相続放棄の費用はいくら?収入印紙800円と司法書士報酬の目安
相続放棄を自分で家庭裁判所に申述する場合の実費は、収入印紙800円と郵便切手、戸籍謄本などの取得費用の合計で、数千円程度に収まることが多い金額です。司法書士に申立書の作成を依頼すると、報酬は全国平均40,892円(日本司法書士会連合会調べ)。申述できる期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(民法915条)と定められています。裁判所の公表資料と条文をもとに、費用と期限を整理します。
自分でやる場合の実費はいくら?
相続放棄の申述を自分で家庭裁判所に行う場合、裁判所へ納める費用は次のとおりです(裁判所公表「相続の放棄の申述」手続き案内)。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 800円 | 申述人1人につき |
| 郵便切手 | 裁判所ごとに異なる | 申述先の家庭裁判所に確認 |
| 戸籍謄本 | 1通450円 | |
| 除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 1通750円 |
郵便切手の金額は申述先の家庭裁判所ごとに異なります。戸籍謄本・除籍謄本の手数料は地方公共団体の手数料の標準に関する政令で定められた全国共通の金額です。
収入印紙は申述人1人につき800円必要なため、相続人が複数で全員が放棄する場合はその人数分がかかります。また、被相続人との続柄によって必要な戸籍の範囲が変わり、たとえば兄弟姉妹が申述する場合は被相続人の出生から死亡までの戸籍や父母の死亡の記載のある戸籍まで必要になるため、その分だけ戸籍謄本の通数と実費が増えます。
司法書士・弁護士に頼む場合の費用は?
相続放棄申述書の作成(全国平均)
40,892円
有効回答数752件
日本司法書士会連合会が2024年(令和6年)3月に実施した報酬アンケートによると、「被相続人の死亡後3ヶ月以内に、法定相続人から相続放棄申述書の作成の依頼を受け、戸籍謄本等5通の交付請求及び相続放棄申述書の作成をした場合」の報酬は、全国の司法書士752件の回答で平均40,892円でした。この金額は司法書士に申立書の作成を依頼した場合の設例で、実際の金額は相続人の人数や必要な戸籍の範囲によって変わります。
弁護士に依頼する場合の報酬は、この司法書士会のアンケートの対象外です。事務所ごとに金額が大きく異なるため、ここでは幅を示さず、正式に依頼する前に複数の事務所で見積りを確認することをおすすめします。
期限はいつまで?延ばすことはできる?
民法915条1項は、相続放棄の期限について次のように定めています。
「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」
この3ヶ月の期間内に、相続財産の状況を調査してもなお、承認するか放棄するかを決められない場合は、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることで、期限を延ばせます(民法915条1項ただし書き)。この申立ての費用も、相続放棄の申述と同じく収入印紙800円(相続人1人につき)と郵便切手です。申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
期限内に手続きしないと単純承認になる
3ヶ月の期限内に相続放棄も期間伸長の申立てもしなかった場合、相続人は財産・負債をすべて引き継ぐ「単純承認」をしたものとみなされます。負債の有無が分からない場合は、早めに家庭裁判所へ相談することをおすすめします。
相続放棄した後、実家の管理はどうなる?
相続放棄をすると、その相続人は初めから相続人ではなかったものとみなされますが、状況によっては実家の管理義務が残る場合があります。詳しくは実家を相続放棄したら管理義務はどうなる?2023年民法改正と「現に占有」の考え方で解説しています。
よくある質問
相続放棄にかかる実費はいくら?
自分で家庭裁判所に申述する場合、収入印紙800円(申述人1人につき)と連絡用の郵便切手、被相続人・申述人の戸籍謄本などの取得費用の合計で、数千円程度に収まることが多いです(裁判所公表の「相続の放棄の申述」手続き案内)。被相続人との続柄によって必要な戸籍の範囲が変わり、通数が増えるほど実費も増えます。
司法書士・弁護士に頼む場合の費用は?
日本司法書士会連合会が2024年(令和6年)3月に実施した報酬アンケートによると、相続放棄申述書の作成(戸籍謄本等5通の交付請求を含む)の報酬は、全国の司法書士752件の回答で平均40,892円でした。弁護士報酬はこの調査の対象外で、事務所ごとに大きく異なるため、依頼前に見積りを確認することをおすすめします。
期限はいつまで?延ばすことはできる?
自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です(民法915条)。財産調査に時間がかかり3ヶ月以内に判断できない場合は、期限内に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることで延ばせます。この申立ての費用も収入印紙800円と郵便切手です。
相続放棄した後、実家の管理はどうなる?
相続放棄をしても、状況によっては実家の管理義務が残る場合があります。詳しくは実家を相続放棄したら管理義務はどうなる?で解説しています。