小1,080円)日本少額短期保険協会 第10回孤独死現状レポート。孤独死保険の支払データ、異常値を除く

出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)報告書P.6、日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第10回 孤独死現状レポート」(2025年12月)P.17(いずれも2026年10月2日取得)。

国民生活センターの数字は、トラブルの相談として登録された事例の平均で、依頼全体の平均ではありません。支払い手段の9割以上は即時払い(現金等での一括払い)でした。日本少額短期保険協会の数字は、2015年4月から2025年3月までの賃貸住宅の保険金支払データで、持ち家を相続した場合とは条件が異なります。どちらも残置物の撤去に限った数字ではありません。

遺品整理のコンシェルジュは、公式サイトで、一括見積もりの依頼は無料で、作業を頼む場合は各業者へのお支払いが発生するとしています。見積もり段階であればいつでもキャンセルでき、正式な契約を結んだ後のキャンセルには、各業者の規約により手数料が発生する場合があるとされています。

見積書で確かめること

国民生活センターは、遺品整理サービス(2018年)と不用品回収サービス(2022年)について、相談事例と消費者への助言を公表しています。どちらも残置物の撤去に限った資料ではありませんが、家の中の物を業者に運び出してもらう点は同じです。見積もりの段階で確かめる点は、原文では次のとおりです。

確かめる点原文の要点出典
見積もりの数最低限、必ず複数の事業者から見積もりを取り、料金と契約内容を比較する2018年・2022年
見積もりの料金見積もりに出張料や見積料がかかるかを、事業者を呼ぶ前に確認する2018年
作業内容と費用どの作業にどのくらいの費用がかかるか、当日の作業によっては追加料金がかかる契約なのかを、明確に出してもらう2018年・2022年
安さだけで決めない見積金額が他より低いことだけを理由にすぐに契約せず、サービス内容と料金が要望と合っているかを検討する2018年
キャンセル料キャンセル料の発生時期と金額を、契約の際にあらかじめ確認する2018年・2022年
残す物残しておきたい物は、作業する部屋からあらかじめ運び出す。難しければ、残す物と処分する物を分けて、作業員が分かるように印をつける2018年(遺品整理についての助言)

出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)、「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)(いずれも2026年10月2日取得)。

2018年の資料には、見積金額が141,000円で、内訳がスタッフ4人の人件費76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代4万円だった事例が載っています。この相談者は、作業当日に事業者から請求された金額が32万円になったと申し出ています。「廃棄する荷物が多ければ追加費用が発生するという説明は聞いていない。見積書にもその記載はなく、契約書もない」と述べています。国民生活センターは、追加料金が発生する場合があることについて、消費者と事業者の間に認識の違いがあることが大きな要因と思われると分析しています。

2022年の資料は、作業前に見積もりの料金や作業内容からの変更を提案されて納得できない場合は、作業前にきっぱりと断るよう案内しています。トラブルになったときは、消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活センター等に相談できます。

業者の許可

廃棄物処理法第7条第1項は、一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者は、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならないと定めています(事業者が自ら運搬する場合などは除く)。環境省は、ご家庭の廃棄物を回収するには「一般廃棄物収集運搬業の許可」または「市町村の委託」が必要としています。

国民生活センターは、2018年の資料で、家庭での遺品整理により捨てることとしたごみは一般廃棄物に該当し、市町村から委託を受けた事業者か、一般廃棄物処理業の許可を受けた事業者でなければ運搬や処分はできない(産業廃棄物処理業や古物商の許可では不可)としています。残置物が同じ扱いになるかは、取得した原文に記載がありません。2022年の資料は、依頼後に一般廃棄物処理業の無許可業者と分かった場合は、作業を断るよう案内しています。

遺品整理のコンシェルジュは、条件に合う業者3社を紹介するサービスです。公式サイト・利用規約・運営会社のページには、紹介する業者の許可についての記載が見つかりませんでした。許可の有無は、紹介された業者に見積もりの段階で直接確認してください。

売るための撤去費用は譲渡費用になるか

相続した家を売ったときの譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。国税庁のタックスアンサーNo.3255「譲渡費用となるもの」(令和8年4月1日現在法令等)の記載は次のとおりです。

区分原文の要点出典
譲渡費用とは土地や建物を売るために直接かかった費用No.3255
主な譲渡費用の例仲介手数料、売主が負担した印紙税、借家人に明け渡してもらうための立退料、土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額、違約金、名義書換料などNo.3255
譲渡費用にならないもの修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売った代金の取立てのための費用などNo.3255
残置物の撤去費用原文に記載なし。譲渡費用に当たるとも、当たらないとも書かれていない―

出典:国税庁 タックスアンサー No.3255「譲渡費用となるもの」(2026年10月2日取得)。

国税庁の質疑応答事例(譲渡所得)の「譲渡費用」の項目5件の題にも、残置物や家財の撤去を扱うものは見つかりませんでした。建物の取壊し費用は例に挙がっていますが、残置物の撤去がそれと同じ扱いになるのか、維持や管理のための費用にあたるのかは、原文から分かりません。売却の確定申告で費用に入れるかどうかは、税務署の相談窓口や税理士に確認してください。

残置物を撤去してから売るか、残したまま売るかは、残置物が残った家は片付けずに売れる?売主の責任と買取の選び方で整理しています。

賃貸住宅で撤去費用を請求されたとき

亡くなった親が借りていた賃貸の部屋に物が残り、貸主や管理会社から撤去費用を請求されることがあります。民法621条は、賃借人は賃借物を受け取った後に生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた損耗と、経年変化を除く)がある場合に、賃貸借が終了したときはその損傷を原状に復する義務を負うと定めています。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるときは、この限りではありません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版、平成23年8月)は、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、損耗等の費用の負担を次のように整理しています。

区分ガイドラインの分類費用を負担する側
①-A建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)賃貸人
①-B賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)賃貸人
②賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等賃借人

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」第1章(2026年10月2日取得)。特約がある場合はその内容によります。

ただし、この173ページのガイドラインに「残置」の語は見つからず、賃借人が亡くなった後の残置物の撤去費用を誰が負担するかを述べた記載もありませんでした。民法622条の2第2項は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、賃貸人は敷金をその債務の弁済に充てることができると定めています。

賃貸借契約の特約、保証人の有無、敷金の扱いで結論が変わる可能性があります。請求を受けたときは、何の作業にいくらかかったかの内訳を出してもらい、弁護士などに内容を確認してから対応してください。

よくある質問

残置物撤去の費用の相場はいくらですか?

残置物の撤去だけの料金を公表した公的な資料は、取得した範囲に見つかりませんでした。公表されている数字は、遺品整理のコンシェルジュの公式サイトの事例(1K規模の遺品整理で税込50,000〜100,000円、4LDK規模の遺品整理で250,000〜350,000円、立ち会いなしの空き家片付けで100,000〜150,000円)、国民生活センターが分析した遺品整理サービスの契約金額の平均(約42万円)、賃貸住宅の孤独死保険の遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額(294,131円)などです。いずれも残置物の撤去に限った相場ではありません。

3LDKや一軒家(戸建て)の残置物撤去の費用はいくらですか?

3LDK・一軒家・戸建て別の金額を公表した資料は、取得した範囲に見つかりませんでした。遺品整理のコンシェルジュの公式サイトには4LDK規模の遺品整理(作業人数10名・3日間)で250,000〜350,000円の事例がありますが、同サイトは「料金や作業内容は、間取りだけで決まるものではありません」と注意しています。

売るために残置物を撤去した費用は、譲渡費用になりますか?

国税庁のタックスアンサーNo.3255は、譲渡費用を「土地や建物を売るために直接かかった費用」とし、例として仲介手数料、売主が負担した印紙税、立退料、売るために建物を取り壊したときの取壊し費用などを挙げています。修繕費や固定資産税など資産の維持や管理のための費用は譲渡費用にならないとしています。残置物の撤去費用が当たるかは、この原文に記載がなく、判断できません。税務署や税理士に確認してください。

業者の見積書では何を確かめればよいですか?

国民生活センターは、どの作業にどのくらいの費用がかかるか、当日の作業によっては追加料金がかかる契約なのかを、見積もりの段階で明確に出してもらうよう助言しています。あわせて、見積もりに出張料や見積料がかかるか、キャンセル料の発生時期と金額も確かめるとしています。見積金額が他より低いことだけを理由にすぐに契約しないことも挙げています。

亡くなった親が借りていた賃貸の部屋の残置物の撤去費用を請求されたら、払うのですか?

取得した民法621条と国土交通省の原状回復ガイドラインには、賃借人が亡くなった後の残置物の撤去費用を誰が負担するかを述べた記載は見つかりませんでした。賃貸借契約の特約、保証人の有無、敷金の扱いで変わる可能性があります。請求を受けたときは、何の作業にいくらかかったかの内訳を出してもらい、弁護士などに内容を確認してから対応してください。

東京や大阪でも頼めますか?

遺品整理のコンシェルジュの公式サイトが示す対応エリアには、東京都と大阪府が含まれています。エリアは関東の7都県、関西の6府県、静岡県と、北海道の一部の市町村で、市区町村ごとの対応可否は公式サイトに載っていません。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・契約の結論を示すものではありません。確定申告での扱いは税務署や税理士に、賃貸の請求や契約の内容は最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン188)や弁護士などの専門家にご確認ください。

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