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相続した竹林の伐採と竹の駆除はどうする?放置するとどうなるか・自分で切るか業者か・地下茎の再生・補助金と粉砕機の貸出
相続した竹林は、放っておくと地下茎で周りに広がります。切って終わりではなく、数年は生えてくる前提で動くのが、林野庁の報告書の考え方です。竹は伐採しても地下茎の栄養で新しい竹が生え、毎年切り続けても数年は再生します。隣の土地へ出れば民法の問題になり、建物がある土地なら空家法の対象にもなりえます。補助金や粉砕機の貸出は市区町村ごとに条件が違い、個人の所有者が使えるところと、団体だけのところがあります。
| 竹林の状態 | 法令・原典の扱い | 先に当たる先 |
|---|---|---|
| 空き家が建っていて、敷地に竹が茂る | 空家法の「空家等」は建築物とその敷地(立木を含む)。管理不全空家等は市町村長の指導・勧告の対象 | 市区町村の空き家の担当 |
| 建物のない竹林・山林 | 空家法の定義(建築物とその敷地)には当たらない読み方。竹が隣地へ出れば民法の問題 | 市区町村の農林の担当 |
| 竹や地下茎が隣地へ出た | 枝は所有者に切除させる(233条1項)。根は隣地の所有者が切り取れる(同4項) | 隣地の所有者・弁護士 |
民法・空家法はe-Gov法令検索、ガイドラインは国土交通省の資料(いずれも2026年10月3日に取得)。実際の扱いは市区町村と個別の事情で変わります。
自分はどの場合に当てはまるか
- 空き家の敷地に竹が茂っている:節2に空家法の扱いがあります。管理不全空家と特定空家の違いは管理不全空家のページにあります。
- 建物のない竹林や山林を相続した:節2から読んでください。山林の届出・境界・売却は山林を相続したときのページ、空き地として管理するなら空き地の管理のページにあります。
- 自分で切るか業者に頼むか迷っている:節3に、林野庁が挙げる作業の重さと条件があります。
- 切ったのにまた生えてきた:節4に、再生の仕組みと駆除の方法を書きました。
- 補助金や機械の貸出を探している:節5に、自治体の例があります。
- 竹ではなく庭木を切りたい:庭木の伐採費用のページにあります。
- 隣の土地の竹が、こちらに入ってきている:隣地の竹木の越境のページにあります。
- 草刈りもあわせて頼みたい:空き家の草刈り、畑なら畑の草刈りのページにあります。
放置するとどうなるか
- 林内に入れなくなる:林野庁の報告書は、管理が放棄されて伐採が行われなくなると、竹の密度が高くなり、枯れた竹も残って、林内が薄暗く人が入ることもままならない状態になるとしています。
- 周囲へ広がる:竹は地下茎を周囲へ伸ばし、そこから新しい竹を出して広がります。地下茎の伸びは1年間で2〜3m程度、最大では7〜8mに達するという報告が、同じ報告書にあります。
- 隣地との関係(民法):隣の土地の竹木の枝が境界線を越えるときは、土地の所有者はその竹木の所有者に枝を切除させることができます(233条1項)。根については、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができるとされています(同4項)。つまり、相続した竹林の竹が隣へ出ると、隣の人は根を切り取れる立場になります。条文は「根」と書いていて、竹の地下茎がこれにあたるかは条文からは読み取れません。気になる場合は弁護士に確かめてください。
- 倒れて損害が出たとき(民法):717条2項は、竹木の栽植や支持に瑕疵があって他人に損害が出たときに、工作物責任の規定を準用しています。占有者が責任を負い、損害を防ぐのに必要な注意をしたときは所有者が責任を負う、という順です。
- 建物がある場合(空家法):空家法の「空家等」は、建築物とその敷地で、敷地には立木が含まれます。市町村長は、放置すれば特定空家等になるおそれのある空家等を管理不全空家等として指導でき、なお改善されないときは立木竹の伐採などの措置を勧告できます(13条)。国土交通省のガイドラインは、管理不全空家等の例に、立木の枝の剪定等がなされておらず、枝等のはみ出しが認められる状態を挙げています。
- 建物がない場合:空家法の定義は建築物とその敷地なので、建物のない竹林だけの土地は、この定義には当たらない読み方になります。空き地としての管理や条例の扱いは空き地の管理のページにあります。
自分で切るか、業者に頼むか
どこまで自分でできるかの線引きを示した基準は、取得した原典にはありませんでした。判断の材料になる記述は次のとおりです。
- 重さ:林野庁の報告書は、竹は中空で軽いといっても1本あたり数十キログラムあり、人力で扱うのは重労働としています。
- 傾斜:傾斜がおおむね20度を超えると、人の移動や伐採などの作業は行いにくくなる、と報告書にあります。
- 量:管理されていない竹林は、枯れた竹も含めて1haあたり10,000本以上が茂っているとされています。
- 時期:林野庁は、親竹の伐採は春から初夏以外の時期が望ましいとし、竹材として使う竹の伐採は晩秋から初冬が適期としています。どちらも竹材・たけのこを生産する竹林の管理についての記述で、放置竹林の整備にそのまま当てはまると書かれているわけではありません。
- 機械:切った竹をチップにする粉砕機は、向日市の案内が「使い方を誤ると重大な事故につながる恐れ」があるとして、貸出に操作講習会を求めています。
傾斜がきつい、本数が多い、竹を運び出す道がない、といった場所は、見積もりを取って、自分で切る範囲と業者に頼む範囲を分けるのが現実的です。見積もりを頼むときは、竹林であること、地下茎の処理を含めるか、切った竹の処分を含めるかを最初に伝えて、見積書の内訳で確かめます。
費用の目安として使える数字は、取得した原典にはありませんでした。林野庁の報告書にある試算は、伐採からチップ化までの直接費で、労務費を1人日12,000円として、現地の条件により1ウェットトンあたり6,000〜46,000円と幅があります。林業の現場の試算で、個人の見積もりに当てはまる値ではないので、現地を見てもらった見積もりで確かめます。
切ったあとも生えてくる竹の駆除
- なぜ生えるか:竹は地下茎に栄養分を蓄えているため、地上の部分を伐採したあとでも新しい竹が生えます。
- どれくらい続くか:毎年伐採を続けても、再生竹が数年間は生え、伐採後6年目でも相当数の新竹が生える場合がある、と林野庁の報告書にあります。
- 再生した竹は放っておけない:再生竹は小さいものが多い一方で、葉の量が多く、光合成で地下茎に栄養を蓄える能力が高いとされています。報告書は、数年間は伐採を続けるなどの対応が必要としています。
- 伐採以外の方法:除草剤による方法もあります。竹の枯殺を目的とする除草剤としてグリホサート系と塩素酸系が登録されていて、竹稈や切株に1本ずつ注入する方法と、土壌に散布する方法があります。再生を抑える効果も認められているとされています。
- 報告書に書かれていないこと:製品ごとの使い方や使える場所、地下茎を掘り上げて取り除く方法は、取得した林野庁の資料には載っていませんでした。除草剤を使う場合は、製品のラベルと販売元の案内で確かめてください。
補助金と粉砕機の貸出
国の事業は主に団体向けで、個人の所有者が使えるかは市区町村で分かれます。取得できた例を並べます。
| 制度 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 林野庁 里山林活性化(地域活動型・竹林資源活用) | 3名以上の団体・自治会・NPO法人等 | 竹の刈払い・伐採・搬出・処理と資機材の購入・賃借を支援。令和8年度の概要に「最大33.2万円/ha」 |
| 朝来市(兵庫県)放置竹林の伐採 | 放置竹林の所有者など。庭木・農地等は対象外 | 補助率4分の3、上限75万円。倒竹や土砂崩壊で住宅・道路に被害のおそれがある森林内の竹林。見積書が必要 |
| 兵庫県 ストップ・ザ放置竹林事業(淡路島) | 地域住民団体・森林ボランティア団体など。個人宅の庭は除く | 補助率2分の1以内、25万円以内。伐採後5年間の維持管理が条件 |
各制度の公式ページ(2026年10月3日に取得)。朝来市のページは2023年4月更新です。年度ごとの受付期間や予算は変わるので、申請の前に各窓口で確かめてください。
お住まいの市区町村に、次の3点を聞くと話が早く進みます。
- 放置竹林の伐採に補助はあるか。
- 個人の所有者が申請できるか。相続登記が済む前でも申請できるか。
- 業者に見積もりを頼む前に申請が必要か。
粉砕機などの機械は、自治体が貸し出していることがあります。個人が借りられるかは、市ごとに違います。
- 向日市(京都府):市内に竹やぶを有する個人と団体に無償で貸し出します。事前に操作講習会が必要で、貸出は1週間以内、運搬と稼働の費用は使用者の負担です。営利目的は対象外です。
- 松阪市(三重県):貸出対象は市内の自治会・住民自治協議会・市民団体などで、個人への貸出しは行わないとされています。無料で、運搬と燃料は使用者の負担、最大処理径は120mmです。
- 民間のレンタル会社:アクティオは、竹専用ナイフを付けると竹の破砕もできる自走式の木材破砕機を扱っています。公式ページに料金はなく、問い合わせになっています。個人が借りられるかも書かれていません。
よくある質問
相続した竹林を放置すると、どうなりますか?
林野庁の報告書は、管理されなくなった竹林では竹の密度が高くなり、林内が薄暗く人が入れない状態になるとしています。竹は地下茎を周囲へ伸ばして広がり、伸びる長さは1年間で2〜3m程度、最大では7〜8mに達するという報告があります。隣の土地へ出れば、民法233条で枝は所有者に切除させる対象になり、根は隣地の所有者が切り取れます。建物がある土地なら、空家法の管理不全空家等として市町村長の指導や勧告の対象になりえます。
竹を伐採すれば、もう生えてきませんか?
生えてきます。林野庁の報告書は、竹は地下茎に栄養分を蓄えているため、地上の部分を伐採したあとでも新しい竹が生えるとしています。毎年伐採を続けても再生竹が数年間は生え、伐採後6年目でも相当数の新竹が生える場合がある、とされています。数年間は伐採を続けるなどの対応が必要、というのが報告書の整理です。
竹の駆除に除草剤は使えますか?
林野庁の報告書は、竹の枯殺を目的とする除草剤としてグリホサート系と塩素酸系が登録されているとし、竹稈や切株に1本ずつ注入する方法と土壌に散布する方法があると書いています。再生を抑える効果も認められているとされています。製品ごとの使い方や使える場所は報告書に載っていないので、製品のラベルと販売元の案内で確かめてください。
竹林の伐採に補助金は出ますか?個人でも申請できますか?
市区町村や県で分かれます。兵庫県朝来市は、森林内の放置竹林について所有者が申請でき、補助率4分の3・上限75万円です(庭木や農地など森林以外に生えた竹は対象外)。兵庫県淡路県民局のストップ・ザ放置竹林事業は、対象が地域住民団体などで、個人宅の庭は対象区域から除かれています。林野庁の里山林活性化の地域活動型(竹林資源活用)も、3名以上の団体や自治会が対象です。お住まいの市区町村の農林担当に、放置竹林の伐採の補助があるか、個人の所有者が申請できるか、相続登記が済む前でも申請できるかを聞いてください。
竹の粉砕機や重機は借りられますか?
自治体の貸出は、市ごとに条件が違います。京都府向日市は、市内に竹やぶを持つ個人と団体に無償で貸し出し、事前に操作講習会が要ります。三重県松阪市は、自治会などの団体が対象で、個人への貸出しは行わないとしています。どちらも運搬や燃料の費用は使用者の負担です。民間のレンタル会社では、アクティオが竹専用ナイフを付けた自走式の木材破砕機を扱っていますが、公式ページに料金はなく、問い合わせになっています。
竹林の伐採費用の相場はいくらですか?
個人が業者に払う竹林の伐採費用の相場は、今回取得した原典には見つかりませんでした。林野庁の報告書にある試算は林業の現場の直接費で、現地の条件により1ウェットトンあたり6,000〜46,000円と幅があり、個人の見積もりに当てはまる値ではありません。傾斜、竹の本数と太さ、運び出す道の有無で変わるので、現地を見てもらった見積もりで確かめます。
参考・出典
- 林野庁「竹の利活用推進に向けて」報告書(平成30年10月)
- 林野庁 竹の性質
- 林野庁における竹林整備及び竹材利用に係る対策(令和8年度)
- e-Gov法令検索 民法(233条・717条)
- e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法(2条・13条)
- 国土交通省 管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)
- 朝来市 危険木や放置竹林の伐採を支援します
- 兵庫県 ストップ・ザ放置竹林事業
- 向日市 竹樹木粉砕機貸出事業について
- 松阪市 竹粉砕機の貸出しについて
- アクティオ 自走式木材破砕機(ウッドチッパー)のレンタル
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の土地の扱いや補助金の可否を保証するものではありません。補助金・貸出の条件は各自治体の公式ページの記載(2026年10月3日に取得)にもとづき、年度や窓口の判断で変わります。申請や借用の前に、お住まいの市区町村に確認してください。伐採110番の内容は公式サイトの表示にもとづき、対応エリア・加盟店・現場状況によって異なります。