相続の平均額はいくら?遺産の平均・相続税の平均納税額と財産の内訳
国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税がかかった人の遺産(課税価格)の平均は1億4,025万円、相続税の平均納税額は1,946万円でした。ただし相続税がかかるのは亡くなった人の10.4%(およそ10人に1人)だけで、残り9割は申告自体が不要です。この記事では平均額の内訳・財産の種類別の割合・地域差を、国税庁の公表数値だけで整理します。
相続税がかかった人の遺産の平均・納税額の平均
令和6年分に相続税の申告書を提出した被相続人は166,730人(前年比107.1%)で、その課税価格の総額は23兆3,846億円、申告税額の総額は3兆2,446億円でした。1人あたりに直すと、次のとおりです。
遺産(課税価格)の平均
1億4,025万円
前年13,891万円(101.0%)
相続税の平均納税額
1,946万円
前年1,930万円(100.8%)
課税割合(申告があった人の割合)
10.4%
前年9.9%(+0.5pt)
この平均額は、相続税額のある申告書だけを対象に計算されたものです。相続税がかからなかった人(申告書の提出はあっても税額ゼロの人)は含まれていません。また「課税価格」は相続財産の価額に生前贈与分を加え、債務・葬式費用を差し引いた後の金額のため、財産そのものの合計額(次の章)とは定義が異なります。
財産の内訳(土地・家屋・現金・有価証券など)
相続税額のある申告書に記載された財産の金額(令和6年分・合計245,415億円)を種類別にみると、現金・預貯金等が34.9%で最も多く、土地30.2%、有価証券17.8%とつづきます。
| 財産の種類 | 金額 | 構成比 |
|---|---|---|
| 現金・預貯金等 | 85,602億円 | 34.9% |
| 土地 | 74,074億円 | 30.2% |
| 有価証券 | 43,676億円 | 17.8% |
| その他 | 30,162億円 | 12.3% |
| 家屋 | 11,901億円 | 4.8% |
合計245,415億円。構成比は原典の金額から当サイトが計算した値です(小数第2位を四捨五入しているため合計は100%にならない場合があります)。
国税局別にみる遺産の平均額
都道府県別の公表資料(都道府県別 相続税の課税割合ランキングで使用しているものと同じ)を、12国税局・沖縄国税事務所の管轄でまとめると、1人あたりの遺産の平均には差があります。
| 国税局・国税事務所 | 申告件数 | 遺産の平均 | 納税額の平均 |
|---|---|---|---|
| 沖縄国税事務所 | 1,269件 | 1億7,510万円 | 2,120万円 |
| 東京国税局 | 58,970件 | 1億5,840万円 | 2,545万円 |
| 大阪国税局 | 26,834件 | 1億4,168万円 | 1,927万円 |
| 名古屋国税局 | 18,093件 | 1億3,264万円 | 1,621万円 |
| 金沢国税局 | 3,767件 | 1億2,745万円 | 1,553万円 |
| 広島国税局 | 8,456件 | 1億2,720万円 | 1,641万円 |
| 福岡国税局 | 6,518件 | 1億2,710万円 | 1,484万円 |
| 関東信越国税局 | 22,470件 | 1億2,361万円 | 1,427万円 |
| 高松国税局 | 4,776件 | 1億2,342万円 | 1,721万円 |
| 札幌国税局 | 4,336件 | 1億2,329万円 | 1,460万円 |
| 仙台国税局 | 7,288件 | 11,891万円 | 1,302万円 |
| 熊本国税局 | 3,953件 | 11,826万円 | 1,306万円 |
最も高いのは沖縄国税事務所ですが、申告件数が1,269件と他局より少なく、年によって変動しやすい点に注意が必要です。件数の多い東京国税局(58,970件)は2番目に高く、地価の高さが遺産の平均を押し上げていると考えられます。
相続税がかかるのは10人に1人
ここまでの平均額は、あくまで相続税がかかった人(10.4%)だけの数字です。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下の遺産であれば、申告自体が不要で相続税はかかりません。都道府県ごとの課税割合の違いは都道府県別 相続税の課税割合ランキングで確認できます。申告が必要な場合の費用(税理士・自分で・申告支援サービスの違い)は相続税申告の費用はいくら?で解説しています。
遺産に実家の不動産が含まれる場合
財産の内訳で見たとおり、土地・家屋は合わせて遺産全体の約35%を占めます。相続した実家をそのまま持ち続けるか、売却するか、賃貸に出すかで迷う場合は相続した親の家を「売る・貸す・残す」どう選ぶ?で判断のポイントを整理しています。相続後の片付け・名義変更・売却までの一連の流れは実家じまいの進め方で解説しています。
よくある質問
相続の平均額(遺産の平均)はいくらですか?
国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税がかかった人(申告書の提出に係る被相続人166,730人)の遺産(課税価格)の平均は1億4,025万円でした。この金額は相続税がかかった人だけの平均で、相続財産の価額そのものとは債務控除・生前贈与加算などの調整分だけ異なります。
相続税の平均納税額はいくらですか?
同じ調査で、相続税がかかった人の相続税額の平均は1,946万円でした(前年の1,930万円から100.8%)。
遺産の中央値はありますか?
国税庁は中央値を公表していません。公表されているのは平均額(課税価格の総額÷申告に係る被相続人数)のみです。平均額は一部の高額な相続に引き上げられやすいため、実感と差があると感じる場合があります。
相続人1人あたりの相続税額はいくらですか?
国税庁は被相続人(亡くなった人)1人あたりの課税価格・税額は公表していますが、相続人(財産を受け取る側)1人あたりの金額は公表していません。相続人の人数によって1人あたりの取得額・税額は変わるため、当サイトでも作成していません。
相続財産に占める不動産(土地・家屋)の割合は?
令和6年分では、土地が30.2%、家屋が4.8%で、合わせて財産全体の約35%を占めます。現金・預貯金等(34.9%)とほぼ同じ規模です。
相続税がかかる人はどれくらいいますか?
亡くなった人のうち相続税の申告があった人の割合(課税割合)は10.4%で、およそ10人に1人です。都道府県ごとの違いは都道府県別 相続税の課税割合ランキングで確認できます。