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相続した別荘(戸建て)を売るには|3,000万円控除は使える?売却の税金・固定資産税・売れないときの手放し方
国税庁は、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の適用除外に、「別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋」を挙げています。相続した空き家の3,000万円特別控除は、相続開始の直前に亡くなった方が住んでいた家屋などが対象で、国税庁の案内に別荘という語はありません。売ったときの税率は、所有期間が5年を超えると所得税15%・住民税5%で、相続では亡くなった方が取得した日から数えるのが原則です。別荘は固定資産税の住宅用地の特例の対象からも外れる扱いがあり、売れずに持ち続けると、管理費と税金が毎年かかります。税金のうち別荘で扱いが分かれる点、別荘地の管理費の確かめ方、手放し方4つの確かめることを、原文で整理します。
| 場面 | 原文でわかること | 出典 |
|---|---|---|
| マイホームの3,000万円控除 | 適用除外に「別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋」 | 国税庁 No.3302 |
| 相続した空き家の3,000万円控除 | 対象は相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋など。別荘という語はない | 国税庁 No.3306 |
| 取得費加算 | 相続税が課税された人が、申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売る。別荘の除外の記載はない | 国税庁 No.3267 |
| 売って損が出たとき | 別荘にあたる資産の損失は、政令で定めるもの以外は生じなかったものとみなされる | 所得税法69条2項、施行令178条1項2号 |
| 固定資産税の住宅用地の特例 | 全部が別荘の用に供される家屋の敷地は、特例の対象から除かれる | 地方税法施行令52条の11第2項 |
国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)、e-Gov法令検索の所得税法・同施行令・地方税法・同施行令から作成(2026年10月3日取得)。
自分はどの場合に当てはまるか
- 売ると税金がいくらかかるか、控除が使えるかを知りたい:節2に、国税庁の原文で別荘の扱いが分かれる点があります。家を売る税金の早見表は家を売る税金はいくら?にあります。
- 毎年、管理費と固定資産税だけ払っている:節3に管理費の確かめ方、節4に固定資産税の住宅用地の特例があります。
- 売り出しても買い手が付かない:節5に手放し方4つ、節6に買取会社の公式サイトの原文があります。
- 建物が区分所有のリゾートマンション:このページは戸建ての別荘です。マンションはリゾートマンションが売れないときの対処にあります。
- 名義がまだ亡くなった方のまま:登記の義務と手続きは相続登記の義務化にあります。
売ったときの税金:別荘で扱いが分かれる点
土地や建物を売ったときの税金は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得にかかります(国税庁 No.3202)。ここまでは別荘も同じです。
- 取得費:建物は購入代金などから所有期間中の減価償却費相当額を引きます。取得費が分からないとき、または実際の取得費が売った金額の5%より少ないときは、売った金額の5%を取得費にできます(No.3202・3258)。
- 税率:譲渡した年の1月1日で所有期間が5年を超える場合は、所得税15%・住民税5%です。5年以下は所得税30%・住民税9%です。復興特別所得税として、所得税額に2.1%が別にかかります(No.3208・3211)。
- 所有期間の数え方:相続で取得したものは、原則として、亡くなった方が取得した日から数えます(No.3202)。
- 譲渡費用:仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです(No.3202)。修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用は、譲渡費用になりません(No.3255)。別荘地の管理費がこれに当たるかは、原文に書かれていません。
マイホームの3,000万円特別控除
No.3302は、売った家屋が「現に自分が住んでいる家屋」「以前に住んでいた家屋」などに当たることを要件にし、適用除外の1つに「別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋」を挙げています。
相続した空き家の3,000万円特別控除
No.3306の対象は、相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、区分所有建物登記がされていないこと、相続開始の直前に被相続人以外に居住していた人がいないことが要件です。売る期限は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、売却代金は1億円以下です。国税庁の案内に別荘という語はありません。別荘として使っていた家がこの要件に当たるかは書かれていないため、市区町村の「被相続人居住用家屋等確認書」の窓口か税務署で確かめます。条件の全体は空き家の3,000万円特別控除にあります。
取得費加算の特例
No.3267は、相続税が課税された人が、相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、相続税額のうち一定額を取得費に加算できるとしています。別荘を除くという記載はありません。期限の数え方は相続した土地を売ったときの税金と相続した家を売るタイミングにあります。
売って損が出たとき
所得税法69条2項は、生活に通常必要でない資産に係る所得の計算上生じた損失について、政令で定めるもの以外は生じなかったものとみなすと定めています。施行令178条1項2号は、生活に通常必要でない資産に、「通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するもの」を挙げています。売った額が取得費と譲渡費用の合計を下回るとき、その損失は給与などほかの所得とは通算されないと条文は定めています。相続した別荘がこの家屋に当たるかは、使い方によって変わるため、売る前に税務署か税理士に聞いてください。
売った年の確定申告の手順は相続した不動産を売却した年の確定申告にあります。
別荘地の管理費・管理会社との契約を確かめる
別荘地の管理費、管理会社との契約、温泉の利用権について、取得できた公的資料に定めの記載はありませんでした。内容は、契約書と管理会社の請求書で確かめます。
- 亡くなった方の未払い:民法896条は、相続人は相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定めています。未払いの管理費の有無と金額は、管理会社に確認できます。
- 国庫帰属との関係:法務省のQ&Aは、管理費の支払を巡ってトラブルになるような別荘地は引き取れない可能性があると答えています。
- 売却額:相場の数値はこの記事に載せていません。国土交通省の不動産情報ライブラリで取引価格を地域別に検索できます。別荘地は取引件数が少ない場合があり、数件の価格が相場を代表しているとは限りません。
- 火災保険:別荘を引き受けるかは保険会社ごとに違います。空き家の火災保険にあります。
固定資産税:住宅用地の特例と1月1日
- 誰に課されるか:固定資産税は、その年の1月1日(賦課期日、地方税法359条)の所有者に課されます。登記簿の所有者が賦課期日前に亡くなっているときは、1月1日に現に所有している人が納税義務者です(343条2項)。名義が亡くなった方のままでも、相続した人に課税されます。
- 住宅用地の特例:居住用の家屋の敷地は、課税標準が価格の3分の1になり、200平方メートル以下の部分は6分の1になります(地方税法349条の3の2)。
- 別荘の敷地:地方税法施行令52条の11第2項は、特例の対象になる土地から、その全部が別荘の用に供される家屋の敷地を除いています。別荘は、施行令36条2項で、日常生活の用に供しないものとして総務省令で定める家屋又はその部分のうち専ら保養の用に供するものとされています。
- 自分の別荘の扱い:特例が付いているかは、毎年の納税通知書に添える課税明細書か、市区町村の資産税課で確かめられます。別荘の固定資産税の金額の相場は、取得した資料にありませんでした。
- 売る年の1月1日:売る時期と固定資産税の関係は相続した家を売るタイミングにあります。
手放し方4つの確かめること
| 手放し方 | 向く別荘 | 確かめること |
|---|---|---|
| 仲介で売る | 買い手が付く見込みがあり、売り出して待てる別荘 | 仲介手数料の上限と、売れた価格から引く費用 |
| 買取会社に売る | 売り出しても動かない、早く手放したい別荘 | その会社が別荘を扱うか、買取の査定額 |
| 自治体などに寄付する | 受け取る側が欲しがる条件のそろった土地と建物 | 受け取るかは相手が決める。税金の注意点 |
| 国に引き取ってもらう | 建物を取り壊したあとの土地で、管理費のトラブルがない別荘地 | 建物があると申請できない。負担金と要件 |
相続土地国庫帰属法、法務省のQ&A(令和7年9月1日現在)、国税庁 No.3202から作成(2026年10月3日取得)。
- 仲介:仲介手数料の計算式と、800万円以下の空き家の特例は不動産売却の仲介手数料にあります。売れない土地の売り方は田舎の空き家・土地が売れない場合の対処法5選にあります。
- 買取:節6に、ラクウルの公式サイトにあることを書きました。買取会社の選び方は空き家買取業者の選び方にあります。
- 寄付:手続きと税金の注意点は空き家を自治体・NPOに寄付できる?にあります。
- 国庫帰属:相続土地国庫帰属法2条3項1号は、建物の存する土地は承認申請ができないと定めています。法務省のQ&Aは、建物は取り壊した上で承認申請をするのが原則としています。負担金の金額と、引き取ってもらえない土地の要件は相続土地国庫帰属制度とは?にあります。
買取会社に聞く前に:ラクウルの公式サイトにあること
空き家・中古不動産の買取を専門にするラクウルの公式サイト(2026年10月3日に確認)には、次のことが書かれています。
- 対象:トップページに「日本全国の空き家・中古不動産」とあります。公式サイトに「別荘」の語は見当たらず、別荘が買取の対象になるかは書かれていません。対象になるかは、査定や問い合わせで確かめます。
- 費用:「ラクウルの物件買取は、自社買取であるため仲介手数料などの諸費用がかからず」とあります。査定は「無料で行わせていただきます」とあります。
- 築年数:よくある質問で、「築年数が古すぎるのですが大丈夫ですか?」に「はい、問題ありません。築年数については完全に不問です。」と答えています。「他社に断られた物件でも大丈夫ですか?」にも「はい、問題ありません」とあります。
- 査定の方法:AI査定は、所在地の市区町村・築年数・土地面積を選び、市場価格を推定する仕組みです。買取の査定金額は、問い合わせのあと物件を調査して提示するとあります。AI査定のほかに、メール相談があります。
仲介と買取のどちらが手取りが多いかは、物件ごとに違います。買取の査定額と、仲介で売れた場合の価格から費用を引いた額を並べて比べてください。ラクウルの仕組みは空き家買取ラクウルとはにあります。
よくある質問
相続した別荘を売ると、3,000万円特別控除は使えますか?
国税庁のタックスアンサー No.3302(マイホームを売ったときの特例)は、適用除外の家屋に「別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋」を挙げています。相続した空き家の特例(No.3306)は、相続開始の直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋などが対象で、別荘という語は書かれていません。別荘として使っていた家が対象になるかは、原文からは判断できません。売る前に税務署か税理士に確かめてください。
相続した別荘を売って損が出たら、ほかの所得と相殺できますか?
所得税法69条2項は、生活に通常必要でない資産に係る所得の計算上生じた損失は、政令で定めるもの以外は生じなかったものとみなすと定めています。所得税法施行令178条1項2号は、生活に通常必要でない資産に、通常自己及び生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で、主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するものを挙げています。条文は、この種の損失は給与などほかの所得とは通算されないと定めています。相続した別荘がこの家屋に当たるかは、使い方によって変わるため、売る前に税務署か税理士に確かめてください。
相続した別荘を国に引き取ってもらえますか?
相続土地国庫帰属法2条3項1号は、建物の存する土地は承認申請ができないと定めています。法務省のQ&Aは、建物は取り壊した上で承認申請をするのが原則としています。別荘地については、「別荘地」というだけで直ちに引き取ることができないということはないが、管理費の支払を巡ってトラブルになるような別荘地は引き取れない可能性がある、と答えています。
別荘の固定資産税には、住宅用地の特例が付きますか?
地方税法施行令52条の11第2項は、住宅用地の特例(課税標準が価格の3分の1、200平方メートル以下の部分は6分の1)の対象となる土地から、その全部が別荘の用に供される家屋の敷地を除いています。別荘は、施行令36条2項で、日常生活の用に供しないものとして総務省令で定める家屋又はその部分のうち専ら保養の用に供するものとされています。自分の別荘がどちらの扱いかは、納税通知書の課税明細か市区町村の資産税課で確かめられます。
相続した別荘は、いくらで売れますか?
この記事では売却額の相場を載せていません。国土交通省の不動産情報ライブラリは、取引価格を地域別に検索できます。ただし、別荘地は取引件数が少ない場合があり、数件の価格が相場を代表しているとは限りません。買取会社の査定額と、仲介で売り出したときの価格を並べて比べてください。
参考・出典
- 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
- 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
- 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
- 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき
- 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの
- e-Gov法令検索 所得税法(第69条)
- e-Gov法令検索 所得税法施行令(第178条)
- e-Gov法令検索 地方税法(第343条・第349条の3の2・第359条)
- e-Gov法令検索 地方税法施行令(第36条・第52条の11)
- e-Gov法令検索 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律
- e-Gov法令検索 民法(第896条)
- 法務省 相続土地国庫帰属制度に関するQ&A
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産価格情報)
- ラクウル(空き家買取専門)公式サイト
- ラクウル よくある質問
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案の判断は、税務署、税理士、市区町村、法務局、不動産会社などにご確認ください。