相続税 読了時間:約8分

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相続税の2割加算とは?|対象になる人(兄弟姉妹・甥姪・孫・養子にした孫)・ならない人・計算例・孫に遺贈するとき

相続税の2割加算は、財産を取得した人が被相続人の配偶者・父母・子など一親等の血族以外のときに、その人の相続税額が2割増える仕組みです。兄弟姉妹、甥・姪、遺言で財産を受け取る孫、相続人でない人が対象になります。子が亡くなっていて代襲相続した孫と、養子(孫を養子にした場合を除く)は対象になりません。

財産を取得した人2割加算根拠
配偶者対象外相続税法18条1項
子・父母対象外No.4157(一親等の血族)
養子対象外No.4157(一親等の法定血族)
子が亡くなっていて代襲相続した孫対象外相続税法18条1項かっこ書
子が存命で、遺言で財産を受け取る孫対象相続税法18条1項
養子にした孫(代襲していない)対象相続税法18条2項
兄弟姉妹対象No.4157
甥・姪対象No.4157、質疑応答事例
相続人でない人(友人・知人など)対象相続税法18条1項

出典は国税庁のタックスアンサー No.4152・No.4157(令和8年4月1日現在法令等)・質疑応答事例、e-Gov法令検索の相続税法。2026年10月3日取得。

2割加算とは?条文と計算式

相続税法18条の定め

相続税法18条1項は、相続または遺贈で財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、または相続権を失ったために代襲して相続人になった直系卑属を含む)と配偶者のどちらでもない場合は、その人の相続税額を、通常の計算で出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した額にすると定めています。

同条2項は、1項の一親等の血族には、被相続人の直系卑属が被相続人の養子になっている場合を含まないと定めています。ただし、その直系卑属が相続開始以前に死亡したり相続権を失ったりしたため代襲して相続人になっている場合は、含みます。

加算額の計算式

国税庁 No.4157は、加算金額を次の式で示しています。

加算金額 = 各人の税額控除前の相続税額 × 0.2

配偶者の税額軽減などの税額控除は、この加算をしたあとの金額から差し引きます(国税庁 No.4152)。相続時精算課税に係る贈与を受けている人で、相続開始までに続柄の変更(養子縁組の解消など)がある場合は計算が異なると、No.4157に記載されています。

対象になる人・ならない人

対象になる人

国税庁 No.4157は、次の人を対象の例に挙げています。

甥・姪については、国税庁の質疑応答事例が、条文のかっこ書は「被相続人の子の代襲相続人」を定めたものであり、被相続人の甥に当たる人は該当せず、相続税法18条の規定の適用があるとしています。

対象にならない人

孫に相続・遺贈するときの注意

「孫」というだけでは、2割加算の対象かどうかは決まりません。孫がどの立場で財産を取得するかで分かれます。

孫の立場2割加算出典
子が死亡・相続権喪失で代襲相続人になった対象外No.4152・No.4157
子が存命のまま、遺言で遺贈を受ける対象相続税法18条1項
被相続人の養子になっていて、代襲していない対象質疑応答事例 07/04
代襲相続人だが相続を放棄し、遺贈を受ける対象質疑応答事例 07/01

子の死亡や相続権の喪失の有無、遺言の内容によって結論が変わります。具体的なケースは税務署または税理士にご確認ください。

孫への生前贈与が相続税の計算でどう扱われるかは、暦年贈与の持ち戻しは3年から7年に延びた?にまとめています。

計算例(孫への遺贈)

次の前提で、国税庁の相続税の速算表(No.4155)と加算の式を当てはめた当サイトの試算です。実際の税額は、事情に応じて税務署または税理士にご確認ください。

相続税の総額

各人の税額と2割加算

項目長男孫(遺贈)
取得した財産6,000万円4,000万円
按分した税額(総額1,220万円)732万円488万円
2割加算なし488万円×0.2=97.6万円
加算後(税額控除前)732万円585.6万円

按分した税額は、相続税の総額に各人の取得割合(6,000万円と4,000万円)を掛けて求めています。

なお、孫が代襲相続人として財産を取得する場合は、2割加算は生じません。

基礎控除・申告要否との関係

基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します(国税庁 No.4152)。2割加算は、この基礎控除を差し引いて出た各人の税額に対してかかるもので、基礎控除額そのものは変わりません。基礎控除以下で税額が出ない場合は、加算も生じません。

孫を養子にした場合、法定相続人の数に含められる養子の数には上限があります。国税庁 No.4170は、被相続人に実の子供がいる場合は1人まで、いない場合は2人までとし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果になると認められる場合は、その原因となる養子の数は含められないとしています。

相続税の申告が要るかどうかは、基礎控除以下かだけでなく、特例の使い方でも変わります。見方は相続税の申告が不要な場合に、税額全体の試算は相続税の計算機にあります。

ほかの手続きとの関係

よくある質問

相続税の2割加算とは何ですか?

相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)と配偶者のどちらでもない場合に、その人の相続税額に2割に相当する金額が加算される仕組みです(相続税法18条、国税庁 No.4157)。加算額は、各人の税額控除前の相続税額×0.2で計算します。

孫に相続させると2割加算になりますか?

孫の立場で分かれます。被相続人の子(孫の親)が相続開始以前に死亡したり相続権を失ったりして、孫が代襲して相続人になっているときは対象外です。親が存命のまま孫が遺言で財産を受け取る(遺贈)場合や、孫が被相続人の養子になっていて代襲していない場合は、2割加算の対象になります(国税庁 No.4152・No.4157、質疑応答事例)。

兄弟姉妹や甥・姪が相続すると2割加算になりますか?

対象になります。国税庁 No.4157は、対象になる人の例として、被相続人の兄弟姉妹や、おい、めいとして相続人となった人を挙げています。質疑応答事例も、被相続人の甥に当たる人は、一親等の血族に含まれる「被相続人の子の代襲相続人」に該当せず、相続税法18条の規定の適用があるとしています。

養子は2割加算の対象外ですか?

養子は被相続人の一親等の法定血族なので、原則として対象外です(国税庁 No.4157)。ただし、被相続人の養子になっている孫は、被相続人の子が相続開始前に死亡したり相続権を失ったりしたため代襲して相続人になっている場合を除き、対象になります。子の配偶者が養子になっている場合は、養子縁組後は一親等の血族なので対象外とされています。

孫が相続放棄をしたうえで遺贈を受けた場合はどうなりますか?

質疑応答事例は、代襲相続人の立場にある孫が相続を放棄し、遺贈で財産を取得した場合、相続税法18条のかっこ書にいう「相続人」には相続を放棄した人は含まれないため、2割加算の規定の適用があるとしています。

相続人ではない友人や知人に遺贈した場合も2割加算ですか?

相続税法18条1項の対象は「相続又は遺贈により財産を取得した者」で、被相続人の一親等の血族と配偶者以外の人です。条文上、相続人でない友人や知人も、遺贈を受ければ一親等の血族でも配偶者でもないため、対象になります。

基礎控除以下なら2割加算も関係ありませんか?

加算額は、各人の税額控除前の相続税額×0.2で計算するため、基礎控除額以下で相続税額が出ない場合は加算も生じません。申告が要るかどうかの見方は別のコラム(相続税の申告が不要な場合)にまとめています。

2割加算と配偶者の税額軽減などの税額控除は、どちらが先ですか?

国税庁 No.4152は、税額控除を差し引く前の相続税額にその20パーセント相当額を加算した後、税額控除額を差し引くとしています。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の相続税額や2割加算の要否は、税務署または税理士にご相談ください。

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