相続税の申告に必要な書類は?全員が出す書類と特例の添付書類一覧
相続税の申告書には、戸籍謄本や遺産分割協議書の写しなど相続人全員が出す書類のほかに、不動産・預貯金・有価証券といった財産の種類ごとの書類、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使う場合の特例ごとの書類が必要です。国税庁「相続税の申告のしかた」と「相続税の申告のためのチェックシート」をもとに、書類の種類・取る場所・手数料・申告期限まで整理します。
相続税の申告で全員が出す書類は?
国税庁「相続税の申告のしかた」の「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」によると、特例を使わない一般的な場合でも、次の3つは相続人全員が出す書類です。
| 書類 | 取る場所 | 原本か写しか |
|---|---|---|
| 戸籍の謄本など(注1) | 本籍地の市区町村役場 | 原本(コピー機で複写したものも可) |
| 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し | 相続人全員で作成 | 写し |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 住所地の市区町村役場 | 原則、原本 |
(注1)戸籍の謄本などは、相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたもの、または図形式の法定相続情報一覧図の写しのいずれかです。被相続人に養子がいる場合は、その養子の戸籍の謄本又は抄本も必要です。遺産分割協議書の書き方は遺産分割協議書の書き方で解説しています。
財産の種類ごとに必要な書類は?
国税庁「相続税の申告のためのチェックシート」では、財産を正しく評価・計上するための検討資料として、次のような書類が挙げられています。
| 財産 | 必要な書類 | 取る場所 |
|---|---|---|
| 不動産 | 登記事項証明書・固定資産税評価証明書 | 法務局・不動産所在地の市区町村役場(東京23区は都税事務所) |
| 預貯金 | 残高証明書 | 口座のある金融機関 |
| 有価証券 | 証券・株券・通帳又はその預り証など | 証券会社・信託銀行など |
| 生命保険金 | 保険証券・支払保険料計算書など | 契約している保険会社 |
| 借入金 | 納付書・納税通知書・請求書・手形など | 借入先の金融機関など |
不動産の登記事項証明書・固定資産税評価証明書は、土地の地目や評価額の確認にも使う書類です。相続した不動産の名義変更にかかる費用は相続登記の費用の相場はいくら?で解説しています。
特例を使う場合に追加で必要な書類は?
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減など、税額を軽減する特例を使う場合は、全員が出す書類に加えて次の書類を添付します。
| 特例 | 追加で必要な書類 | 印鑑証明書 |
|---|---|---|
| 小規模宅地等の特例 | 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し | 原本 |
| 配偶者の税額軽減 | 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し | 原本 |
小規模宅地等の特例(国税庁タックスアンサーNo.4124)は、適用を受ける宅地等の区分によって、居住実態や介護保険の認定を示す書類などがさらに必要になる場合があります。配偶者の税額軽減(No.4158)で遺産分割協議がまとまっていない場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」もあわせて提出します。
書類はどこで、いくらで取れる?
書類の取得先と手数料の目安は次のとおりです。戸籍謄本・除籍謄本・登記事項証明書は全国共通の金額が政令で定められていますが、固定資産税評価証明書や残高証明書は自治体・金融機関ごとに額が異なります。
| 書類 | 取る場所 | 手数料 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場 | 1通450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 同上 | 1通750円 |
| 登記事項証明書 | 法務局(窓口・オンライン請求) | 窓口600円、オンライン請求480〜500円程度 |
| 固定資産税評価証明書 | 不動産所在地の市区町村役場 | 自治体ごとに定める額(数百円程度) |
| 残高証明書 | 各金融機関・証券会社 | 金融機関ごとに定める額(数百円〜1,000円程度) |
被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める場合、本籍地を何度か移していると複数の市区町村役場に請求することになり、書類が揃うまで日数がかかることがあります。
申告の期限はいつまで?
相続税法第27条第1項により、相続税の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」です(国税庁タックスアンサーNo.4205)。書類の収集や財産の評価には時間がかかることが多いため、期限の直前になって慌てないよう、対象になりそうな財産が分かった時点で戸籍謄本の取得などから準備を始めておくと安心です。申告費用の全体像は相続税申告の費用はいくら?で解説しています。
よくある質問
相続税の申告に必ず必要な書類は?
相続人全員に共通して必要になるのは、被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本など、遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し、遺産分割協議書に押印した相続人全員の印鑑証明書です(国税庁「相続税の申告のしかた」)。これに加えて、相続した財産の種類ごとの書類、特例を使う場合はその適用要件を確認する書類が必要になります。
財産の種類ごとに必要な書類はどう違う?
国税庁の「相続税の申告のためのチェックシート」によると、不動産は登記事項証明書・固定資産税評価証明書、預貯金は残高証明書、有価証券は証券や株券、生命保険金は保険証券や支払保険料計算書、借入金は納付書や請求書などが評価・計上の検討資料になります。
小規模宅地等の特例を使う場合、追加で何が必要?
小規模宅地等の特例(国税庁タックスアンサーNo.4124)や配偶者の税額軽減(No.4158)を使う場合は、全員が出す書類に加えて遺言書の写し又は遺産分割協議書の写しと相続人全員の印鑑証明書(原本)を添付します。特例の適用を受ける宅地等の区分によっては、居住実態を示す書類などがさらに必要になる場合があります。
戸籍謄本や登記事項証明書はいくらで取れる?
戸籍謄本は1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は1通750円(地方公共団体の手数料の標準に関する政令)、登記事項証明書は窓口請求で1通600円、オンライン請求なら480〜500円程度(登記手数料令)です。固定資産税評価証明書や金融機関の残高証明書は、自治体・金融機関ごとに手数料が異なります。
相続税の申告期限はいつまで?
相続税法第27条第1項により、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁タックスアンサーNo.4205)。書類の収集には時間がかかることがあるため、対象になりそうな財産が分かった時点で戸籍謄本などの取得から始めておくと、期限に追われにくくなります。