相続登記 読了時間:約8分

相続登記の費用の相場はいくら?登録免許税・司法書士報酬の目安

相続登記にかかる費用は、国に納める登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)と、依頼する場合の司法書士報酬(全国平均74,888円)、そして戸籍謄本などの実費の合計です。評価額1,000万円の不動産なら、司法書士に依頼した場合はおおむね12万円前後、自分で申請すれば4万円台が目安になります。登録免許税の計算方法・司法書士報酬の全国平均・自分でやる場合の費用まで、公的な原典の数値で整理します。

相続登記の費用の内訳と総額の目安

相続登記の費用は、次の3つの合計で決まります。

自分で申請する場合(評価額1,000万円)

4万円台

登録免許税4万円+実費

司法書士に依頼する場合(同上)

12万円前後

登録免許税4万円+司法書士報酬74,888円+実費

登録免許税はどちらの方法でも同額かかります。差額はほぼ司法書士報酬分=手間と時間を任せる対価です。

登録免許税の計算方法と早見表

相続登記の登録免許税は、登録免許税法別表第一により「不動産の価額(固定資産税評価額)×1000分の4(0.4%)」と定められています。固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書または市区町村役所で取得できる固定資産税評価証明書で確認できます(具体的な取り方は固定資産税評価額の調べ方で解説)。

固定資産税評価額 登録免許税
500万円 2万円
1,000万円 4万円
1,500万円 6万円
2,000万円 8万円
3,000万円 12万円

100円未満の端数は切り捨てます。土地と建物がある場合は、両方の評価額を合算してから計算します。

評価額100万円以下の土地は免税

固定資産税評価額が100万円以下の土地については、相続登記の登録免許税が免除される措置があります(租税特別措置法第84条の2の2第2項)。対象は2027年3月31日までに受ける登記で、建物は対象に含まれません。適用できるかは法務局に確認しましょう。

司法書士報酬の相場(全国平均)

司法書士の報酬は各司法書士が自由に定めるため、法律で決まった金額はありません。目安として参考になるのが、日本司法書士会連合会が2024年(令和6年)3月に実施した報酬アンケートです。

相続登記の報酬(全国平均)

74,888円

有効回答数1,109件

この金額は、「土地1筆・建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)の所有権移転登記手続を受任し、戸籍謄本等5通の交付請求、遺産分割協議書・相続関係説明図の作成、登記申請の代理をした場合(法定相続人3名のうち1名が単独相続)」という設例に対する回答の平均です。同アンケートのコメントでも「相続を原因とする所有権移転登記の報酬は、相続人や不動産の数等により大きく左右される」とされており、相続人が多い・不動産が複数ある場合は報酬も上がる点に注意してください。

自分でやる場合にかかる実費

司法書士に依頼せず自分で申請する場合でも、書類の取得に実費がかかります。主なものは次のとおりです(手数料の額は政令で定められた全国共通の金額)。

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める場合、本籍地を何度か移していると戸籍謄本・除籍謄本を合わせて5〜10通程度必要になることもあります。実費だけなら数千円に収まるケースが多いですが、書類の収集に手間がかかる点は司法書士に依頼するかどうかの判断材料になります。自分で申請する手順は相続登記を自分でやる方法で解説しています。

誰が払う?経費(債務控除)になる?

誰が払うか

相続登記の費用を誰が負担するかについて法律上の定めはなく、相続人間の話し合いで決めます。実務上は、その不動産の名義を受け取る(相続する)相続人が負担するのが一般的です。

相続税の計算では経費(債務控除)になりません

相続税法第13条が定める債務控除の対象は「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」と「被相続人に係る葬式費用」の2つに限られます。相続登記の登録免許税・司法書士報酬は相続開始後に相続人が支払う費用のため、債務控除の対象にはなりません。

不動産を売却するときの取得費には算入できる

一方、国税庁タックスアンサーNo.3252によると、相続により取得した不動産の登録免許税(登記費用を含む)は、その不動産を将来売却したときの譲渡所得を計算する際の取得費に含めることができるとされています(業務用資産を除く)。将来売却する可能性がある場合は、登記費用の領収書を保管しておくとよいでしょう。

自分の不動産で計算する

ご自身が相続した不動産の固定資産税評価額を当てはめると、登録免許税・実費・司法書士報酬を含めた総額の目安を試算できます。「自分でやる場合」と「司法書士に依頼する場合」を並べて比較できる相続登記費用計算機もあわせてご利用ください。

よくある質問

相続登記の費用の相場はいくら?

評価額1,000万円の不動産(土地1筆・建物1棟)を例にすると、司法書士に依頼した場合はおおむね12万円前後(登録免許税4万円+司法書士報酬の全国平均74,888円+実費数千円)、自分で申請した場合は4万円台(登録免許税4万円+実費数千円)が目安です。評価額・物件数・相続人数によって変わります。

司法書士報酬の相場はいくらですか?

日本司法書士会連合会が2024年(令和6年)3月に実施した報酬アンケートによると、土地1筆・建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)で法定相続人3名のうち1名が単独相続した場合の相続登記(戸籍謄本等5通の交付請求を含む代理業務)の報酬は、全国の司法書士1,109件の回答で平均74,888円でした。相続人の人数や不動産の数によって金額は変わります。

相続登記の費用は誰が払いますか?

法律上、費用を誰が負担するかの定めはなく、相続人間の話し合いで決めます。実務上は、その不動産を相続する(名義を受け取る)人が負担するケースが一般的です。

相続登記の費用は相続税の計算で経費(債務控除)になりますか?

なりません。相続税法第13条が定める債務控除の対象は「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」と「被相続人に係る葬式費用」に限られ、相続開始後に相続人が支払う登記費用は含まれません。

相続登記にかかった費用は、将来その不動産を売るときに関係しますか?

国税庁タックスアンサーNo.3252によると、相続により取得した不動産の登録免許税(登記費用を含む)は、譲渡所得を計算する際の取得費に含めることができるとされています(業務用資産を除く)。将来その不動産を売却する予定がある場合は、登記にかかった費用の領収書を保管しておくとよいでしょう。

自分で相続登記をすれば司法書士報酬はかかりませんか?

はい。自分で法務局に申請すれば司法書士報酬はかからず、登録免許税と戸籍謄本等の実費だけで済みます。ただし戸籍の収集や申請書の作成に手間がかかります。具体的な手順は相続登記を自分でやる方法で解説しています。

参考・出典

運

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