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親の家(実家)のリフォーム費用を子が出すと贈与税?|増築の国税庁の事例・持分を子に移す方法・親から費用をもらうときの110万円と特例
親名義の家のリフォーム費用を子が出したときの贈与税は、国税庁の質疑応答事例が増築について答えを出しています。子が増築費用を出し、旧家屋の持分を時価で親から子へ譲渡して、代金を親が負担すべき費用と相殺するなら、贈与税の課税関係は生じないという回答です。名義も代金のやりとりもそのままで子が払った場合に贈与とされるかを直接示した国税庁のページは、2026年10月2日に取得した範囲では見つかりませんでした。条文は、民法第242条が付合した物の所有権を不動産の所有者のものとし、相続税法第9条が、対価を支払わないで利益を受けた場合は贈与により取得したものとみなすと定めています。
このページは、実家をリフォームまたは増築するのに、子が費用を出そうとしている方、親から費用をもらおうとしている方向けです。数字と文言は国税庁と e-Gov の原文で、事例は具体的な取引にそのまま当てはまるとは限りません。税額の計算例は載せていません。リフォームの費用の目安は空き家リフォーム費用シミュレーターに、補助金は空き家のリフォーム補助金のページにまとめています。
費用を誰が出すかで、原文の答えが分かれる
親の家のリフォームで贈与税が気になるのは、お金が親子の間を動くときです。費用の出し方ごとに、取得できた原文が何を書いていて、何を書いていないかを並べます。
| 費用の出し方 | 原文に書かれていること | 書かれていないこと |
|---|---|---|
| 子が増築費用を出し、持分を時価で子へ譲渡して相殺 | 国税庁の質疑応答事例:贈与税の課税関係は生じない。親の譲渡所得には居住用財産の特別控除が使えない | 時価の決め方、譲渡所得の税額 |
| 子が費用を出し、名義も代金のやりとりもそのまま | 民法第242条:付合した物は不動産の所有者のもの。相続税法第9条:対価を払わず利益を受けたら贈与とみなす | この場合に贈与とされるかを直接示した事例 |
| 親が子に費用分のお金を渡す | No.4402:1年間の合計が110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要 | 110万円を超えたときの個別の取扱い |
| 親からのお金で、子が自分の所有する家屋を増改築 | No.4508:自己が所有し居住する家屋への工事など一定の要件で非課税枠あり。令和8年12月31日までの贈与 | 親名義のままの家、子が持分を持つ家での扱い |
出典:国税庁の質疑応答事例(令和7年8月1日現在)、タックスアンサー(令和8年4月1日現在)、e-Gov法令検索。2026年10月2日取得。
子が増築費用を出したとき|国税庁の質疑応答事例
国税庁の質疑応答事例「父所有の家屋に子が増築した場合の贈与税の課税関係」は、次の事実関係を取り上げています。
- 父名義の木造2階建の家に、子が増築をした。事例の数字は、増築費用1,000万円、旧家屋の時価1,000万円
- 増築部分は旧家屋と区分して登記することが難しいので、増築後の家屋の名義を、父と子で2分の1ずつにしたい
- 方法は、旧家屋の持分2分の1を父から子へ時価で譲渡し、その譲渡代金を、子が支出した増築費用のうち父が負担すべき部分の500万円(1,000万円×1/2)と相殺する
- 家の敷地は父の所有で、子は無償で敷地を使う
回答は「照会意見のとおり贈与税の課税関係は生じません」です。ただし、注記で、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、具体的な取引に当てはめると異なる課税関係が生ずることがあると書かれています。
あわせて押さえておきたい条文が2つあります。民法第242条は、不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得すると定めています(ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げません)。この条文が当てはまる場合、子の費用で付け足した部分も、家の所有者である親のものになります。増築部分がこの条文に当たるかどうかは、取得した範囲の原文には書かれていませんでした。
もう1つの相続税法第9条は、対価を支払わないで、または著しく低い価額の対価で利益を受けた場合は、利益を受けた者が利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなすと定めています。質疑応答事例は増築について書かれたもので、内装や設備だけのリフォームは取得した範囲に事例がありませんでした。事例と違う進め方をするときは、税務署か税理士に確かめてください。
家の持分を子に移す方法と、その税金・登記
質疑応答事例の方法は、費用を出した子に、家の持分を移すものです。持分を移すときのお金の動きは、2通りに分けて考えます。
- 時価で譲渡する(事例の方法):親から子へ持分を売る形で、代金を子が出した費用と相殺する。贈与税の課税関係は生じないと回答されている。親には譲渡所得の問題が出る。事例の注記は、親子間の譲渡なので居住用財産の譲渡所得の特別控除などの特例は使えないと書いている
- 贈与する:対価なしで持分を渡す形で、もらう子に贈与税の問題が出る。1年間にもらった財産の合計が110万円以下なら贈与税はかからない(No.4402)。不動産の贈与の税金は不動産を親から子へ生前贈与したときの税金のページにまとめています
名義を子へ移す登記には、登録免許税などの費用がかかります。相続・贈与・売買で費用がどう違うかは土地の名義変更の費用のページで比べられます。持分を持つと家は共有になります。共有になったあとの売却の同意などは共有持分の売却のページにあります。
増築して二世帯にするとき
質疑応答事例が取り上げているのは、増築部分を旧家屋と区分して登記することが困難な場合です。親の家に子が増築して同居する二世帯は、この事例に近い場面ですが、増築部分を区分して登記できる場合は、事例の前提と違います。区分登記ができる場合の贈与税の扱いは、取得した範囲の原文に書かれていませんでした。
事例には、家の敷地が親の所有で、子が無償で使う前提が含まれています。回答は、その前提のまま「贈与税の課税関係は生じません」としています。
二世帯住宅の相続のときの土地の評価の特例は、区分登記の有無で変わります。詳しくは二世帯住宅の小規模宅地等の特例のページで整理しています。
親から費用をもらうとき|基礎控除110万円と住宅取得等資金の特例
親から子へお金を渡してリフォーム費用に充てるときは、お金そのものの贈与です。
- 基礎控除:贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から110万円を引いた額にかかります。合計が110万円以下なら贈与税はかからず、申告も不要です(国税庁No.4402)。この110万円は租税特別措置法第70条の2の4に定められています
- 住宅取得等資金の非課税の特例:令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に、直系尊属からの贈与で住宅取得等資金を取得したときの特例です。条文(租税特別措置法第70条の2)には増改築等も挙がっています。非課税限度額は、省エネ等住宅が1,000万円、それ以外が500万円です(No.4508)
増改築等の要件として、No.4508は次の点を挙げています。
- 工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたものであること
- 増改築等に要した費用の額が100万円以上で、その2分の1以上が自己の居住の用に供される部分の工事に要したものであること
- 増改築等後の登記簿上の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、2分の1以上が受贈者の居住の用であること
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てること
国税庁の質疑応答事例では、増改築等の費用は住宅用家屋の増改築等に係る工事の請負代金の額と解されています。仲介手数料や登録免許税などは、新築等の対価に充てたものとはいえないと書かれています。
注意したいのは「自己が所有」の部分です。親名義のままの家のリフォームは、条文の「特定受贈者が所有している家屋」にも、No.4508の「自己が所有し、かつ居住している家屋」にも当てはまりません。子が持分を持つ家屋の増改築が対象になるかは、取得した範囲の原文に書かれていませんでした。このほか、受贈者の年齢や所得の要件もあります。適用できるかは、お近くの税務署で確かめてください。
親が亡くなったときの扱い
親が亡くなったとき、相続の対象になるのは、そのときに親の名義になっている財産です。子が持分を取得していれば、相続の対象は親に残った持分、持分を移していなければ家全体です。子が出した費用が、相続税の計算でどう扱われるかを直接示した事例は、取得した範囲にありませんでした。
贈与で持分を渡した場合の、相続税との関係(相続時精算課税や、相続前の贈与の加算)は生前贈与の税金のページに、相続税の目安は相続税の計算機にあります。
よくある質問
親の家のリフォーム費用を子が出すと、必ず贈与税がかかりますか?
取得した範囲では、必ずかかる、かからないと一律に定めた条文や国税庁のページは見つかりませんでした。国税庁の質疑応答事例には、親名義の家に子が増築した場合に、旧家屋の持分を時価で子へ譲渡し、代金を子の出した増築費用のうち親が負担すべき部分と相殺するなら、贈与税の課税関係は生じないとあります。一方、相続税法第9条は、対価を支払わないで利益を受けた場合は贈与により取得したものとみなすと定めています。どちらに当たるかは事実関係で変わりますので、税務署か税理士にご確認ください。
親から費用をもらってリフォームすると、贈与税はかかりますか?
贈与税は個人から贈与により財産を取得したときにかかります(国税庁No.4402)。暦年課税では、1年間にもらった財産の合計が基礎控除の110万円以下なら贈与税はかからず、申告も不要です。110万円を超えるときは、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告と納税が必要です。親からもらうお金が住宅取得等資金の特例の要件を満たすときは、別に非課税の枠があります。
住宅取得等資金の非課税の特例は、親の家のリフォームに使えますか?
国税庁No.4508は、増改築等の要件として、工事が「自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもの」であることを挙げています。条文(租税特別措置法第70条の2第2項第5号ハ)も「特定受贈者が所有している家屋につき行う増改築等」です。親名義のままの家は、この文言には当てはまりません。子が持分を持つ家屋の増改築に使えるかは、取得した範囲の原文に書かれていませんでした。適用期間は令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与と書かれています。
増築して二世帯にするとき、何に気をつければよいですか?
国税庁の質疑応答事例は、増築部分を旧家屋と区分して登記することが困難なため、増築後の家屋全体の名義を親子で分ける方法を取り上げています。区分して登記できる場合は、この事例の前提とは違います。二世帯住宅の相続税の土地の評価の特例は、別のページにまとめています。
親の持分を子に移すと、親に税金はかかりますか?
質疑応答事例は、旧家屋の持分の譲渡について、親に譲渡所得の課税が生じうることを注記しています。親子間の譲渡なので、租税特別措置法第35条の居住用財産の譲渡所得の特別控除などは使えないと書かれています。税額は事例に書かれていないため、このページでは計算していません。
リフォームの費用の目安や補助金、持分を移す登記の費用はどこで調べられますか?
リフォームの費用の目安は空き家リフォーム費用シミュレーターで、補助金は空き家のリフォーム補助金のページで、名義変更の登記費用は土地の名義変更の費用のページで調べられます。
参考・出典
- 国税庁 質疑応答事例 父所有の家屋に子が増築した場合の贈与税の課税関係
- 国税庁 質疑応答事例 住宅用家屋の新築等の対価又は増改築等の費用の範囲
- 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
- 国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
- e-Gov法令検索 民法(第242条)
- e-Gov法令検索 相続税法(第9条)
- e-Gov法令検索 租税特別措置法(第70条の2、第70条の2の4)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務上の判断を保証するものではありません。国税庁の質疑応答事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答で、具体的な取引では異なる課税関係が生ずることがあります。個別の取引は、税務署または税理士にご確認ください。サービスの内容と条件は変更される場合があります。