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法定相続分の割合|配偶者と子・親・兄弟の組み合わせごとの早見表・子が2人3人のとき・異母兄弟は2分の1・代襲相続・介護は反映されるか
法定相続分は、配偶者と子が相続人なら配偶者2分の1・子全員で2分の1、配偶者と父母なら3分の2と3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら4分の3と4分の1です。同じ立場の人が複数いれば、その中で等分します。下の表は民法900条から整理したもので、遺言や相続人どうしの協議で割合を変えられる場面も、あとの節で説明します。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者 | それ以外の人 |
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 2分の1 | 子全員で2分の1 |
| 配偶者と父母など(直系尊属) | 3分の2 | 直系尊属全員で3分の1 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 4分の3 | 兄弟姉妹全員で4分の1 |
| 配偶者だけ | 全部 | なし |
| 配偶者がいない | なし | 同じ順位の人で全部を等分 |
民法900条(e-Gov 法令検索、令和8年6月24日施行分)。2026年10月3日取得。子・直系尊属・兄弟姉妹が複数いるときは、それぞれの中で等分します。
相続人になる人と順位(自分はどの場合か)
配偶者は、常に相続人になります。配偶者と一緒に相続人になるのは、次の順位で最初にいる人たちです(民法887条・889条・890条)。
- 第1順位は子:亡くなった人の子です。子が先に亡くなっていれば、その子(孫)が代わりになります(節4)。
- 第2順位は直系尊属:子も孫もいないときの、父母や祖父母です。親等の近い人が先で、父母が健在なら祖父母は相続人になりません。
- 第3順位は兄弟姉妹:子も直系尊属もいないときの、亡くなった人の兄弟姉妹です。
自分の場合を、次のように見つけてください。
- 夫(妻)が亡くなり、子がいる:配偶者2分の1、子は人数で等分します(節2)。
- 子がいなくて、親か兄弟がいる:節3です。異母・異父の兄弟がいるなら、その割合も節3にあります。
- 子の1人が、親より先に亡くなっている:節4です。
- 遺言がある・介護したのに同じ割合なのか:節5と節6です。
相続人が誰かは、戸籍で確かめます。戸籍の束の代わりに使える一覧図は法定相続情報一覧図の取り方に、ほかの法律の割合である遺留分は遺留分の計算機と遺留分の計算で不動産はどう評価するにあります。
配偶者と子:子が1人・2人・3人のとき
配偶者と子が相続人のとき、配偶者は2分の1、子は全員で2分の1です(民法900条1号)。子が複数いれば、その2分の1を等分します(同条4号)。
| 子の人数 | 配偶者 | 子1人あたり |
|---|---|---|
| 1人 | 2分の1 | 2分の1 |
| 2人 | 2分の1 | 4分の1 |
| 3人 | 2分の1 | 6分の1 |
| 4人 | 2分の1 | 8分の1 |
民法900条1号・4号。配偶者がいない場合、子だけで全部を等分します(子2人なら各2分の1、3人なら各3分の1)。
金額に直すと、たとえば遺産が自宅(評価額3,000万円)だけで、相続人が配偶者と子2人なら、法定相続分は配偶者1,500万円、子は750万円ずつです。ただし、これは割合を金額にしただけで、自宅をだれが取得するかは別に決める必要があります(節7)。
子は、亡くなった人の子であれば同じ割合です。父母の一方だけが同じかどうかで、子の割合が半分になることはありません(同条4号本文)。2分の1になるのは、兄弟姉妹が相続人になる場合です(節3)。
配偶者と親、配偶者と兄弟姉妹(異母・異父の兄弟は2分の1)
子も孫もいないときは、配偶者と直系尊属が相続人になり、配偶者が3分の2、直系尊属は全員で3分の1です(民法900条2号)。父母が2人とも健在なら、各6分の1です。
子も直系尊属もいないときは、配偶者と兄弟姉妹が相続人になり、配偶者が4分の3、兄弟姉妹は全員で4分の1です(同条3号)。兄弟姉妹が複数いれば、4分の1を等分しますが、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(異母兄弟・異父兄弟)の割合は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の2分の1です(同条4号ただし書)。
| 兄弟姉妹の構成 | 配偶者 | 兄弟姉妹の各自 |
|---|---|---|
| 双方が同じ兄弟1人 | 4分の3 | 4分の1 |
| 双方が同じ兄弟2人 | 4分の3 | 各8分の1 |
| 双方が同じ兄弟3人 | 4分の3 | 各12分の1 |
| 双方が同じ兄弟1人+異母(異父)兄弟1人 | 4分の3 | 双方同じが6分の1、異母(異父)が12分の1 |
| 双方が同じ兄弟2人+異母(異父)兄弟1人 | 4分の3 | 双方同じが各10分の1、異母(異父)が20分の1 |
民法900条3号・4号ただし書。兄弟姉妹の4分の1を、双方が同じ人を2、一方だけが同じ人を1の比で分けた手計算です。
配偶者がいなくて兄弟姉妹だけが相続人のときは、全部を同じ比で分けます。異母兄弟の割合が半分になるのは兄弟姉妹が相続人の場合だけで、亡くなった人の子には当てはまりません。
子や兄弟が先に亡くなっているとき(代襲相続)
子が、相続の開始以前に死亡したときや、相続欠格(民法891条)・廃除(同法892条)で相続権を失ったときは、その子(孫)が代わりに相続人になります(民法887条2項)。孫の割合は、亡くなった子が受けるはずだった割合と同じで、孫が複数いれば等分です(同法901条1項)。
| 場面 | 配偶者 | 子・孫・甥姪 |
|---|---|---|
| 子3人のうち1人が先に死亡、その子(孫)が2人 | 2分の1 | 生存の子は各6分の1、孫は各12分の1 |
| 子が1人だけで先に死亡、その子(孫)が1人 | 2分の1 | 孫が2分の1 |
| 兄弟2人のうち1人が先に死亡、その子(甥姪)が2人 | 4分の3 | 生存の兄弟は8分の1、甥姪は各16分の1 |
民法887条2項・889条2項・901条。足すとどの行も1になります。
- 孫も先に亡くなっているとき:子の場合は、孫の子(ひ孫)がさらに代襲します(民法887条3項)。
- 兄弟姉妹の場合:代襲するのは兄弟姉妹の子(甥姪)までです。民法889条2項は887条2項だけを準用していて、3項(再代襲)は準用していません。
- 直系尊属には代襲がありません:親等の近い人が先に相続人になります(同法889条1項1号)。
- 相続放棄の場合:放棄した人は初めから相続人でなかったものとみなされ(同法939条)、放棄は代襲の原因に挙がっていないので、放棄した子の子は代襲しません。
亡くなった人(被相続人)より先ではなく、遺産分割の前に相続人が亡くなったときは別の扱いで、登記の進め方は数次相続の不動産登記にあります。
遺言や話し合いで、この割合を変えられるか
法定相続分は、遺言がないときの基本の割合で、次のように変わる場面があります。
| 場面 | 割合はどうなるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 遺言で相続分を指定 | 指定のとおり。一部の人だけ指定したときは、ほかの人は法定相続分の規定で定める | 902条 |
| 遺言がなく、相続人全員で分け方を話し合う | 協議で分割できる | 907条1項 |
| 話し合いがまとまらない | 家庭裁判所の調停・審判。審判は遺産の種類・性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態、生活の状況などを考慮 | 906条・907条2項 |
| 相続開始から10年を過ぎた | 特別受益・寄与分を考えず、法定相続分(または指定相続分)で分けるのが原則 | 904条の3 |
民法902条・904条の3・906条・907条、法務省「具体的相続分による遺産分割の時的限界」。10年を過ぎても、その前に家庭裁判所へ分割を請求していたときなど、例外があります。
裁判所の遺産分割調停は、相続人の1人または何人かが、ほかの相続人全員を相手方として申し立てます。申立ての費用は、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手です(裁判所の案内)。
遺言で、ある相続人の取り分を法定相続分より小さくしても、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があります(民法1042条)。遺留分の割合と金額は、遺留分の計算機で試算できます。
介護や同居は割合に反映されるか(寄与分・特別受益)
同居や介護をしたという事実だけで、法定相続分の割合が自動で変わる定めは、民法にありません。そのうえで、民法には次の仕組みがあります。
- 寄与分(共同相続人のみ):被相続人の事業を手伝った、お金を出した、療養看護をしたなどで、財産の維持・増加に「特別の寄与」をした共同相続人がいれば、協議で定めた寄与分を遺産から先に控除し、その人の相続分に加えます(民法904条の2第1項)。協議が調わないときは、家庭裁判所が寄与の時期、方法、程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定めます(同条2項)。寄与分は、遺産から遺贈を引いた残りを超えられません(同条3項)。
- 相続人でない親族の特別寄与料:相続人でない親族が、無償で療養看護などをして特別の寄与をしたときは、相続人に金銭を請求できます(民法1050条)。家庭裁判所に申し立てられる期間は、相続の開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始の時から1年です(裁判所の案内)。
- 特別受益(もらい過ぎの調整):相続人が、遺贈や、婚姻・養子縁組のための贈与、生計の資本としての贈与を受けていたときは、その価額を遺産に加えて相続分を計算し、受けた分を差し引きます(民法903条1項)。婚姻期間20年以上の夫婦の一方が、他方へ居住用の建物またはその敷地を遺贈・贈与したときは、特別受益として扱わない意思を表示したものと推定されます(同条4項)。
寄与分として認められるかどうか、いくらになるかは、個別の事情と資料で変わります。このページでは額の目安を示しません。裁判所の寄与分を定める処分調停も、申立ての費用は申立人1人につき収入印紙1,200円分です。
寄与分と特別受益は、相続開始から10年を過ぎた遺産分割では、原則として使えません(民法904条の3)。時期の整理は遺産分割に期限はある?にあります。
遺産が家だけのとき、割合はどう使うか
相続人が複数いると、遺産分割が済むまで、相続財産は相続人の共有です。共有の持分は、法定相続分などで算定した相続分になります(民法898条)。割合は金額にできても、家は切り分けられません。
- 1人が家を取り、ほかの人にお金で調整する:評価額と払い方は代償分割とはにあります。
- 家を売って、代金を分ける:売却の代金の分け方も、相続人の協議で決めます。
- 共有名義のまま持つ:あとで売却や活用が難しくなる点は共有持分は売却できる?にあります。
分け方が決まったら、協議書に書きます。書く項目は遺産分割協議書の書き方にあります。相続税の計算で法定相続分がどう使われるかは相続税の税率と速算表にあります。
よくある質問
法定相続分とは何ですか?
民法900条が定める、同じ順位の相続人が複数いるときの相続分の割合です。配偶者は常に相続人になり(民法890条)、子がいれば子、いなければ直系尊属(父母など)、それもいなければ兄弟姉妹が配偶者と一緒に相続人になります(同法887条・889条)。
配偶者と子供2人のとき、それぞれの割合はいくらですか?
配偶者が2分の1、子は2人で2分の1なので、1人あたり4分の1です(民法900条1号・4号)。子が3人なら1人あたり6分の1、4人なら8分の1です。配偶者がいない場合は、子2人で2分の1ずつ、3人で3分の1ずつです。
配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、割合はどうなりますか?
配偶者が4分の3、兄弟姉妹は全員で4分の1です(民法900条3号)。兄弟姉妹が複数いれば、4分の1を等分します。このうち父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(異母兄弟・異父兄弟)は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の2分の1です(同条4号ただし書)。
異母兄弟(腹違い)は、相続分が半分になりますか?
半分になるのは、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になる場合です(民法900条4号ただし書)。亡くなった人の子が相続人のときは、子はすべて同じ割合で、父母の一方だけが同じかどうかで割合は変わりません(同条4号本文)。
子が先に亡くなっているとき、孫はどれだけ相続できますか?
亡くなった子が受けるはずだった割合を、孫が引き継ぎます。これを代襲相続といいます(民法887条2項・901条)。孫が複数いれば、その割合を等分します。たとえば子3人のうち1人が先に亡くなり孫が2人いて、配偶者もいるなら、生存の子は各6分の1、孫は各12分の1です。
遺言があれば、法定相続分と違う割合にできますか?
できます。亡くなった人は、遺言で共同相続人の相続分を定められます(民法902条)。一部の人の相続分だけを定めたときは、ほかの人の相続分は900条・901条で定めます。ただし、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があります(同法1042条)。
親の介護をしたり、同居したりしていた子は、相続分が増えますか?
同居や介護をしたという事実だけで、割合が自動で変わる定めは民法にありません。共同相続人の中に、被相続人の療養看護などで財産の維持・増加に「特別の寄与」をした人がいれば、寄与分が認められる場合があります(民法904条の2第1項)。協議がまとまらないときは、家庭裁判所が寄与の時期、方法、程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定めます(同条2項)。認められるかどうかと額は個別の事情で変わり、このページでは額を示しません。
相続人でない人(長男の妻など)が介護をしたときは、何か請求できますか?
相続人でない親族が、無償で療養看護などをして被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした場合は、相続人に特別寄与料の支払を請求できます(民法1050条)。裁判所の案内では、家庭裁判所への申立ては、相続の開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始の時から1年を過ぎるとできません。
相続放棄をした人がいると、ほかの人の割合は変わりますか?
相続を放棄した人は、初めから相続人でなかったものとみなされます(民法939条)。このため、残った相続人で割合を計算し直します。放棄は代襲相続の原因に挙がっていない(民法887条2項は死亡・欠格・廃除)ので、放棄した子の子は代襲して相続人にはなりません。
法定相続分は、相続税の計算にも使いますか?
相続税でも法定相続分は出てきますが、このページは民法の割合の整理です。相続税の総額の計算での使われ方は「相続税の税率と速算表」のページにあります。
参考・出典
- e-Gov法令検索 民法(第887条・第889条・第890条・第898条・第900条から第904条の3・第906条・第907条・第939条・第1042条・第1050条)
- 裁判所 遺産分割調停
- 裁判所 寄与分を定める処分調停
- 裁判所 特別の寄与に関する処分調停
- 法務省 具体的相続分による遺産分割の時的限界
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の相続の割合や寄与分の可否は、家庭裁判所、弁護士、司法書士などの専門家にご相談ください。