和歌山県新宮市の空き家率は、総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査で23.8%です。 空き家数は3,980戸、総住宅数は16,700戸です。
新宮市の空き家率(2023年)
23.8%
空き家 3,980戸 / 総住宅数 16,700戸
総務省の区分による新宮市の空き家3,980戸の内訳です(原数値は百戸単位で丸められているため、内訳の合計は空き家数と一致しない場合があります。標本数が少ない区分は「データなし」と表示しています)。
新宮市の空き家3,980戸のうち2,620戸、全体の65.8%は、賃貸にも売却にも出されていない「その他の空き家」です。相続や転居のあとに手つかずで残った住宅がこの区分の中心で、市場に出ている物件よりも、持ち主が使い道を決めかねている住宅の比重が大きい構成といえます。空き家の27.9%が賃貸用の空室で、賃貸の需給も数字に混じります。全国平均(42.8%)を大きく上回り、放置型に強く偏った内訳です。売却用は0.8%で、売り物件として出ている住宅は統計上ほとんどありません。23.8%という高い空き家率では、内訳を見ないと数字の意味を取り違えかねません。
新宮市の空き家3,980戸のうち、腐朽・破損があるものは1,420戸で、空き家全体の35.7%です。腐朽・破損の有無は、上の内訳とは別の統計表から集計されているため、数値の丸め方が内訳と異なります。
空き家の35.7%に傷みがあり、老朽化の進み方が課題になります。総住宅数に対しては8.5%が傷んだ空き家にあたり、全国的に見て高い比率です。傷んだ空き家は実数で1,420戸あり、住宅ストックの更新そのものが論点になります。腐朽・破損がある空き家は、管理されないまま放置されると、市区町村から特定空家等に指定されることがあります。特定空家等に指定されて改善の勧告を受けた場合、その敷地は固定資産税の住宅用地特例(課税標準が最大1/6になる措置)の対象から外れることがあり、その場合は税負担が大きくなります。
新宮市の空き家率は2008年の18.5%から 2023年には23.8%へ、 15年間で+5.3ポイント変化しました。直近の調査では上がり続けています。 同じ期間に全国平均は+0.7ポイント、和歌山県全体は+3.3ポイント動いています。
2013年をいちばん低い時点として、下がってから上がる形で推移しており、単純な右肩上がりではありません。全国平均(+0.7ポイント)を大きく超える上がり方で、変化の速さが際立ちます。2008年と比べた変化は+5.3ポイントで、地域の住宅事情が大きく動いたことを示します。内訳では行き先未定の住宅が中心のため、上昇分はそのまま管理されない住宅の増加につながりやすい構成です。23.8%という水準になると、住宅を増やすより減らす方向の議論が中心になります。
| 調査年 | 空き家率 | 前回調査比 | 全国平均との差 |
|---|---|---|---|
| 2008年 | 18.5% | — | +5.4ポイント |
| 2013年 | 17.6% | −0.9ポイント | +4.1ポイント |
| 2018年 | 22.0% | +4.4ポイント | +8.4ポイント |
| 2023年 | 23.8% | +1.8ポイント | +10.0ポイント |
住宅・土地統計調査は5年ごとの標本調査です。市町村合併があった自治体は、合併前の年のデータが 現在の区域と一致しない場合があります。空き家率には賃貸用の空室や別荘も含まれるため、 率が高いことがそのまま管理されていない空き家の多さを意味するわけではありません。
新宮市の人口は、2024年の25,822人から2050年には15,423人(2024年比 −40.3%)になると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」令和5年推計)。 住宅の需要は世帯の数に左右されるため、空き家の増減を考えるときは人口の見通しもあわせて確認しておくと、いま持っている住宅をどうするかを判断しやすくなります。
新宮市の空き家率は23.8%で、全国平均の13.8%より 10.0ポイント高くなっています。 全国1,059市区町村(個別データが公表されている市区町村)を空き家率の高い順に並べると106位(高いほうから約10%の位置)で、低い順では954位にあたります。
和歌山県内では、13市区町村のうち空き家率が高い順で4位です。 和歌山県全体の空き家率は21.2%で、新宮市はこれより2.6ポイント高くなっています。 和歌山県で空き家率が最も高いのは白浜町(43.2%)、最も低いのは岩出市(11.0%)です。
新宮市の空き家率は、全国1,059市区町村のうち高いほうから1割以内に入ります。和歌山県内では上位3分の1に入ります。全国平均を10.0ポイント引き離しており、住宅事情の違いは明確です。23.8%という水準は、住宅そのものが余っていることを前提に考える必要があります。住宅4戸に1戸が空き家という、かなり高い密度です。2050年の推計人口は2024年比−40.3%と、需要そのものが縮んでいく見通しです。
35.7%が老朽化しているもとでは、解体を含めた検討が現実的な選択肢になります。流通している住宅は28.6%にとどまり、動いていない住宅が多数を占めます。16,700戸の住宅を持つ自治体として、率と戸数のどちらで見るかで印象は変わります。行き先の決まっていない住宅が中心の地域では、売る・貸す・解体するのいずれを選ぶにしても、判断を先送りするほど選べる幅は狭まりやすくなります。空き家率がほぼ同じ鹿児島県枕崎市(23.8%)も「その他の空き家」が中心で、率だけでなく内訳の形も似ています。上下を繰り返してきた地域では、単年の数字より長い期間の傾向で見たほうが実態に近くなります。
空き家は、所有しているだけで固定資産税・管理の負担がかかり、放置すると老朽化や特定空き家指定のリスクが高まります。取りうる選択肢は大きく売却・賃貸(活用)・解体・管理の4つです。それぞれの費用や損得を、以下の無料ツールで具体的に試算できます。
行き先未定の住宅が多い地域では、同じ状態の家が周囲にも並びます。動くかどうかは状態と価格の差で決まります。人口が大きく減る見通しの地域では、時間が経つほど条件は不利になりやすくなります。老朽化した住宅が多い地域では、建物を残す前提を一度外して考えたほうが選択肢は広がります。住宅が大きく余っている地域では、複数の選択肢を同時に検討しておくほうが現実的です。行き先未定がほかの区分を大きく上回る環境では、買い手・借り手の側に強い選択権があります。
出典
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」/令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計
統計表:住宅及び世帯総数 居住世帯の有無(8区分)別住宅数-全国、都道府県、市区町村(表番号1-2-1)(e-Stat 統計表ID 0004021421)
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004021421
腐朽・破損あり空き家数の統計表:空き家の種類(4区分)、腐朽・破損の有無(2区分)、建て方(2区分)、構造(2区分)別空き家数-全国、都道府県、市区町村(e-Stat 統計表ID 0004021631)
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004021631
調査年:2023年(令和5年)。空き家率=空き家数÷総住宅数×100。 全国平均との差・順位・和歌山県内順位は、上記の公表値をもとに当サイトが機械的に算出したものです。 住宅・土地統計調査は標本調査のため、数値は推計値です。