相続税 読了時間:約8分

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相続税の税率と速算表|10%〜55%の8段階・計算の順番・遺産額別の早見表(妻と子1〜3人・子供だけ)・1億円の場合・他人が受け取るとき

相続税の税率は10%から55%までの8段階です。ただし、遺産額や、実際に受け取った額に直接掛けるわけではありません。遺産の合計から基礎控除を引き、残りを法定相続分で分けた金額に、下の速算表を当てはめます(国税庁 No.4155)。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

国税庁 No.4155 相続税の税率(令和8年4月1日現在法令等)から。2026年10月3日取得。取得金額に税率を掛けて、控除額を引きます。

速算表の使い方(国税庁の例)

速算表に当てはめるのは、遺産の合計額ではなく「法定相続分に応ずる取得金額」です。国税庁の例は次のとおりです。法定相続人が妻と子2人で、課税遺産総額(遺産の合計から基礎控除を引いた額)が1億5,200万円のとき、法定相続分は妻が2分の1、子が4分の1ずつです。

法定相続人法定相続分に応ずる取得金額算出税額
妻7,600万円(×30%−700万円)1,580万円
子3,800万円(×20%−200万円)560万円
子3,800万円(×20%−200万円)560万円

合計の2,700万円が「相続税の総額」です(国税庁 No.4155)。

この2,700万円は、まだ実際に納める額ではありません。誰がいくら納めるかは、相続税の総額を、実際に財産を受け取った割合で分けて決まります(次の節)。

相続税の計算の順番

国税庁 No.4152 の順序は次のとおりです。

  1. 各人の課税価格を出して合計する。小規模宅地等の特例を使った財産は、減額したあとの金額で数えます。
  2. 基礎控除を引く。3,000万円+600万円×法定相続人の数です(相続税法15条)。引いた残りが課税遺産総額です。
  3. 法定相続分で分けたことにする。課税遺産総額を各法定相続人の法定相続分で分け、取得金額を出します(千円未満切捨て)。
  4. 各人の取得金額に、速算表を当てはめて合計する。これが相続税の総額です(同法16条)。
  5. 相続税の総額を、実際の取得割合で分ける。総額に、各人の課税価格が合計に占める割合を掛けます(同法17条)。
  6. 2割加算と税額控除を反映する。配偶者の税額軽減などを引いて、各人の納付税額になります。

課税価格の合計が同じなら、相続税の総額(手順4)は遺産の分け方で変わりません。分け方で変わるのは、手順5以降の「誰がいくら払うか」です。

手順2の「法定相続人の数」は、相続放棄した人がいても、放棄がなかったものとして数えます。養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までです(国税庁 No.4152)。

遺産額別の早見表(妻と子・子供だけ)

遺産額ごとの、納める相続税の目安です。子の人数ごとに、配偶者がいる場合と、子供だけの場合を並べました。

配偶者と子1人/子1人だけ

遺産額配偶者と子1人子1人だけ
5,000万円40万円160万円
7,000万円160万円480万円
1億円385万円1,220万円
1億5,000万円920万円2,860万円
2億円1,670万円4,860万円
3億円3,460万円9,180万円
5億円7,605万円19,000万円

配偶者と子2人/子2人だけ

遺産額配偶者と子2人子2人だけ
5,000万円10万円80万円
7,000万円113万円320万円
1億円315万円770万円
1億5,000万円748万円1,840万円
2億円1,350万円3,340万円
3億円2,860万円6,920万円
5億円6,555万円15,210万円

配偶者と子3人/子3人だけ

遺産額配偶者と子3人子3人だけ
5,000万円0円20万円
7,000万円80万円220万円
1億円262万円630万円
1億5,000万円665万円1,440万円
2億円1,217万円2,460万円
3億円2,540万円5,460万円
5億円5,962万円12,980万円

当サイトの相続税の計算機と同じ計算です。取得金額は千円未満切捨てで計算し、表示は万円未満を四捨五入しています。0円は、遺産額が基礎控除以下で、相続税がかからない場合です。

例として、遺産2億円・妻と子2人(基礎控除4,800万円、課税遺産総額1億5,200万円)の場合は、国税庁の例と同じ相続税の総額2,700万円になります。妻が1億円、子が5,000万円ずつ取得すれば、相続税の総額2,700万円のうち、妻の分は2,700万円×50%=1,350万円ですが、税額軽減で0円になります。子の分は2,700万円×25%=675万円ずつで、合計1,350万円です(表の「2億円」の行と同じです)。

自分の家族の人数と遺産額を入れて試算するには、相続税の計算機をお使いください。

妻・子供・他人が受け取るとき

速算表の税率は、受け取る人が誰でも同じです。違いが出るのは、総額を分けたあとです。

受け取る人税額の出し方根拠
妻(配偶者)総額を取得割合で分けた額から、配偶者の税額軽減を引く(1億6千万円か法定相続分のどちらか多い額まで、相続税がかからない)国税庁 No.4158
子供総額を取得割合で分けた額。2割加算はない相続税法17条・18条
他人(兄弟姉妹・甥姪・友人など)総額を取得割合で分けた額の2割増し(孫は、代襲相続人の場合を除く)相続税法18条

2割加算の対象になる人とならない人、孫への遺贈の計算例は、相続税の2割加算とは?にまとめています。

妻の税額軽減は、申告期限までに分割された財産が対象です。分割が間に合わないときの扱いは、配偶者の税額軽減のページにあります。

ほかの計算と手続き

よくある質問

相続税の税率は何%ですか?

相続税の税率は10%から55%までの8段階です。法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円以下なら10%、6億円を超えると55%になります(国税庁 No.4155、相続税法16条)。ただし、遺産額や実際に受け取った額に直接掛けるのではなく、基礎控除を引いた残りを法定相続分で分けた金額に掛けます。

遺産が1億円のとき、相続税はいくらですか?

当サイトの計算では、法定相続分どおりに取得し、配偶者の税額軽減を使う前提で、配偶者と子1人なら385万円、配偶者と子2人なら315万円、配偶者と子3人なら262万円です。配偶者がいない場合は、子1人で1,220万円、子2人で770万円、子3人で630万円です。生命保険金・債務控除・小規模宅地等の特例・生前贈与の加算は含みません。

速算表の「控除額」は、基礎控除とは別のものですか?

別のものです。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)は、遺産の合計から先に引く金額です。速算表の控除額は、金額を段階ごとに分けて税率を掛けて足す計算(相続税法16条)と同じ結果になるよう、全体に税率を掛けたあとで引く金額です。たとえば3,000万円なら、3,000万円×15%−50万円=400万円で、1,000万円×10%+2,000万円×15%=400万円と同じです。

配偶者がいると、なぜ相続税が安くなるのですか?

理由は2つあります。1つ目は、法定相続人が1人増えるので基礎控除が600万円増えます。2つ目は配偶者の税額軽減で、配偶者が実際に取得した額が1億6千万円か配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までなら、配偶者に相続税はかかりません(国税庁 No.4158)。ただし軽減は、申告期限までに分割された財産が対象です。

子供の人数が増えると、税額はどうなりますか?

法定相続人が1人増えるごとに基礎控除が600万円増え、課税遺産総額が減ります。また、法定相続分で分ける人数が増えるので、1人あたりの金額が小さくなり、低い税率の段階に収まりやすくなります。このため、早見表のとおり、子供が多いほど相続税の総額は小さくなります。

他人(友人や内縁の人)に遺贈すると、税率は変わりますか?

速算表の税率そのものは変わりません。ただし、財産を受け取った人が被相続人の配偶者と一親等の血族以外の人(兄弟姉妹・甥姪・友人など)のときは、その人の相続税額に2割が加算されます(相続税法18条)。対象になる人とならない人、計算例は「相続税の2割加算とは?」にまとめています。

土地だけを相続したときの税率は?

税率は財産の種類で変わりません。土地は、路線価などで評価した金額が、課税価格の計算に入ります(小規模宅地等の特例を使う場合は、減額したあとの金額)。評価の方法は、土地の相続税評価額の計算機と路線価の調べ方のページにあります。

早見表の金額は、実際に納める税額と同じですか?

同じとは限りません。早見表は、生命保険金・債務や葬式費用の控除・小規模宅地等の特例・生前贈与の加算・未成年者控除などを入れず、法定相続分どおりに取得した前提の試算です。実際の税額は、税務署または税理士にご確認ください。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の相続の税額は、税務署または税理士にご相談ください。

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