売却・活用 読了時間:約10分

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遠方の実家を現地に行かずに売るには?どこまで遠隔でできるか・IT重説と電子契約・司法書士の本人確認と委任・鍵と内覧・売る前の相続登記

宅建業法は、媒介契約の書面・重要事項説明書・契約が成立したときの書面を、相手方の承諾を得て電磁的方法で提供することを認めています(34条の2第11項・35条8項・37条4項)。国土交通省は、令和4年5月18日の施行で、重要事項説明をオンラインでも実施できるようにしました。一方、国土交通省のマニュアルは宅建業法の範囲の取扱いを示すもので、売買契約書への押印など民間の取引慣行は含まない、としています。登記は売主と買主の共同申請で、売主が現地に来られないときは、司法書士などが本人確認に必要な情報を登記官に提供する方法が、条文にあります(不動産登記法60条・23条4項1号)。実際にどこまで遠隔にできるかは、仲介会社・買取業者・司法書士の対応で決まります。

手続き遠隔で進められる範囲先に確かめること
相談・査定法令の定めはなく、会社ごとの対応。ラクウルの公式サイトは、オンライン面談・メール・チャット・電話での相談を案内現地調査があるか(査定の立ち会いは不要と公式サイトにあり)
媒介契約書面を、依頼者の承諾を得て電磁的方法で提供できる(宅建業法34条の2第11項)専任の場合の報告の頻度と有効期間
重要事項説明・契約書面説明はオンラインでも実施できる(国土交通省)。契約が成立したときの書面も、承諾を得て電磁的方法で提供できる(37条4項)売主が受け取る書面は何か。契約書の押印の方法
決済・登記共同申請(不動産登記法60条)。司法書士などが本人確認に必要な情報を提供すれば、事前通知は適用しない(23条4項1号)司法書士の本人確認の方法。委任の範囲

e-Gov法令検索 宅地建物取引業法・不動産登記法、国土交通省の案内(2026年10月3日取得)。条文に書かれていない手順や費用は載せていません。

自分はどの場合に当てはまるか

相談から媒介契約まで、現地に行かずに進められるのか

相談や査定の進め方を決める法令はなく、会社ごとの対応です。媒介契約からは、宅建業法に定めがあります。

現地に行けない売主にとって、報告の頻度と手段は、買主の動きを知る手がかりです。書かれていないのは、査定の方法や精度、媒介契約の前に現地へ来てもらうかどうかです。この記事では載せません。

重要事項説明と売買契約の書面は、オンラインでできるのか

宅建業法が業者に交付を求める3つの書面と、電磁的方法で提供できるかを、条文どおりに並べます。

書面交付先電磁的方法
媒介契約の書面(34条の2)依頼者依頼者の承諾を得て提供できる(11項)
重要事項説明書(35条)取得し、または借りようとしている者に関する説明相手方の承諾を得て提供できる(8項)。説明はオンラインでも実施できる(国土交通省)
契約が成立したときの書面(37条)契約の各当事者(媒介の場合)各号に定める者の承諾を得て提供できる(4項)

出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法34条の2・35条・37条、国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」(令和4年5月18日施行)。

決済と登記は、行かずに済むのか

売買による所有権の移転の登記は、売主と買主の共同申請です。条文の並びは次のとおりです。

場面不動産登記法の答え注意点
共同申請登記権利者と登記義務者が共同して申請する(60条)。売主は登記義務者(2条13号)売主に代わって手続きをする人は誰か
登記識別情報共同申請では、登記義務者の登記識別情報を提供する。提供できない正当な理由があるときは別(22条)紛失していないか
提供できないとき登記官が登記義務者に事前通知し、期間内の申出がなければ登記できない(23条1項)通知を受け取れる住所か
司法書士などの代理人登記の代理を業とできる代理人が、登記官に本人確認に必要な情報を提供し、登記官が相当と認めたときは、1項の事前通知は適用しない(23条4項1号)。公証人の認証でも適用しない(同項2号)本人確認の方法は司法書士に確認
住所を移している所有権の登記義務者の住所変更の登記がされているときは、前の住所にも通知する(23条2項)住所変更の申請は変更から2年以内(76条の5)

出典:e-Gov法令検索 不動産登記法2条・22条・23条・60条・76条の5(2026年10月3日取得)。

売る前に、相続登記は要るのか

不動産登記法2条13号は、登記義務者を、登記をすることで登記上直接に不利益を受ける登記名義人としています。名義が亡くなった親のままのとき、売主になる相続人の名義にする相続登記を、先に済ませるのが一般的な手順です。

鍵・内覧・家の片付けは、誰がするのか

売主の鍵の預け方や、内覧への立ち会いを決める法令や国土交通省の案内は、取得した原典にありませんでした。国土交通省のマニュアルに書かれているのは、買主になろうとする者に内覧をしてもらうことは法律上の義務ではないが、推奨される、という点です。

遠方でも相談できる買取の窓口はあるのか

仲介で買主を探す方法のほかに、業者が直接買い取る方法があります。遠方の相続人が相談できる窓口として、ラクウル(相続不動産の買取)の公式サイトの記載は次のとおりです。

買取は、買主を探す期間がない代わりに、買取の査定額が仲介で売れる金額と同じとは限りません。売る・貸す・残すの比べ方は、相続した親の家を売る・貸す・残すの選び方のページにあります。

よくある質問

遠方の実家は、一度も現地に行かずに売れますか?

宅建業法は、媒介契約の書面、重要事項説明書、契約締結時の書面を、相手方の承諾を得て電磁的方法で提供することを認めています。国土交通省は、重要事項説明をオンラインで実施することも案内しています。一方で、登記の本人確認、契約書の押印の扱い、鍵の預け方、家の中の片付けは、仲介会社や司法書士の対応によって変わります。この記事では、一度も行かずに売れる、とは断定しません。どこまで遠隔にできるかは、依頼する会社に先に聞いてください。

売主も、オンラインの重要事項説明を受ける必要がありますか?

宅建業法35条1項は、説明の対象を、業者の相手方等のうち「取得し、又は借りようとしている」宅地や建物に関する者としており、売主が受ける説明としては書かれていません。売主に交付される書面として条文にあるのは、媒介契約の書面(34条の2)と、契約が成立したときの書面(37条)です。ただし、実際の進め方は仲介会社の運用によって異なるため、売主として何を受け取るのかを、媒介契約の前に聞いてください。

電子契約にすると、印紙税はかかりませんか?

国土交通省の消費者向けの案内は、電子書面で交付を受ける場合の想定されるメリットとして、電子契約をした場合に印紙税がかからないことを挙げています。個別の契約についての印紙税の扱いは、取得した原典に書かれていないため、この記事では確定した扱いとして書きません。税務署または税理士にご確認ください。

司法書士に頼めば、法務局にも行かずに登記できますか?

不動産登記法23条4項1号は、登記の代理を業とすることができる代理人が、登記官に、申請人が登記義務者であることを確認するために必要な情報を提供し、登記官がその内容を相当と認めるときは、登記官から登記義務者への事前通知は適用しない、と定めています。司法書士がどのような方法で本人確認を行うか、売主本人が面談やオンラインで確認を受けるかは、条文には書かれていません(法務省令の定めです)。依頼する司法書士にご確認ください。

委任状を書けば、代理人が売ってくれますか?

民法99条1項は、代理人が権限の範囲内で、本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に直接効力が生じるとしています。委任は、当事者の一方が法律行為を相手方に委託し、相手方が承諾することで効力が生じます(643条)。ただし、委任状の様式、添付する書類、代理人が行える範囲は、取得した原典に書かれていません。親名義の家の場合は、親名義の家を子どもが売るページもご覧ください。具体的な事案は、司法書士や弁護士にご相談ください。

登記の名義が亡くなった親のままでも、売れますか?

不動産登記法60条は、権利に関する登記の申請を、登記権利者と登記義務者の共同申請とし、2条13号は、登記義務者を、登記をすることで登記上直接に不利益を受ける登記名義人としています。名義が亡くなった方のままのとき、売主になる相続人の名義にする相続登記を先に済ませるのが一般的な手順です。相続による所有権取得を知った日から3年以内の申請は義務で、76条の2に定めがあります。個別の事情は、司法書士にご相談ください。

売主が立ち会わなくても、買主の内覧は進められますか?

売主の鍵の預け方や内覧への立ち会いについて、法令や国土交通省の案内に定めは、取得した原典にありません。国土交通省のマニュアルには、買主になろうとする者に物件の内覧をしてもらうことは法律上の義務ではないが、推奨されると書かれています。売主が行けないときに誰が鍵を開けるかは、媒介契約の前に、仲介会社に確認してください。

遠方に住んでいても、ラクウルに相談できますか?

ラクウルの公式サイトのよくある質問に、「遠方在住ですが不動産の売却をお願いすることはできますか?」「はい、可能です。オンライン面談・メール・チャット・電話など、様々な方法で対応させて頂きます」とあります。相談費用は完全無料で、遠方の方にはオンラインでの相談も受け付けているとも書かれています。この「可能」は相談や依頼の話で、売買契約や決済、登記まで遠隔で完結するかは書かれていません。「査定に立ち会う必要はありますか?」には「その必要はありません」とあります。契約や決済の方法は書かれていないため、相談で確かめてください。

参考・出典

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の取引について、遠隔で売却や登記の手続きを進められるか、買取や査定ができるかを保証するものではありません。具体的な事案は、仲介会社・司法書士・弁護士にご相談ください。

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