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原野商法で買った土地を相続したら?自分の土地か調べる方法・「買い取る」と持ちかける二次被害の手口と相談窓口・放置か相続放棄か国庫帰属か
親が原野商法で買ったかもしれない土地を相続したときは、先に自分の土地かを登記と名寄帳で確かめ、「買い取る」「測量する」と持ちかける電話や訪問には応じず、迷ったら消費者ホットライン188に相談します。国民生活センターは、過去に原野商法にあった人やその原野を相続した人が再びトラブルにあう「二次被害」について、2018年1月に注意喚起を出しています。そのうえで、放置するか、相続放棄するか、国庫に帰属させるかは、期限(相続放棄は知った時から3か月)と条件(国庫帰属は相続等で取得した人だけ)で分かれます。
| 問い | 原典の答え | 次にすること |
|---|---|---|
| 原野商法とは | 値上がりの見込みがほとんどない原野や山林を、値上がりするかのように偽って売った手口。1970〜80年代に社会問題になった(国民生活センター) | 買った経緯の書類が家に残っていないか探す |
| 自分の土地か | 登記事項証明書は何人も請求できる(登記法119条1項)。市町村は土地名寄帳を備える(地方税法387条) | 法務局と市区町村の窓口 |
| 「買い取る」と言われた | 耳を貸さない・契約しない(国民生活センター) | 消費者ホットライン188 |
| 手放したい | 相続放棄は3か月(民法915条)。国庫帰属は相続等で取得した人だけ(国庫帰属法2条1項) | 節5 |
国民生活センター報道発表資料(2018年1月25日)、e-Gov法令検索の各条文(2026年10月3日に取得)より。
自分はどの場合に当てはまるか
- 親や祖父母が買ったらしい土地の書類が見つかった:節3に、自分の土地かの調べ方を書きました。
- 「買い取る」「測量する」という電話・訪問・手紙が来ている:節4と、相談先は節6にあります。
- 土地は分かった。放置するか手放すか決めたい:節5に比べ方を書きました。
- 相続税の評価、相続登記、届出など原野の手続を知りたい:原野を相続したらにあります。
- 山林だった:山林を相続したらどうするにあります。
原野商法とは何か
- 手口:国民生活センターは、将来の値上がりの見込みがほとんどないような原野や山林などの土地を、値上がりするかのように偽って販売する手口で、1970年代から1980年代にかけて社会問題になった、と説明しています。
- 二次被害:過去に原野商法にあった人や、その原野を相続した人が、再びトラブルにあうことです。国民生活センターは、2018年1月の公表で、全国の消費生活センター等に寄せられ続けていると書いています。
- 記録から分かること:登記の記録には、売買などの登記の原因とその日付は載りますが(不動産登記法27条1号)、どのように売られたかは載りません。原野商法だったかは、当時の契約書や資料と合わせて考えることになります。
自分の土地か、どう調べるか
| 調べるもの | 分かること | 窓口 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 土地の所在・地番・地目・地積(登記法34条)と登記上の名義。何人も請求できる(119条1項) | 法務局 |
| 所有不動産記録証明書 | 亡くなった親の名義で登記された不動産の一覧 | 法務局 |
| 名寄帳 | 市町村が土地・家屋について備える帳簿(地方税法387条) | 市区町村 |
| 家に残る書類 | 契約書・領収書・権利証・課税の通知書 | 自宅 |
不動産登記法・地方税法(2026年10月3日に取得)より。
- 課税の有無では決めない:地方税法351条は、同じ人が市町村内に持つ土地の課税標準が30万円に満たないとき、固定資産税を課することができないと定めています(ただし書あり)。課税の通知が来ないことは、自分の土地でない証拠にはなりません。
- 亡くなった親の分を一覧にする:所有不動産記録証明制度のページに、請求できる人と手数料があります。
- 名寄帳と評価額:取り方と手数料は固定資産税評価額の調べ方にあります。
- 土地の場所と境界:現地に行けないときや境界が分からないときは、相続した土地の境界確認と測量にあります。
「買い取る」「測量する」と持ちかけられたら
国民生活センターが2018年1月に公表した資料に書かれている、二次被害の手口と注意点です。
- 測量などの契約をさせる:「土地を高く買い取る」と勧誘し、そのために測量サービスなどの契約をさせる手口が、以前から目立っていました。
- 売却と同時に別の土地を買わせる:売却の話までは同じで、そのあと巧妙な説明で、売却額より高い新たな原野等を購入させる「売却勧誘−下取り」型が目立ちはじめた、とあります。「手続き費用」「税金対策」といった名目でお金を請求し、契約書を後で見ると売却と購入の両方になっていた事例が載っています。
- 連絡がつかなくなる:購入させられた業者と連絡がつかなくなるなど、支払ったお金を取り戻すのが困難になる特徴がある、とされています。
- 免許があっても安心できない:宅地建物取引業の免許を持っていても、悪質な勧誘等を行う事業者がいる、とあります。
- 根拠のはっきりしない請求:数十年前に契約した土地の管理費等の支払い義務があるとして、請求書が送られてくるケースが挙げられています。
国民生活センターのアドバイスは、次のとおりです。
- 「土地を買い取る」「お金は後で返す」と言われても、きっぱり断る。買い取りの勧誘で利益を得られたケース、返金の約束が実行されたケースは、2018年1月時点で1件も確認できていない。
- 根拠のはっきりしない請求書には、すぐにお金を払わない。ただし、裁判所から「特別送達」が届いたときは、放置せず、すぐ消費生活センター等に相談する。
- おかしいと気づいたら、すぐにお金を払わず、消費生活センター等に相談する。一度払うと取り戻すのは非常に困難。
- 周りの人も、高齢者の日常生活に変化がないか気を配る。
窓口:消費者庁の案内では、消費者ホットライン188に電話すると、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや相談窓口につながります。相談は無料です(通話料はかかります)。
放置・相続放棄・国庫帰属・売るのどれを選ぶか
| 選び方 | 決まっていること | 注意 |
|---|---|---|
| 放置する | 相続登記などの手続は、土地の価値が低くても残る | 原野を相続したらに条文つきで整理 |
| 相続放棄 | 知った時から3か月以内に家庭裁判所へ(民法915条1項・938条)。初めから相続人でなかったことになる(939条) | 土地だけは選べず、他の財産も受け取れない。処分すると単純承認とみなされる(921条1号) |
| 国庫帰属 | 相続等で取得した人だけが申請できる(国庫帰属法2条1項)。承認後、10年分の管理費を考慮した負担金を30日以内に納める(10条) | 建物がある土地・境界が明らかでない土地などは申請できない(2条3項) |
| 売る | 買い手がつくかは土地による | 持ちかけられた話ではなく、自分から連絡した先に聞く |
民法・相続土地国庫帰属法・不動産登記法(e-Gov法令検索、2026年10月3日に取得)より。
- 自分で買った土地:国庫帰属を申請できるのは、相続等によって土地の所有権を取得した人です。買った本人は、その土地を相続等で取得した人ではありません。
- 国庫帰属の相談:法務省の案内ページに、法務局での相談対応と、令和6年10月15日からのウェブ相談が載っています。要件と負担金は相続土地国庫帰属制度のページにあります。
- 相続放棄の手続:流れは相続放棄は自分でできるに、費用は相続放棄の費用にあります。
- 放棄したあとの管理:放棄の時に土地を現に占有しているときは、引き渡すまで保存する責任があります(民法940条1項)。考え方は実家を相続放棄したら管理はどうなるにあります。
相談先の選び方
- 勧誘を受けた・契約してしまった:消費者ホットライン188。払う前に、まず相談します。
- 国庫帰属を考えている:土地を管轄する法務局の相談対応。
- 相続放棄を考えている:家庭裁判所。3か月の期限があるので、先に日付を確かめます。
- 課税や名寄帳:土地のある市区町村の窓口。
- 売れるかを聞く:持ちかけられた話ではなく、自分から連絡した先に聞きます。相談だけで契約を決めず、契約の書面を読んでから決めます。国民生活センターは、免許のある事業者でも悪質な勧誘をする事業者がいるとしています。
よくある質問
原野商法とは何ですか?
国民生活センターは、将来の値上がりの見込みがほとんどないような原野や山林などの土地を、値上がりするかのように偽って販売する手口で、1970年代から1980年代にかけて社会問題になった、と説明しています。買った人が数十年後に高齢になっていたり、亡くなって土地が相続されていたりするのが、いま相談に来る典型です。
親が原野商法で買ったかもしれない土地が、自分のものか分かりません。どう調べますか?
登記事項証明書は、不動産登記法119条1項で何人も請求でき、土地の所在・地番・地目・地積が載ります(同法34条)。亡くなった親の名義の不動産は、別ページの所有不動産記録証明制度で一覧にする方法もあります。市区町村には、土地の名寄帳が備えられています(地方税法387条)。家に残る契約書・領収書・権利証・毎年の課税の通知書が、土地を特定する手がかりです。
「あなたの土地を買い取る」と電話や訪問で言われました。応じてよいですか?
国民生活センターは、2018年1月の公表で、原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない、契約しない、と呼びかけています。「土地を買い取る」という勧誘で消費者が利益を得たケースや、支払ったお金を返すという約束が実行されたケースは、その時点で1件も確認できていない、とも書いています。契約する前に、消費者ホットライン188(局番なし)で消費生活センターに相談してください。
課税の通知書に載っていない土地は、自分のものではありませんか?
そうとは言えません。地方税法351条は、同じ人が市町村内に持つ土地の課税標準が30万円に満たないとき、固定資産税を課することができないと定めています(ただし書あり)。通知書に載らない土地があり得るので、登記事項証明書と市区町村の名寄帳の両方で確かめます。
原野商法の土地は、相続放棄で手放せますか?
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述します(民法915条1項・938条)。放棄した人は、初めから相続人とならなかったものとみなされます(939条)。土地だけを選んで放棄する形ではなく、預貯金など他の財産も受け取れなくなります。相続財産を処分すると単純承認とみなされる点(921条1号)も含め、詳しくは「原野を相続したら」のページと相続放棄のページにあります。
相続土地国庫帰属制度は、原野商法で買った土地にも使えますか?
申請できるのは、相続等によって土地の所有権の全部または一部を取得した人に限られます(国庫帰属法2条1項)。建物がある土地、境界が明らかでない土地などは申請できず(同条3項)、申請できても承認されない土地があります(5条)。承認後は、国有地の管理に要する10年分の標準的な費用を考慮して算定した負担金を、通知から30日以内に納めます(10条1項・3項)。自分で買った土地の所有者本人は、相続等で取得した人ではありません。個別の可否は法務局の相談で確かめてください。
参考・出典
- 国民生活センター - より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル(2018年1月25日公表)
- 消費者庁 - 消費者ホットライン188
- 法務省 - 相続土地国庫帰属制度について
- e-Gov法令検索 - 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(第2条・第5条・第10条)
- e-Gov法令検索 - 民法(第915条・第921条・第938条〜第940条)
- e-Gov法令検索 - 不動産登記法(第27条・第34条・第119条)
- e-Gov法令検索 - 地方税法(第351条・第387条)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の土地の権利関係や契約の有効性、手続の要否を示すものではありません。国民生活センターの公表は2018年1月時点のもので、その後の状況は含みません。個別の判断は、消費生活センター、法務局、弁護士・司法書士にご確認ください。広告内の「相続の窓口」の内容は、案内ページ(2026年10月3日に確認)の表示にもとづきます。