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自己破産・個人再生をすると持ち家はどうなる?破産管財人の処分・家族名義や共同名義の家・破産前に売る前の注意・住宅資金特別条項・リースバック
自己破産では、手続の開始の時に持っている財産は破産財団になり、裁判所が選ぶ破産管財人が管理と処分をします。個人再生には、住宅ローンのある自宅を残すための住宅資金特別条項という定めがあります。破産の前に家を売ったり名義を変えたりすると、管財人が否認できる場合もあります。破産法・民事再生法の原文と裁判所の案内で整理します。運営者は法律の専門家ではないため、個別の判断は弁護士などに確かめてください。
| 知りたいこと | 原文の答え | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 自己破産で持ち家は | 開始の時に持つ一切の財産は破産財団になり、管理と処分は破産管財人に専属する(破産法34条1項・78条1項) | 弁護士・申立先の裁判所 |
| 破産前に売る・名義を変える | 債権者を害する行為などは、破産管財人が否認できる場合がある(破産法160条〜162条) | 弁護士(売る前に) |
| 個人再生で持ち家は | 住宅ローンの債権について、住宅資金特別条項を再生計画に定められる場合がある(民事再生法198条1項) | 弁護士・申立先の裁判所 |
破産法・民事再生法(e-Gov法令検索、施行日2026年5月21日の版)と、裁判所の手続案内。
自分はどの場合に当てはまるか
- 手続はまだ決めていない・家を売ることも考えている:このページを節2から読んでください。
- ローンが家の価値を上回っている:オーバーローンの家のページに、任意売却と競売の違いがあります。
- 税金の滞納で家が差し押さえられた:差押えを受けた不動産のページにあります。
- 共有名義の持分だけを売りたい:共有持分の売却のページにあります。
- 売って借りて、住み続けたい:リースバックのページにあります。節6はこのページに関わる点だけです。
- 訳アリの家の買取業者を比べたい:訳アリ物件の買取のページにあります。
自己破産をすると、持ち家はどうなるのか
破産法34条1項は、破産者が破産手続開始の時に持っている一切の財産を破産財団と定めています。破産財団の管理と処分をする権利は、裁判所が選んだ破産管財人にだけあります(78条1項)。裁判所の案内も、管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続だと説明しています。
| 場面 | 原文の定め | 条文 |
|---|---|---|
| 手続が始まったあとの家 | 家は破産財団に入り、管理と処分は管財人に専属する。破産者が開始後に財団の財産についてした法律行為は、手続の関係では効力を主張できない | 34条1項・78条1項・47条1項 |
| 管財人が家を売る | 不動産の任意売却には裁判所の許可が要る。任意売却をしない場合は、民事執行法などの規定(競売)による | 78条2項1号・184条1項 |
| 抵当権の付いた家 | 抵当権者などの別除権は、破産手続によらずに行使できる | 65条1項 |
| 管財人を選ばない場合 | 破産財団で手続の費用を払えないと認めるときは、開始と同時に手続を廃止する | 216条1項 |
破産法(e-Gov法令検索、施行日2026年5月21日の版)。条文は要約。
- 管財人を選ぶ場合と選ばない場合:裁判所のQ&Aは、管財事件になるか、管財人を選ばない同時廃止になるかは、裁判所が判断するとしています。家を持っている人がどちらになるかは、取得した原典に書かれていませんでした。
- いつまで住めるか:期限や退去の時期は、取得した破産法と裁判所の案内に書かれていませんでした。書かれているのは、破産者は裁判所の許可なしに居住地を離れられないこと(37条1項)です。
- 債務はなくなるのか:裁判所の案内は、手続が始まっても債務は当然には免れず、免責の許可を受ける必要があるとしています。
ローンが残る家を競売にかけるか任意売却するかの違いは、オーバーローンの家のページにあります。
家族名義・共同名義の家は、どうなるのか
破産財団になるのは、破産法34条1項の文言では「破産者が有する」財産です。名義ごとに、原文から言えることと言えないことを分けて見ます。
| 名義 | 原文からいえること | 原典に書かれていないこと |
|---|---|---|
| 自分の単独名義 | 破産者が有する財産として、破産財団に入る | 管財人が売るまでの期間 |
| 家族の名義 | 文言上は、破産者が有する財産ではない | 実際は破産者のものと扱われる場合の基準 |
| 共同名義(共有) | 自分の持分は、破産者が有する財産にあたる。他の共有者の持分は、破産者のものではない | 管財人が共有持分をどう換価するか |
破産法34条1項(e-Gov法令検索)。条文の文言から整理したもので、個別の判断ではありません。
- 名義を家族に移してある場合:名義を移した時期と理由によっては、次の節の否認の定めが問題になりえます。
- 共有持分を売る場合:共有者の同意の要否など売り方は、共有持分の売却のページにあります。
破産の前に家を売る・名義を変えると、どうなるのか
破産法は、破産の前にした行為のうち一定のものを、破産手続開始後に破産管財人が取り消せる(否認できる)と定めています。家を売る・名義を変える・売った代金を使う行為に当てはめると、次のとおりです。
| 行為 | 原文の定め | 条文 |
|---|---|---|
| 債権者を害すると知って家を売る | 破産債権者を害することを知ってした行為は、否認できる。相手方が害することを知らなかったときは除く | 160条1項 |
| 家族に無償で名義を移す | 支払の停止等の後、又はその前6月以内にした無償行為は、否認できる | 160条3項 |
| 相当の対価で売るが、代金を隠すおそれ | 不動産を金銭に換えて隠匿等のおそれを生じさせ、破産者に隠す意思があり、相手方も知っていたときは、否認できる。相手方が親族・同居者なら、知っていたと推定する | 161条1項・2項3号 |
| 売った代金を一部の債権者にだけ返す | 支払不能になった後などにした、既存の債務の消滅に関する行為は、債権者が知っていた場合などに否認できる | 162条1項 |
破産法160条〜162条(e-Gov法令検索)。条文は要約。
- 免責への影響:252条1項1号・3号は、財産の隠匿や債権者に不利益な処分、特定の債権者に特別の利益を与える目的の弁済などを、免責不許可事由に挙げています。同条2項は、これに当たる場合でも、一切の事情を考慮して裁判所が免責を許可できるとしています。
- 売ってはいけないのか:取得した条文に、破産前に家を売ることを一律に禁じる定めは見当たりませんでした。ただし、売る時期、相手、代金の使い道で、上の定めが問題になりえます。
- 否認されたあとの買主の扱い:取得した原典に書かれていませんでした。
売るかどうか、売る時期と代金の使い道は、申立てを頼む弁護士に、売る前に確かめてください。
個人再生では、持ち家を残せるのか
裁判所のQ&Aは、民事再生手続では、住宅ローンの債権に抵当権があるとき、返済期間の延長などの特別の条項を再生計画に定められ、再生計画が認められてそのとおりに返済すれば、住宅を手放さずにすむとしています。この条項が、民事再生法の住宅資金特別条項です。
| 項目 | 原文の定め | 条文 |
|---|---|---|
| 対象になる住宅ローン | 住宅の建設・購入・改良の資金の貸付けで、分割払の定めがあり、その住宅に抵当権が設定されているもの | 196条3号 |
| 定められない場合 | 住宅にほかの担保権(住宅ローンの抵当権を除く)があるときなどは、定められない | 198条1項 |
| 保証会社が払った場合 | 保証会社が保証債務の全部を履行した日から6月を経過する日までに再生手続開始の申立てがされたときも、定められる | 198条2項 |
| 条項の内容 | 期限の利益を失った分を一般弁済期間内に払う型、最終弁済期を延ばす型(約定最終弁済期から10年を超えず、変更後の最終弁済期に70歳を超えない範囲)、元本猶予期間を置く型 | 199条1〜3項 |
| 認可されないとき | 遂行可能と認められないとき、住宅の所有権や敷地の使用権を失うこととなると見込まれるとき | 202条2項 |
民事再生法(e-Gov法令検索、施行日2026年5月21日の版)。条文は要約。
- 抵当権の実行との関係:197条1項は、住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の見込みがあるとき、裁判所が住宅の抵当権の実行手続の中止を命じられるとしています。
- 返済の額:裁判所の案内は、個人再生の返済総額が、財産を処分して返済に当てる場合の額(清算価値)を上回る必要があるとしています。家の価値がこの額にどう数えられるかは、取得した原典に書かれていませんでした。
- 家を残さず売る場合:取得した原典に書かれていませんでした。ローンが残る家を売る場合は、オーバーローンの家のページにあります。
自分が条件に当てはまるか、計画が遂行できると認められるかは、ローンの内容と収入で変わります。弁護士に確かめてください。
リースバックという選択肢はあるのか
リースバックは、家を売ったあとに買主から借りて住み続ける仕組みです。仕組みと注意点はリースバックのページにあります。
- 破産や再生との関係:破産や再生を考えている人が、リースバックで売って住み続けられるかは、取得した原典に書かれていませんでした。
- 売る行為として:リースバックも、家を売って代金を得る行為です。売る時期や代金の使い道によっては、節4の否認の定めが問題になりえます。
- 手続が始まったあとは:破産手続の開始後は、家の処分は破産管財人に専属します(78条1項)。自分では売れません。
使えるかどうかは、売る前に弁護士へ確かめてください。
家を売るときに何を確かめ、どう売るか
売る前に、次の5つを確かめておくと、買主にも弁護士にも説明しやすくなります。
- 手続のどの段階か:申立ての前か、開始の後か。開始後は、家の処分は管財人に専属します(破産法78条1項)。
- 抵当権とローンの残高:登記簿で抵当権の有無を、ローンの明細で残高を確かめます。
- 名義と持分:登記簿で、だれの名義か、共有かを確かめます。
- 売る相手:相当の対価か、親族や同居者でないか。親族・同居者への処分は、161条2項3号で隠す意思を知っていたと推定されます。
- 売った代金の使い道:一部の債権者にだけ返すと、162条の対象になりえます。
売り方は、大きく2つです。
- 地元の不動産会社に仲介してもらう:事情を伝えたうえで、買主を探します。
- 訳アリ物件を扱う会社に買取を相談する:仲介で買い手が付きにくい場合に、今の状態のまま相談できる場合があります。
ラクウルの公式サイトにある記載は、次の範囲です。
- 買い取れる物件の一覧:事故物件、再建築不可物件、共有持ち分物件、違反建築物件、旧耐震・築古物件、借地権、債務整理物件、長屋連棟式物件、立ち退き物件、底地、紛争物件の11種が並んでいます。
- 断られた物件:「他社に断られた物件でも大丈夫ですか?」に、「はい、問題ありません。独自のノウハウをもとに他社様とは異なる視点でのご提案をさせていただいております」とあります。
- 注意点:債務整理物件に説明文はなく、自己破産や個人再生の手続中の家が対象になるかは書かれていません。この家が買取の対象になるか、いくらになるかは、所在地や事情を伝えて査定を受けて確かめることになります。
よくある質問
自己破産をすると、持ち家は必ず手放しますか?
破産法34条1項は、破産手続開始の時に持っている一切の財産を破産財団とし、78条1項は、その管理と処分を裁判所が選任した破産管財人に専属させています。裁判所の案内は、財産が少ない場合は管財人を選任しないまま手続を終えることもあるとしています。自分の家がどちらになるか、手放さずに済むかは、原文から断定できません。申立てを頼む弁護士に確かめてください。
自己破産をしたあと、家にはいつまで住めますか?
取得した破産法と裁判所の案内に、住み続けられる期間や退去の時期は書かれていません。書かれているのは、破産者は裁判所の許可を得なければ居住地を離れられないこと(破産法37条1項)と、破産管財人が財産を金銭に換えて債権者に配当することです。退去の時期は、管財人と裁判所の進め方によるため、弁護士に確かめてください。
家が家族名義なら、自己破産で処分されませんか?
破産法34条1項は、破産財団を「破産者が有する」財産としています。この文言では、他の人の名義の家は破産者の財産ではありません。ただし、取得した原典に、名義が家族でも実際は破産者のものと扱われる場合の基準は書かれていません。また、破産前に家族へ名義を変えた場合は、160条・161条の否認の対象になりうるため、次の問いを読んでください。
自己破産の前に、家を売ってもよいですか?
取得した破産法に、破産前に家を売ることを一律に禁じる条文は見当たりませんでした。ただし、債権者を害することを知ってした行為や、相当の対価を得ても代金を隠したり使ったりするおそれのある処分は、破産管財人が否認できる場合があります(160条・161条)。一部の債権者にだけ返すことも162条の対象です。売るかどうか、時期、代金の使い道は、申立てを頼む弁護士に、売る前に確かめてください。
個人再生なら、家は必ず残せますか?
必ずではありません。民事再生法198条1項は、住宅ローンの債権について、再生計画に住宅資金特別条項を定めることができるとしています。ただし、住宅にほかの担保権があるときなどは定められません。また、再生計画が遂行可能と認められないとき、住宅の所有権を失うこととなると見込まれるときは、不認可になります(202条2項)。残せるかは、ローンの内容と収入で変わるため、弁護士に確かめてください。
債務整理中の家は、ラクウルで買い取ってもらえますか?
ラクウルの公式サイトは、買い取れる物件の一覧に「債務整理物件」を挙げています。よくある質問の「他社に断られた物件でも大丈夫ですか?」には「はい、問題ありません」とあります。ただし、一覧に説明文はなく、自己破産や個人再生の手続中の家が対象になるかは書かれていません。この家が対象になるか、いくらになるかは、事情を伝えた査定で決まります。手続との関係で売ってよいかは、弁護士に先に確かめてください。
参考・出典
- e-Gov法令検索 破産法(第34条・第37条・第47条・第65条・第78条・第160条〜第162条・第184条・第216条・第252条)
- e-Gov法令検索 民事再生法(第196条〜第199条・第202条)
- 裁判所 破産(手続の案内)
- 裁判所 個人再生(手続の案内)
- 裁判所 民事事件のQ&A(破産・再生)
- ラクウル(訳アリ不動産買取専門店)公式サイト
- ラクウル よくある質問
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、運営者は法律の専門家ではありません。個別の家について、手続の可否、家を残せるか、売却の可否、否認の有無、買取の可否を保証するものではありません。実際の判断は、弁護士・司法書士・裁判所の窓口などに確認してください。